BODY SKILL SET
痩せやすい体になれるピラティストレーニング
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2025年3月5日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。ラグビー五郎丸歩らを指導したトレーナーが、スポーツ医学に基づいた正しいトレーニングを伝授。 <ゲスト> 本橋恵美 一般社団法人 Educate Movement Institute 代表理事 株式会社 E.M.I. 代表取締役 徳島大学...
ピラティスが腰痛改善に効く理由とは?誰でもできる自宅エクササイズを専門家が解説
ピラティスは見た目を整えるだけでなく、腰痛改善や健康増進に効果的なエクササイズ。今回は専門家・本橋恵美先生が、ピラティスの健康効果とその仕組み、さらに自宅でできる簡単なエクササイズを紹介します。

Q: そもそもピラティスとは?
ピラティスはドイツ人のジョセフ・ピラティスによって1920年代に開発されたエクササイズ法です。第一次世界大戦中に負傷した兵士のリハビリテーションのために考案されました。当時、兵士たちはベッドで安静にしなければならない状況だったので、ベッドを改造してマシンを作り、そこで効果的にリハビリができるようにしたのがピラティスの始まりです。
ピラティスは単なるエクササイズではなく、理論に基づいた運動療法です。「コントロロジー」と呼ばれる身体と精神のコントロール理論に基づき、特に体幹(コア)を鍛えることを重視しています。
Q: ピラティスを行うとどんな効果があるの?
ピラティスの大きな効果の一つは、腰痛の軽減です。これは腰を支える深層筋を鍛えることで実現します。また、姿勢改善、柔軟性向上、体幹強化などの効果もあります。
さらに、科学的なエビデンスによると、ピラティスには以下のような効果も確認されています:
- 睡眠の質の向上
- 不安やうつ症状の改善
- 糖尿病患者の糖・脂質代謝の向上
- 高齢者の骨密度増加
- バランス感覚の向上
ピラティスは年齢を問わず効果が期待できます。高齢者でも12週間継続することで、睡眠の質やメンタル面の改善が見られたという研究結果もあります。
Q: ピラティスが腰痛を改善する仕組みとは?
腰痛を改善するためには、腰を支えるインナーマッスル(深層筋)を鍛えることが重要です。特に重要なのは以下の4つの筋肉です:
1. 横隔膜
2. 多裂筋
3. 骨盤底筋群
4. 腹横筋
これらの筋肉を適切に活動させることで、腰椎に適切な安定性(スタビリティ)が生まれます。特に横隔膜の働きと呼吸は密接に関連しており、深い呼吸を意識してエクササイズを行うことでこれらの筋肉がより効果的に活動します。
実際の研究では、腰痛患者は健常者と比較して横隔膜の動きが制限され、筋肉も薄いことがわかっています。横隔膜の活動が低下していると、肺に取り入れる酸素量も少なくなり、疲労しやすくなります。つまり、呼吸機能の低下と腰痛には関連性があるのです。
Q: 正しい呼吸法について教えてください
ピラティスでは呼吸が非常に重要です。正しい呼吸ができれば、自然と内側の筋肉が活動します。
基本的には「鼻から吸って鼻から吐く」のが最も良いとされています。これは体の自然な機能に沿った呼吸法です。口は食べたり飲んだりするための器官で、鼻は空気を吸うための器官だからです。
呼吸の仕組みとインナーマッスルの関係は以下のとおりです:
- 吸気時:横隔膜が下がり、多裂筋が収縮して背筋が伸びる
- 呼気時:腹横筋が収縮してお腹がへこみ、骨盤底筋群も収縮する
日常的に深い呼吸を意識するだけでも、自然とインナーマッスルは鍛えられます。特に朝起きた時や寝る前にリラックスした状態で、鼻からゆっくり吸って鼻からゆっくり吐く呼吸を行うと良いでしょう。
Q: 自宅でできるピラティスのエクササイズを教えてください
自宅で簡単にできるピラティスエクササイズをいくつか紹介します。マットがなくても床やタオルを敷いて行うことができます。
1. デッドバグ
これは腹横筋に最も効果的なエクササイズの一つです。ひっくり返った虫が手足をバタバタさせる様子に似ていることから名付けられました。
やり方:
1. 仰向けに寝て、腰の隙間に手を入れて確認(ニュートラルポジション)
2. お腹を20-30%内側に引き込み(ドローイン)、背中を少し床に近づける
3. 両手を天井に向けて上げ、膝と股関節を90度に曲げる
4. 息を吸いながら右手を頭上に伸ばし、同時に左足を斜め45度に伸ばす
5. 息を吐きながら元の位置に戻す
6. 反対側も同様に行う
目標は右左で1セットとして8セット行うことですが、最初は無理をせず少ないセット数から始めましょう。

2. ロールダウン・ロールアップ
背骨の柔軟性を高めるエクササイズです。
やり方:
1. 床に座り、膝を軽く曲げて足を前に伸ばす
2. 鼻から息を吸いながら背筋を伸ばす(エロンゲーション)
3. 息を吐きながら骨盤を後傾させ、背骨を1つずつ下から床に向かって丸めていく
4. 下まで行ったら再度息を吸い、吐きながら顎を胸に近づけて背骨を1つずつマットから離して戻る
難易度を上げる場合は両手を耳に添えて行います。反動をつけずに、ゆっくりと背骨を意識して行うことがポイントです。

3. シングルレッグストレッチ
股関節の動きを良くするためのエクササイズです。
やり方:
1. 仰向けに寝て両膝を抱える
2. 頭を上げる
3. 右膝を両手で抱え、左足を斜め45度に伸ばす
4. 息を吐きながら足を入れ替える(左膝を抱え、右足を伸ばす)
5. リズミカルに繰り返す
余裕がある場合は難易度の高いバージョンも試してみましょう。伸ばした足をふくらはぎをつかんで天井に向け、もう一方の足は床ギリギリまで伸ばします。

4. ハンドレッド
体幹を鍛える代表的なピラティスエクササイズです。
やり方:
1. 仰向けに寝て両膝を抱え、頭を上げる
2. 両手を体の横に伸ばし、足を斜め45度に伸ばす
3. 肩甲骨が浮くくらい背中を丸める
4. 手を素早く上下に動かしながら、「吸って2,3,4,吐いて2,3,4」のリズムで呼吸する
5. これを10回の呼吸で行う(計100回の手の動き)
このエクササイズは呼吸と動作の連動が重要です。体幹がブレないように、お腹を引き込んだ状態をキープしながら行いましょう。

Q: エクササイズを行う際の注意点は?
1. 呼吸を止めない:エクササイズ中は呼吸を止めずに、リズミカルに行いましょう。
2. ドローインを意識:常にお腹を20-30%引き込んだ状態を維持します。
3. 無理をしない:できる範囲で行い、徐々に回数を増やしていきましょう。
4. 継続が大切:1日に全てのエクササイズを行う必要はありません。朝と夜に分けて行うなど、継続できる方法を見つけましょう。
5. 正しいフォームを心がける:質を重視し、反動をつけずにゆっくり行います。
Q: ピラティススタジオの選び方について教えてください
ピラティススタジオを選ぶ際は、自分の体の悩みについて質問してみましょう。その回答が的確で「この人はちゃんと勉強している」と感じられる指導者を選ぶことが大切です。
ピラティスはSNSなどで「映える」ポーズが話題になることもありますが、過度な股関節の開脚など関節可動域を超えるような動きは危険です。ピラティスの本来の目的は健康増進にあり、その結果として体型も整ってくる点を理解しておきましょう。
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ピラティスは一見シンプルな動きでも、正しく行うことで深層筋に効果的にアプローチできるエクササイズです。日常の呼吸を意識するところから始め、少しずつ自宅でできるエクササイズを取り入れていくことで、腰痛改善や健康増進につながります。無理なく続けることが何よりも大切です。