
40代からの資産運用:社会保障と税制
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2025年10月10日
医療の発達で寿命が伸びている現代。では、将来のお金や健康の不安を解消するにはどうしたら良いのか?年金はこれからどうなるのか?モニクルの篠田尚子・ファンドアナリスト、泉田良輔・証券アナリストに聞いた。 ▼ 40代からのマネー講座 “知って終わり“にしない 40代からの資産運用実践ガイド 「確実に押さ...
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社会保障の未来に備える!40代からの資産運用戦略
40代から考えたい社会保障と税制の変化。年金繰下げ受給で最大84%増額も可能に。確定拠出年金の20年運用で「掛け金の倍以上」になった実例も。これからどう備える?専門家が解説する社会保障と税制のポイント。

Q. 40代が不安に感じている社会保障の課題とは?
40代以降の多くの人が社会保障や税金の将来に不安を抱えている。特に年金や退職金周りの制度変更は多くの人が関心を持つポイントだ。
年金制度では、2022年から年金の繰下げ受給が75歳まで選択できるようになった。公的年金をいつから受け取るかを自分で選べる時代になってきている。繰下げ受給すれば割増しされ、75歳まで繰り下げると84%も増額されるメリットがある。

一方で、基礎年金の財源見直しも進行中だ。年金は自分が納めた金額をそのままプールして後で受け取る仕組みではなく、現役世代が高齢者を支える仕組みのため、少子高齢化の進行で財源の見直しが迫られている。
個人で加入する確定拠出年金の掛け金上限引き上げもほぼ決定している。自分で年金を準備し、確実に自分が受け取れる仕組みをどれだけ早く始められるかがポイントになってきている。
Q. 確定拠出年金で20年運用すると実際どうなるのか?
企業型の確定拠出年金は制度開始から既に20年ほど経過しており、この間きちんと運用してきた人と預金や保険のまま放置していた人では、受給可能額に大きな開きが生じている。
専門家たちの経験によると、20年間の運用で掛け金の「倍以上」になった例も珍しくない。この20年間にはリーマンショック、アベノミクス、チャイナショック、欧州債務危機など様々な市場変動があったが、積立を継続してきたことで結果的に大きな資産形成に成功している。
一方で確定給付型年金ではほとんど増えておらず、2〜3%程度の運用にとどまっていることが多い。会社側は保守的に運用する傾向があり、個人で運用する確定拠出型の方が柔軟にリスクを取った運用ができるメリットがある。
40代からでも全く遅くはなく、確定拠出年金は原則として引き出せないため、長期的な視点で運用できる点も利点だ。税制面のメリットもあるので、引き出す予定がなければ始めた方が良い。
Q. 医療・介護の制度はどう変わっていくのか?
40歳以降は介護保険料を納めており、2024年度には全国で相次いで引き上げられる見込みだ。これは介護保険を利用する高齢者の層が増えているためで、ある程度はやむを得ない側面がある。

なお、40代以降は介護保険料を払っている以上、必要になれば自分も介護保険を利用できる。これは高齢者の介護だけでなく、40代以降に何かあって介護が必要になった場合にも適用される。
また、高額療養費制度の見直しの動きもある。これは一旦延期されたが、医療費全般の財源が逼迫している状況で、今後も定期的に見直しが行われる可能性が高い。医療の高度化や高額な医薬品・手術費用を考えると、民間の保険や自分での資金準備がますます重要になってくる。
結局のところ財源問題が根底にあり、利用者から保険料をより多く徴収するか、医療の質を下げるか、という選択を迫られている。
Q. 税制面で40代が知っておくべき変化とは?
住宅ローン控除は近年縮小傾向にある。制度開始当初は大盤振る舞いの状態だったが、だんだん見直されてきている。
退職所得控除の見直しも進んでいる。新卒から定年まで同じ会社に勤め上げるキャリアが一般的でなくなる中、退職所得控除の恩恵を受けられる人とそうでない人の差が出てきている。個人型確定拠出年金(iDeCo)や勤務先の退職金との兼ね合いも人によって大きく異なり、多様な働き方に対応した制度の見直しはある程度やむを得ない面がある。

この10〜20年で都市部の不動産を購入した人は、住宅ローン控除のメリットに加え、不動産価格の上昇というキャピタルゲインも享受できた。東日本大震災後に不動産価格が下がった時期に購入した人は特に恵まれている。ただし、それを実際に売却するかどうかは別問題だ。
Q. 年金はどのくらい受け取れるのか確認する方法は?
40代以上になると、「ねんきん定期便」が誕生日の前後に日本年金機構から届く。このはがきには、これまで納めてきた年金の実績と、それに基づいて受け取れる年金額の見込みが記載されている。
「ねんきん定期便」はウェブでも確認できるので、自分がどれくらい年金を納めてきたか、将来いくら受け取れるのかを把握しておくことが大切だ。
公的年金はいつ受け取り始めるかによって金額が変わる。繰下げ受給は70歳で42%増、75歳で84%増となる。ただし、繰下げた期間の生活費をどう賄うかという課題もあり、確定拠出年金を先に受け取って、後から公的年金を受け取るといった戦略的な判断も考えられる。
Q. 40代から準備すべきことは何か?
まず自分の社会保障の状況を把握することが重要だ。給与明細を見て、どのような保険料や税金を納めているのか、それらがどう使われるのかを理解しよう。
次に、公的年金だけでなく、自分で資産を形成する仕組みを整えること。確定拠出年金や新NISAなどの税制優遇制度を活用し、長期的な視点で資産運用を始めることが大切だ。
また、健康管理も重要な「備え」の一つ。健康寿命と平均寿命の差を縮めることで、医療費の負担を減らせるだけでなく、より長く働いて収入を得られる可能性も高まる。健康を維持するための時間とお金を投資することも40代の重要な課題だ。
これらの社会保障や税制の問題は日本だけでなく、多くの先進国で共通の課題となっている。公的制度の変化に振り回されるだけでなく、自分でできる備えを今から始めることが、将来の安心につながるだろう。
