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腰痛が長引く人の特徴
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2024年10月20日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。国民病とも言われる腰痛。長引く人の特徴は意外なところにあり? <ゲスト> 三木貴弘/理学療法士 株式会社PREVENT Insight Lab シニアリサーチャー 北海道大学大学院博士課程修了 オーストラリア留学、病院での勤務を経て、現...
国民病「腰痛」をスッキリ解決!正しい知識で自分の痛みを理解しよう
「腰痛イコール何々」と単純に決めつけるのは危険だ。なぜなら腰痛は人によって原因も解決策も異なるからだ。全国民の多くが抱える腰痛の謎を解き明かすため、理学療法士の三木貴弘氏に話を聞いた。

Q. 腰痛はなぜ国民病と言われるのか?
厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査によると、自覚症状の第1位が男女ともに「腰痛」となっている。これは世界的に見ても同様の傾向があり、常にトップレベルの悩みとなっている。腰痛研究は進んでいるものの、未だに完全な解決策は見つかっていない。
Q. レントゲンで腰痛の原因はわかるのか?
実は腰痛の約8〜9割は「非特異的腰痛」と呼ばれ、レントゲンやMRIなどの画像検査では原因が特定できないものだ。これらは手術が必要ない腰痛で、動きによって生じる痛みであることが多い。
レントゲンやMRIは静止した状態で撮影するため、動いている時に起こる腰痛の原因を特定することが難しい。腰痛は動作中に発生することが多いため、画像検査だけでは捉えられない要素が大きい。
残りの1〜2割は「特異的腰痛」と呼ばれ、画像検査で原因がはっきりわかるもので、場合によっては手術が必要となることもある。
Q. 腰痛が長引く人にはどんな特徴があるのか?
腰痛が慢性化する人には以下のような特徴があることが研究で明らかになっている:
1. 受動的な対処(誰かに治してもらおうという姿勢)
2. 強い疼痛(最初の痛みが強い人)
3. ネガティブ思考
4. 痛みに対する理解力の低さ
5. 回復への期待が低い(「どうせ治らない」という考え)
6. 社会活動性の低さ
興味深いことに、これらの特徴は身体的な要素よりも、心理的・社会的な要素が多いことがわかる。腰痛は多くの人が考えるよりも、心理的・社会的な要因が大きく影響していることが最近の研究で示されている。
Q. ストレスや睡眠不足も腰痛と関係あるのか?
確かに関係がある。胃痛や口内炎がストレスで悪化することは多くの人が納得するが、腰痛も同様だ。睡眠不足の時は痛みをより強く感じることが研究で明らかになっている。腰痛は体の問題だけでなく、心や社会的な要因も含めた多角的なアプローチが必要だ。
Q. 正しい姿勢とはどのようなものか?
「正しい姿勢」という言葉自体があいまいで、視点によって変わってくる。解剖学的に見た正しい姿勢と、機能的に見た正しい姿勢は異なることがある。
腰痛予防のために重要なのは:
1. 筋肉を適切に使える姿勢
2. 同じ姿勢を長時間続けないこと
例えば、バランスボールに座ると常に微妙に姿勢が変わり、腰を支える筋肉が使われるため腰にとっては良い姿勢となる。「美しい姿勢」であっても、それを3時間続けると腰痛の原因になりうる。30分に一度は姿勢を変えることが大切だ。
Q. 腰痛を悪化させる危険な行動はあるのか?
1. 腹筋運動(特に上体起こし): 一般的な腹筋運動は腰を何度も折り曲げるため、腰椎間のクッション部分に負担がかかる可能性がある。代わりにプランクのような、腰を固定した状態でのトレーニングが推奨される。
2. 睡眠不足: 睡眠不足は痛みの感じ方を強くする。骨の形や筋力は一日で大きく変わらなくても、睡眠不足やストレスによって、同じ状態でも痛みを強く感じることがある。
Q. 「腰痛持ち」という自己認識は治りにくさに影響するのか?
「腰痛持ちなんです」と自分を規定してしまう人は多いが、この考え方自体が回復を遅らせる可能性がある。最初のきっかけは確かに何らかの身体的な要因であることが多いが、それが治るか慢性化するかは心理的な部分も大きく関わっている。
ポジティブな考え方を持ち、正しい知識で自分の腰痛を理解することで、改善する可能性は大きく高まる。腰痛を必要以上に恐れることなく、自分の体と痛みのパターンを知ることが大切だ。
Q. 腰痛はなぜ突然起こるのか?
多くの腰痛、特に「ぎっくり腰」のような突然の痛みは、実は「コップの水理論」で説明できる。日々の生活でダメージが少しずつ蓄積され(コップに水が溜まっていく)、ある瞬間に限界を超えて痛みとして現れる(水があふれる)というものだ。
例えば、長時間座った後にトレーニングをすると腰痛が起きやすくなるのは、既に腰に負担がかかった状態でさらに負荷をかけるからだ。前日のトレーニング、睡眠不足、ストレス、長時間の同じ姿勢など、様々な要因が積み重なって「ぎっくり腰」のような突発的な痛みとなることが多い。
Q. 腰痛改善のために最も重要なことは何か?
腰痛改善のカギは「自分の腰痛を知ること」だ。腰痛は原因も症状も人それぞれ異なるため、「腰痛イコール〇〇」という単純な方程式は成り立たない。自分の痛みがどのような時に起こるのか、どんな動作で悪化するのか、心理的・社会的要因はないかなど、多角的に自分の腰痛を理解することが重要だ。
専門家に相談する際も、自分の生活習慣や痛みのパターンをよく観察して伝えることで、より適切なアドバイスを受けられる。腰痛を抱える多くの人が改善できる可能性は十分にある。