
40代からの資産運用:株式、債券の基礎知識
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2025年9月17日
NISAブームにより投信は身近になった。では、株式、債券の初心者が、株式・債券投資を始める際に気を付けるべきことは何か?どれくらいの基礎知識が必要なのか?モニクルの篠田尚子・ファンドアナリスト、泉田良輔・証券アナリストに聞いた。 <ゲスト> 篠田尚子|モニクル総研 ファンドアナリスト 慶應義塾大学...
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40代からの資産運用: 株式・債券投資の基礎知識
投資信託だけでなく、株式や債券も取り入れることで資産形成をより効率的に行える可能性があります。特に40代以上の方は、これまで貯めてきた資金をどのように振り分けるべきか悩むことも多いでしょう。今回は株式投資と債券投資の特徴や向いている人の特徴について、モニクル総研のファンドアナリスト篠田尚子氏と証券アナリスト泉田良輔氏に解説してもらいました。

Q. 投資信託、債券、株式の違いは何ですか?
投資信託は皆さんのお金を集めて運用する金融商品で、少額積立に最も適しています。NISAや確定拠出年金など、小口で積み立てていく制度は投資信託を中心に設計されています。
一方、株式と債券はまとまった資金がある方や、さらにステップアップしたい方、あるいは守りの要素を取り入れたい方向けの商品です。40代以上の方は、これまで貯めてきた資金をどのように振り分けるか悩むことも多いため、投資信託だけでなく債券や株式もうまく取り入れることで、より効率的な資産形成が可能になります。

これらの金融商品はそれぞれ特徴が異なります。投資信託、債券、株式ともに元本保証はありませんが、お金の受け取り方や収益の上げ方が違います。
定期的な収入面では、投資信託は分配金がありますが、ファンドやタイミングによって変動します。債券(利付債)は、購入時に決められた条件で利払いが定期的に入ってきます。株式は配当金がありますが、会社の業績によって金額が変動するため不確実です。
株式の特徴として、株主総会に参加でき議決権を行使できる経営参加権があります。これは投資信託や債券にはない特徴です。
価格変動リスクは全ての商品にありますが、債券は満期まで持てば元本が戻ってくるため、途中で売却しなければリスクを回避できます。
最悪のリスクについては、投資信託は分散投資されているため、一部の企業が倒産しても影響は限定的です。債券は発行企業がデフォルト(債務不履行)すると全額が戻ってこないリスクがあります。株式は企業が倒産すると価値がゼロになります。
Q. 株式投資のメリットとデメリットは何ですか?
株式投資のメリットとしては、まず投資信託と比べて集中投資となるため、より高いリターンを得られる可能性があります。また、高配当株に投資すれば定期的に配当金が入り、金額が増えれば生活の支えになることもあります。日本株特有のメリットとして株主優待があり、企業のサービスを優待されたり、商品をもらえたりする楽しみもあります。

デメリットとしては、1銘柄に投資するため値動きが大きく、リスクも大きくなります。また、日本の上場銘柄は4,000近くあり、どれを選ぶか判断するのに手間がかかります。さらに、単元株という概念があるため、複数銘柄に投資して分散投資しようとすると、ある程度のまとまった資金が必要になります。
Q. 株式投資に向いている人、向いていない人はどんな人ですか?
調べることが好きな人は株式投資に向いています。個別株投資をすると、企業の決算や競合の状況、産業などをリサーチすることが必要になります。こうしたプロセスを通じて知識やスキルが蓄積されるため、ビジネスパーソンとしての成長にもつながります。
株式投資へのアプローチは様々です。財務諸表を分析してドライに捉えるアプローチもあれば、普段使っているサービスや製品の会社に注目して「ファン」として投資するアプローチもあります。特に初心者の方は、身近なサービスや製品から始めるとよいでしょう。
従来、株式投資は資金力のある年配層のイメージが強かったですが、最近は少額から投資できる環境が整ってきています。以前は100株単位での取引が基本で、株価が高い銘柄だと数百万円の資金が必要でしたが、現在は取引所が各企業に株価を引き下げるよう促したり、単元未満株(100株未満)で買えるプラットフォームも増えています。
Q. 株式投資を始めるにあたって最低限必要な知識は何ですか?
株価評価の原則を知っておくことが重要です。ROE(自己資本利益率)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標の意味を理解し、割安か割高かを判断できるようになると良いでしょう。特にROEは会社のバランスシートと利益から計算でき、株式市場の影響を受けにくいため、アナリストも重視しています。PERはマーケットの期待値で変動するため、分析しても意味が少ない場合があります。
配当株に投資したい場合は配当利回りの概念、バリュー株(割安株)に投資したい場合はバランスシート分析の知識も必要です。これらの知識は本を読めば比較的短時間で基本は理解できます。
ただし、全てを勉強してから始めなければならないわけではなく、まずは自分がよく知っている会社に興味を持ち、そこから少しずつ知識を増やしていけば大きな失敗は避けられます。
Q. 債券投資の特徴は何ですか?
債券は国や企業の借用証書です。企業や国が投資家に対して借金をしている状態と言えます。株式との大きな違いはここにあります。
資産としての特徴は、利付債の場合、定期的に利子がもらえること、満期になると払った元本が戻ってくることです。途中売却も可能ですが、満期まで持つことで収支が読みやすくなります。また、債券はそれぞれ通貨や年限、利回りが決まっているので、自分の好みに合わせて選べます。

リスクとしては、発行体(企業や国)が倒産・破綻するとお金が戻ってこない「デフォルトリスク」があります。ただし、格付け機関が財務内容やキャッシュフローを分析して格付けをしているので、より安全なものを選ぶこともできます。
価格変動リスクについては、途中売却すると金利水準の変動で価格が変わりますが、満期まで持てばこのリスクを避けられます。そのため、個人投資家が安定的に運用したい場合は満期まで持つ戦略が有効です。
Q. 債券投資に向いている人はどんな人ですか?
債券投資は安定運用したい人、特に退職前後の世代に向いています。若い世代にとっては株式投資でリターンを狙った方が良い場合が多いでしょう。資産が固まってきた退職前後の方が、「あと10年くらいはこの利回りで運用したい」といった形で投資するのが効果的です。
ただし、資金の用途で考えることも重要です。使う予定が決まっている資金には債券が相性良いです。債券は満期が決まっており、そこまでのキャッシュフローも債券購入時に確定します。特に5年未満など中途半端な期間で使う予定がある資金には、短期の債券が適しているかもしれません。
債券は基本的にリスクはありますが、預金よりも高い利子を得られる可能性があります。国債と社債ではリスクが異なり、当然社債の方が利回りは高くなりますが、その分リスクも高くなります。ただし、個人投資家向けに提供される債券は、証券会社が一定のスクリーニングを行っているため、格付けが極端に低い債券はあまり出回っていません。
デフォルトが起きた場合でも、債券は株式よりも優先順位が高く、企業の資産売却などから優先的に返済されます。そのため、全額戻ってこないリスクはありますが、株式のように完全にゼロになる可能性は低いです。
