
急成長起業家が語る「人材業界の未来予測」【レバレジーズ岩槻CEO】
「1000億円企業でも、結局はマッチング勝負」人材業界の未来を見据えたレバレジーズ岩月智久CEOに迫る
岩月智久CEOが率いるレバレジーズは、日本の人材ビジネス業界で急成長を遂げている注目企業だ。非上場ながら売上高1000億円を超え、まさに「ユニコーン企業」の名にふさわしい存在となっている。人材不足が深刻化する日本市場において、同社はどのようにして成長してきたのか?そして人材ビジネスの未来像とは?9つの質問を通じて、その秘密に迫る。

Q. レバレジーズは現在、どのくらいの規模の企業なのですか?
レバレジーズは非上場企業ながら、売上高1450億円ほどの規模に成長している。創業以来黒字経営を続けており、人材ビジネス業界で急速に存在感を高めている企業だ。
Q. なぜそれほどまでに成長できたのですか?
適切な市場選択と競争相手よりも一生懸命取り組む姿勢が成長の秘訣だ。人口減少による労働力不足を20年前から予測し、そこに対応するビジネスモデルを構築してきた。主に「最適配置」「労働力確保」「DX推進」という3つの領域で事業を展開している。
Q. レバレジーズはどのような会社なのですか?一言で表すと?
一言で言えば「生産能力を製造している事業」だ。労働力不足に対して、最適な人材配置によるマッチング、海外からの労働力確保、DXによる生産性向上という3つの方向から解決策を提供している。リクルートの上場前の姿を参考にしつつ、特定分野に特化したアプローチで市場を開拓してきた。

Q. なぜ多くの新卒が入社したがるのですか?
内実を整えることを重視している。表面的なキャッチフレーズよりも、人が実際に成長できる環境作りに注力し、それを正直に伝えている点が評価されている。残業が多いことなどのネガティブな面も含めて実態を伝え、ミスマッチを防いでいる。
特徴的なのは若手への権限委譲の早さで、入社から1年半〜2年程度で管理職が次々と誕生する。若いうちから多くの責任を任されることが、挑戦したい若者にとって魅力になっている。
Q. 日本の労働力不足は今後どうなっていくのでしょうか?
リクルートの推計によると、2040年には約1000万人の労働力不足が予測されている。特に2026年から2027年にかけては急激に約100万人減少するとされており、労働市場は乱戦状態になっていく。
企業側は採用条件の緩和を進めるだろう。例えば年齢制限の撤廃や、外国人労働者の受け入れ拡大などの変化が予想される。採用単価も上昇し、市場は拡大していくが、やがては人口減少の影響で縮小期を迎える。

Q. 人材ビジネス業界の競争状況はどうなっていますか?
市場には多くのプレイヤーが参入しているが、特定分野で強みを持つ少数の企業に集約されていく傾向がある。例えば看護師市場では、リーマンショック後に100社以上が参入したが、現在は5社程度が市場を独占している。
新規参入の障壁は低いものの、選好者メリット(先行者利益)が大きいため、既存の大手企業が有利な状況が続く。今後は企業間の競争が激化し、2030年頃には業界再編が進むだろう。
Q. AIは人材ビジネスをどう変えていくのでしょうか?
AIの影響は特にマッチングアルゴリズムの進化という形で現れる。求人情報と求職者の適合性を高精度で判断できるようになり、大量のデータを持つ大手企業ほど優位に立つ。
しかし、人間のキャリアエージェントが完全になくなるとは考えにくい。AIと話したくない人もいれば、人間との対話を通じて転職を決めたい人も多い。特に重要な決断には人間の説得力や共感力が必要で、これはAIで完全に代替するのが難しい部分だ。

Q. ホワイトカラーはAIによって淘汰されるという議論についてどう思いますか?
調査業務など定型的な作業はGPT-4のような高度なAIによって代替される可能性が高い。しかし営業職など人間同士の関係構築が重要な職種は、むしろ人間の強みが発揮される領域だ。特に高額商品ほど、人間による営業活動の価値は高まる。
人員削減の可能性はあるが、半分以上がなくなるといった極端な予測は現実的ではない。むしろ市場ニーズに応じて、ホワイトカラーからエッセンシャルワーカーへのシフトが徐々に進む可能性がある。
Q. 40代・50代の転職市場は今後どうなりますか?
高齢層の転職市場は拡大する領域だ。これまで「20代しか採用しない」と言っていた企業も、若年層の減少により採用条件を緩和せざるを得なくなっている。例えばIT業界では「プログラマー35歳定年説」と言われていたが、現在は40代半ばまで広がっている。
ただし、転職希望者の期待値と市場の現実にはギャップがある。転職して給料が上がった人は周囲に積極的に話すが、下がった人は黙りがちなため、成功例だけが広まりやすい。特定分野から需要のある分野への移動は日本全体にとって有益だが、企業側と労働者側の両方の意識変容が必要だ。
