
【科学的に最強の体臭対策】加齢臭の原因は紫外線か
医師が教える「科学的に最強の体臭対策」Q&A
夏本番を前に気になるのが体臭問題。汗をかく季節だからこそ、科学的な根拠に基づいた対策が知りたい。内科・皮膚科医の友利新医師に、体臭の仕組みから効果的な対策法まで詳しく聞いた。

Q. 体臭の原因は何ですか?
体臭の原因は大きく分けて2つあります。1つ目は汗や皮脂が皮膚の常在菌によって分解される時に発生するガスです。実は汗や皮脂自体には匂いがなく、皮膚表面で常在菌が分解する過程で匂いが生まれます。
2つ目は食べ物由来の成分が血液に乗って体から排出される場合です。例えばニンニクを食べた後に特有の匂いがするのはこの仕組みによるものです。
Q. 年齢によって体臭は変わりますか?
はい、年齢によって体臭は変化します。20代から30代、40代と年を重ねるにつれて、汗や皮脂の質が変わっていきます。
30代後半からは「ミドル臭」と呼ばれる体臭が現れ始め、50代以降は「加齢臭」が出てきます。加齢臭の原因は「ノネナール」という成分で、これは20代にはほとんど存在しません。

加齢臭の発生メカニズムは、皮脂中の脂肪酸(パルミトイル酸)が増え、それが酸化した皮脂と結合することで生まれます。
Q. 紫外線と体臭に関係はありますか?
紫外線は体臭、特に加齢臭の発生に密接に関係しています。皮脂が紫外線に当たると活性酸素が発生し、皮脂が酸化します。この酸化した皮脂がノネナールの生成を促進するため、日焼け止めを使用することで加齢臭を抑える可能性があります。
女性は日焼け止めを継続的に使用する傾向があるのに対し、男性はあまり使わない傾向があります。これが男女間の加齢臭の差として現れることもあります。
Q. 睡眠不足は体臭に影響しますか?
睡眠不足が続くと体臭が変わることがわかっています。不眠が続くとジアリルジスルフィドという成分が皮膚から多く発生し、これがニンニクやネギに含まれる成分と似ているため、ニンニク臭が強くなる傾向があります。
また、ストレスを感じると体内から特定のガス(ジメチルトリスルフィドとアリルメルカプタン)が発生することも研究で示されています。これらは硫黄のような匂いがし、他人にも不快感を与える可能性があります。
Q. 体臭対策として効果的な方法は何ですか?
科学的に効果的な体臭対策には以下のようなものがあります:
1. 紫外線対策:日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線から肌を守り、皮脂の酸化を防ぐ
2. 適切な洗浄:過度な洗浄は皮膚の常在菌バランスを崩すため、朝晩の洗浄と汗をかいた後に軽く洗い流す程度が適切
3. 汗の抑制:デオドラント製品で汗の分泌を抑える
4. 睡眠の質向上:十分な睡眠をとり、体内環境を整える
5. ストレス管理:ストレスによる特有の体臭を防ぐため、ストレス管理を心がける
Q. 体を洗いすぎるのはよくないのですか?
過度に洗いすぎるのは避けるべきです。皮膚には常在菌が存在し、これらが皮膚の健康を保つ役割を果たしています。強い洗浄剤で頻繁に洗うと、皮膚のバリア機能が低下し、炎症を起こす可能性があります。

洗浄は朝晩の定期的なタイミングと、汗をかいた後に軽く行う程度が理想的です。また、ゴシゴシとこすらず、泡で優しく洗うことが大切です。
Q. 脇の汗や匂いが気になる場合の対策は?
脇は特に汗腺が集中している部位で、アポクリン汗腺と呼ばれるやや粘り気のある汗を出す腺が多く、体臭の原因になりやすい部分です。対策としては:
1. デオドラントロールオン:汗腺の働きを抑制する成分が含まれた製品を使用する
2. 医療的対応:重度の場合は「腋臭症(えきしゅうしょう)」として医療機関での治療も可能
3. 医療用ボトックス注射:汗腺に作用して汗の分泌を抑える効果がある
腋臭症の場合、保険適用の手術や薬物療法、自費診療でのレーザー治療なども選択肢となります。
Q. 香水で体臭を隠すことは効果的ですか?
香水で単に体臭をマスキングするだけでなく、自分の体臭の種類に合わせた香りを選ぶことが重要です。例えば加齢臭にはシトラス系の香り、ミドル臭には甘い香りが合うと言われています。
ただし、自分の体臭と香水が混ざると予想外の匂いになることもあるため、つけた後に信頼できる人に確認してもらうのが良いでしょう。自己判断だけでなく、第三者の意見を参考にすることが大切です。
Q. 皮膚の常在菌について教えてください
皮膚の常在菌は誰もが持っているもので、その構成は遺伝的要素が大きく影響します。常在菌は肌の健康維持に重要な役割を果たしており、特定の菌だけが多すぎても少なすぎても良くありません。多様な菌がバランス良く存在することが健康な肌につながります。
常在菌の構成は個人差が大きく、肌が綺麗な人に多い菌の種類や、肌荒れがちな人に多い菌の種類があることもわかっています。腸内環境と同様に、皮膚の「菌環境」も健康に影響を与えるのです。
Q. 体臭対策で市販されているおすすめ製品はありますか?
市販の効果的な製品としては、以下のようなものがあります:

1. デオコ薬用ボディクレンジング:「ラクトン」という成分が含まれており、加齢臭をマスキングする効果がある
2. ギャツビー デオドラントロール:汗の分泌を抑える効果と、殺菌・制菌力がある
3. カネボウ スキンハーモナイザー:皮脂の酸化を抑え、肌荒れ防止にも効果がある化粧水
これらの製品は、汗を抑える、菌の増殖を防ぐ、皮脂の酸化を防ぐなど、それぞれ異なるアプローチで体臭対策に役立ちます。
Q. 最終的なゴールは何ですか?
体臭対策の最終的なゴールは「健康になること」です。体臭と健康は一見関係ないように思えますが、体臭の原因を探ると、紫外線によるダメージ、ストレス、睡眠不足、皮膚の常在菌バランスの乱れなど、健康状態と密接に関わる要素がたくさんあります。
体臭を改善するために生活習慣を見直し、適切なケアを行うことは、結果的に全身の健康増進につながります。体臭対策は単に見た目や印象の問題ではなく、健康管理の一環として捉えることが大切です。
