
U-NEXTの最大の脅威は、NetflixとAmazon
7,504回視聴
2025年8月12日
プレミアリーグとラ・リーガの配信を行うU-NEXTが急成長している。なぜプレミアの配信を始めたのか?今後、日本代表の配信も強化していくのか?U-NEXTのサッカーコンテンツ戦略を堤天心社長に聞いた。 <ゲスト> 堤天心|U-NEXT 社長 東京大学工学部を卒業後、リクルートに入社。2006年にUS...
サッカーファン必見!U-NEXTがスポーツコンテンツの未来を語る
サッカーファンに朗報!U-NEXTのスポーツコンテンツ戦略について、社長の堤天心氏が赤裏本音トークを展開。DAZN一強の時代を打ち破る意気込みや、日本代表戦の配信、そして「最大の脅威」であるAmazonとNetflixの参入にどう立ち向かうのか。今回はサッカー界の著名人たちを交えた対談から、U-NEXTのスポーツコンテンツの現在と未来について紹介する。

Q. U-NEXTにとって日本代表戦の配信はどのような意味がありましたか?

日本代表戦は最大のライトファン向けコンテンツだと考えています。日本代表戦をきっかけにプレミアリーグやラリーガなどを見るユーザーが増えていくのが一番王道のストーリーです。サッカー配信を始めて2年でここまで来られたことはとても嬉しいですね。特に森保監督がインタビューでU-NEXTという名前に言及してくれたことは個人的にも感慨深かったです。チャンスがあれば今後も日本代表戦には積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
Q. 今後どのようなサッカー番組を制作する構想がありますか?

現在、二つの方向性で番組を検討しています。一つは、イギリスのBBCなどが制作している「ハイエンドサッカー番組」のような、戦術解説などを含む本格的なコンテンツです。もう一つは、ライトファン向けに親しみやすいMCを起用し、コアファンにとっても価値があると思ってもらえるような番組です。ただし、選手たちはとてもストイックで、バラエティ出演などには全くモチベーションがないので、彼らの価値観を尊重することが大前提です。選手が望まないことをやるという発想はありません。
Q. ワールドカップの放映権はどうなりそうですか?
一般論として、地上波放送の場合、放送の1年前にはスポンサーを決めなければなりません。今はそのタイムラインにギリギリ来ているので、もしかするとテレビで見られない可能性もあります。現在は放送と配信が区別されずに一つの権利として扱われるケースが多くなっています。以前は放送ありきでしたが、今は配信側の方がフレキシブルという状況になってきました。これはコロナ後に一気に変わったメディア環境の変化です。
Q. Amazon、Netflixのスポーツ参入をどう見ていますか?
AmazonとNetflixは最大の脅威です。特にAmazonはボクシングやコパ・アメリカを配信していますし、Netflixも来年以降、本格的にスポーツライブ配信ビジネスに参入するでしょう。彼らはプラットフォーム力、マーケティング力、潤沢なユーザー基盤を持っています。U-NEXTが得意と思っていた領域が彼らの射程圏内に入っているので、資本力だけの勝負になると対抗するのは難しいです。
しかし、ファンが望む世界はそれだけではないかもしれません。ヨーロッパのスポーツビジネスは地域ごとにマーケティングをし、ファンを育てようとしています。グローバルプラットフォームに全てを任せてグローバルマーケティングに頼るだけで、そのIPがグローバルで育つという保証はないでしょう。日本市場やコアファンをしっかり理解している価値観を研ぎ澄ますことが、外資に対する「ワクチン」になる可能性があります。
Q. U-NEXTのスポーツビジネスモデルの強みは何ですか?
U-NEXTの強みは、マーケティングコストとテクノロジーコストを独立して考えなくていい点です。サッカーパックなどの個別パックのビジネスを考える際、U-NEXT全体のプラットフォームのマーケティングコストやテクノロジーコストに吸収できるので、パック単体でそれらのコストを考慮する必要がありません。
例えば、ライブ配信が1つ増えても、U-NEXT全体のプラットフォームコストから見ればほとんど誤差です。マーケティングも一体化しているので、個別に大きな予算をかけずにU-NEXT全体のマーケティングの中で展開できます。この構造的なメリットは他社と比べて大きいかもしれません。
Q. 今後取り組みたいスポーツコンテンツはありますか?
現在、サッカー、格闘技、ゴルフ、テニス、バレーボールを展開しています。特にサッカーについては、プレミアリーグとラリーガに同じエネルギーを投入しています。チャンピオンズリーグについては、プレミアリーグが強いため、どうしてもそちらに人が流れてしまう難しさがあります。
スポーツコンテンツはライブ体験の価値が高く、AIに取って代わられる心配がないという強みがあります。人間が生み出したIPの中で最高峰と言えるでしょう。テクノロジーによって中継技術は進化しても、完全にAIで自動生成されるコンテンツの世界とは真逆に位置しています。5年後、10年後の世界は想像しづらいですが、ライブコンテンツの価値はさらに高まっていくのではないでしょうか。
Q. 日本のスポーツコンテンツを海外に配信する計画はありますか?
配信権は基本的に国ごとに分かれているので、直接海外向けに配信するというよりは、海外のプラットフォームやメディアとのアライアンスを通じて展開する可能性が高いです。例えば、HBO Maxとの提携を通じて世界に届けるといったアプローチです。

Jリーグなど日本のスポーツコンテンツが海外、特にアジアでもっと普及すれば、海外での放映権ビジネスもスケールしていくでしょう。日本のサッカーを含めたスポーツコンテンツの国際化は、個人的に興味があるテーマですし、国のためにも強化していきたい分野です。
