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睡眠の都市伝説を斬る
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2025年4月18日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。睡眠・冬眠研究の第一人者、筑波大学の櫻井武氏が睡眠の都市伝説をぶった斬る。本当に質の良い睡眠が見つかります。 <ゲスト> 櫻井武/筑波大学 医学医療系 教授 1964年東京生まれ。筑波大学大学院医学研究科修了。医師、医学博士。日本学術振...
睡眠の質を上げる秘訣とは?専門家が明かす「意外と知らない睡眠の真実」
睡眠研究の専門家が明かす驚きの事実。「パワーナップは本当に必要ない」「エアコンは睡眠の味方」など、私たちが信じていた睡眠の常識が覆される。本当の質の高い睡眠を得るための鍵とは?
質の高い睡眠には「適切な温度」が不可欠

Q: 睡眠と温度の関係について教えてください
睡眠と体温は密接な関係がある。人は眠る時に体温が約1度下がり、その下がる過程で入眠する仕組みになっている。そのため、体温が下がらないと眠れない。
夏に寝苦しく感じるのは、気温が高すぎて体温が下がりにくくなっているから。睡眠の質を上げるためには、部屋の温度は24℃程度が理想的。エアコンを使って一定の温度を保つことが重要で、「エアコンをつけて寝ると体に悪い」という考えは誤り。むしろエアコンは「睡眠の味方」と言える。
あまりに寒すぎるのも問題で、体が熱を作ろうとして自律神経の交感神経が興奮し、覚醒につながる。温度の下限は20℃程度までが適切だ。
意外と知らない!睡眠を妨げる意外な要因
Q: 香りや音は睡眠にどう影響しますか?
香りについては、一般的にリラックス効果があると言われるラベンダーなどでも、その香りが好きでなければ逆効果になる可能性がある。最近流行のピローミストも、刺激が強いと感情が高ぶって睡眠に良くない影響を与えることも。理想的には無臭の環境が望ましい。
音については、無音が理想的だが、完全な無音環境は難しい。静かすぎると「シーン」という音が気になることもある。人の声などの情報を含む音は、脳が注意を向けてしまうため覚醒を促す。そのため、睡眠中はなるべく情報を含まない環境が望ましい。

Q: 高機能ルームウェアは睡眠の質を上げますか?
高機能ルームウェアが睡眠の質を上げるという明確な科学的根拠はない。ただし、着心地が良く「これを着ると良く眠れる」と思えるものであれば、心理的な効果はある。気持ちの問題が大きいため、自分が快適だと感じるものを選ぶのが良い。
パワーナップの真実と効果的な取り方
Q: パワーナップは本当に効果がありますか?
十分な睡眠が取れている人にはパワーナップは必要ない。しかし、現代人は睡眠時間が足りていないことが多いため、その場合はパワーナップが有効。ただし、パワーナップの目的は「眠気を払うため」であって、本来の睡眠とは役割が違う。
パワーナップは20分程度が理想的で、長くても30分まで。それ以上寝てしまうと深い睡眠(N3)に入ってしまい、起きた後のパフォーマンス回復に時間がかかる。
効果的なパワーナップのコツは、横になりすぎないこと。特に昼食後は、横になると胃酸の逆流リスクもある。座った状態や130度程度の角度で休むのが良い。パワーナップの前にコーヒーを飲むという方法もある。カフェインが脳に作用するまで約30分かかるため、起きる頃にちょうど覚醒効果が得られる。
短時間の仮眠が効果的
いびきと睡眠障害の意外な関係
Q: いびきは危険なのですか?
いびきは気道が閉塞気味になることで生じる。これがさらに悪化すると睡眠時無呼吸症候群になるため、いびきはその前段階と言える。特に、いびきが途中で止まるような場合は注意が必要。
日本人は痩せていてもいびきをかきやすい傾向がある。これは骨格的な要因も影響している。いびきを改善するには、体重を減らすことと横向きに寝ることが効果的。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合は医療機関での診断・治療が必要になる。
アルコールと睡眠の意外な関係
Q: お酒を飲むと眠りやすくなりますが、睡眠の質はどうですか?
お酒は睡眠に良くない。酔っぱらうと確かに眠くなるが、アルコールを飲んで寝た時の睡眠は質が悪い。脳波の周波数特性が通常の睡眠と全く異なる。
また、アルコールが分解されてアセトアルデヒドになると覚醒作用があるため、深夜1時に寝ても朝5時には目が覚めてしまうことがある。さらにトイレに行きたくなって目が覚めることも多い。
アルコールで寝る習慣がつくと、それがないと眠れなくなる心理的依存も生じる。お酒に頼った睡眠は避けるべきだ。
カフェインと睡眠の関係
Q: コーヒーはいつまでに飲めばいいですか?
カフェインはアデノシン(睡眠を促す物質)の働きを邪魔する。一般的には睡眠の4時間前までにカフェイン摂取を控えるのが良い。例えば11時に寝るなら、7時以降はカフェインを含む飲み物を避けるべき。
ただし、カフェインを摂取しても眠れる人もいる。これは睡眠不足が溜まっているサインかもしれない。
自分に合った睡眠時間の見つけ方
Q: 自分に合った睡眠時間はどうやって見つければいいですか?
自分に合った睡眠時間を知る最も簡単な方法は、日中のパフォーマンスを観察すること。つまらない会議や電車の中で眠くならないか、一日中すっきりしていられるかがポイント。
より確実な方法は、連休などを利用して「いくらでも寝ていい」と自分に許可を出し、実際にどのくらい眠るかを調べること。普段睡眠不足の人は初日に11時間など長時間眠ることもあるが、数日続けるとだんだん睡眠時間が減り、7〜8時間程度で安定する。その時間が本来その人に必要な睡眠時間だ。
また、アラームなしで毎日同じ時間に起きられるなら、その睡眠時間は十分と言える。逆に休日になると普段より何時間も多く寝てしまうのは、日頃から睡眠不足の証拠だ。
感情と睡眠の深い関係
Q: 感情は睡眠にどう影響しますか?
感情は睡眠に大きく影響する。不安や人間関係のストレスなどがあると、睡眠は端的に影響を受ける。逆に「明日楽しいことがある」といったポジティブな高揚感も、睡眠に悪影響を与えることがある。
アスリートが試合前日に眠れなくなるのはこのためで、緊張や期待によって感情が高ぶると入眠しにくくなる。理想的な入眠状態は、過度に高揚せず落ち着いた感情状態にあること。
現代人は情報過多の時代に生きており、「明日も頑張ろう」「明日への希望」などのメッセージに常に触れている。これが睡眠に歪みをもたらす一因となっている。

英単語は寝ながら覚えられる?睡眠学習の真実
Q: 寝ながら英単語を聞くと覚えられますか?
寝ながら英単語などを聞いて覚えられるという説は嘘。睡眠中に学習効果があるという科学的根拠はない。
また、寝る直前に暗記すると効果的という説も根拠がない。記憶の定着には睡眠が重要だが、必ずしも寝る直前に学習する必要はなく、日中に学習したことが夜の睡眠によって整理される。
睡眠の習慣を変える方法
Q: 睡眠習慣を変えるのは難しいですか?
体内時計の調節幅は1日最大で90分程度。つまり、1日で1時間半ほどの睡眠時間や起床時間のずれなら調整可能だ。意外と早いスピードで睡眠習慣を変えられる。
ただし、ベッドに入っても寝られないのは良くない。眠くなってからベッドに入るのが基本で、15分経っても寝られなければ一度起きた方が良い。無理に寝ようとするより、「寝られる」という安心感を育てることが大切。
朝早く起きたい場合は、日の光を浴びることで体内時計をリセットできる。早起きで16時間活動すれば、自然と早く眠くなる。