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【恐怖】35歳以上の8割が罹患する歯周病
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2025年4月2日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。35歳以上の8割が罹患していると言われる歯周病。口臭だけではなく、糖尿病や腸内環境悪化のリスクもあるという・・・ <ゲスト> 照山裕子/歯科医 歯学博士 日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。世界でも専門医が少ない『顎顔...
「静かなる病」歯周病の恐怖とは?正しい歯ブラシの選び方や使い方を歯科医が解説
35歳以上の約8割が何らかの症状を抱えるとされる「歯周病」。痛みがないまま進行し、気づいたときには手遅れになることも多い恐ろしい病気だ。歯科医の照山裕子氏が「静かなる病」と称される歯周病のメカニズムから対策法まで詳しく解説する。

歯周病とは?なぜ「静かなる病」と呼ばれるの?
Q: 歯周病とはどんな病気ですか?
歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病)」と定義される怖い病気です。ほとんどが徐々に進行していくので、虫歯のような強烈な痛みがなく、異常に気づきにくいのが特徴です。
歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の深さが健康な状態では2〜3mm程度ですが、これが4〜5mm以上になると歯周病の入り口と考えられます。進行すると歯茎が腫れたり、歯を支える骨が痩せて歯が抜けてしまったりすることもあります。

Q: 歯周病の罹患率はどのくらいですか?
35歳以上の約8割が何らかの歯周病トラブルを抱えていることがわかっています。多くの人は痛みを感じないため、歯がぐらついてくるなど症状が進行した段階で歯医者を訪れることが多いです。

Q: 歯周病は口の中だけの問題ですか?
歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身に影響を及ぼすことがわかってきています。研究では全身の100を超える病気と歯周病がリンクしている可能性が示唆されています。
最も代表的なのは糖尿病で、歯周病が進行するとインスリンの働きを悪くして血糖値のコントロールが難しくなります。逆に、糖尿病が進行している人は歯周病も悪化しやすいという関係があります。
Q: 歯周病とバイオフィルムの関係は?
バイオフィルムとは歯についているぬめり汚れ(プラーク)の総称で、台所のぬめり汚れと同じような細菌の集合体です。1mgのバイオフィルムには約10億個の菌がいて、実はお尻よりも口の中の方が菌の数が多いのです。
最新の研究では、口の細菌が胃を通り抜けて腸内環境を荒らし、大腸がんの原因菌として発見されるケースもあります。バイオフィルムの状態になると消化酵素などをくぐり抜ける能力を持つため、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。

Q: 歯周病を自分でチェックする方法はありますか?
歯周病の初期症状としては以下のようなサインがあります:
- 歯茎の腫れや赤み
- 歯磨きやフロスをすると出血する
- 口臭が強くなった気がする
- 歯がぐらつく
- 歯と歯の間に隙間ができた
特に注意したいのは、フロスを入れたり歯を磨いたりした時に歯茎から出血することです。これは体が細菌と戦っている証拠であり、炎症が起きていることを示しています。
Q: 歯周病対策の基本は何ですか?
歯周病対策の基本は「これ以上悪くしない」ことを目指すことです。一度進行して失われた歯茎や骨を取り戻すのは非常に難しいため、予防が何より重要です。
歯周病の特殊な点は、症状がなくて気づきにくい上に、自分で対策・治療しないと解決しない病気であることです。歯医者で歯石を取ってもらっても、その後の不適切なケアで2〜3日で元の状態に戻ることもあります。

Q: 理想的な歯のケア頻度は?
世界的な研究では、1日2回未満の歯磨きと2回以上の歯磨きを比較すると、2回未満だと虫歯ができやすいことがわかっています。一方、3回以上磨いても特に効果が上がるわけではないため、最低2回の丁寧な歯磨きが推奨されています。
「333運動」(1日3回、3分間の歯磨き)という言葉もありますが、雑に3回磨くよりも、朝と晩にしっかり丁寧に磨く方が効果的です。
Q: フロスはいつ使うべきですか?
フロスは歯磨きの前に使うことが推奨されています。理由は単純で、歯と歯の隙間に食べ物が詰まった状態では、歯磨き粉やマウスウォッシュの有効成分がリスクの高い場所に届かないためです。
まずフロスで詰まりを取り除いてから歯磨きをすることで、歯磨き粉の有効成分が隙間にもしっかり行き渡ります。また、歯磨き後にフロスをするとめんどくさく感じることが多いので、先にフロスを使う習慣をつけるとよいでしょう。
Q: 歯ブラシの正しい選び方は?
歯ブラシを選ぶ際は以下のポイントに注意しましょう:
1. ヘッドの大きさ:自分の親指の爪くらいの大きさが理想的です。大きすぎると細かい部分の磨き残しが出やすくなります。
2. 形状:基本的には直線タイプの方が「ちょこちょこ磨き」がしやすいです。
3. 毛の列:3列のものが標準的です。
4. 毛先:直線のものを選びましょう。
5. 毛の硬さ:普通か柔らかめが推奨されます。特に男性は固めを選びがちですが、歯と歯茎の隙間をしっかり磨くには柔らかめの方が適しています。
Q: 正しい歯の磨き方を教えてください。
正しい歯磨きのポイントは以下の通りです:
1. 持ち方:「鉛筆持ち」が推奨されます。力が入りすぎないようにするためです。
2. 磨き方:小刻みに動かし、あまり音をたてないように優しく磨きます。「シャカシャカ」と音がするほど強く磨くのはNG。
3. 順番:時計回りなど一定の順番で磨くことで、磨き残しを防ぎます。
4. 圧力:歯と歯茎の境目をマッサージするくらいの軽い圧で磨きましょう。
5. 奥歯の磨き方:奥歯の裏側は口を閉じ気味にすると届きやすくなります。
Q: 電動歯ブラシは効果的ですか?
電動歯ブラシは正しい使い方をマスターすれば効果的です。ただし、手磨きの基本ができていない状態でいきなり電動歯ブラシに移行するのはおすすめできません。
電動歯ブラシの使い方で重要なのは、「動かさない」ことです。電動歯ブラシは当てるだけで、自分でゴシゴシ動かす必要はありません。また、電動歯ブラシにも毛の硬さがあり、「センシティブタイプ」など表記を確認して選ぶと良いでしょう。
Q: 良い歯医者の選び方は?
良い歯医者を選ぶポイントは、単に汚れを取って終わりにするのではなく、あなたの歯の状態に合わせた具体的なアドバイスをしてくれる医院がおすすめです。
例えば、歯ブラシの当て方や、あなたの生活習慣に合わせたケア方法の説明など、丁寧に説明してくれて、あなた自身が納得できるような歯医者を選びましょう。歯医者は「治してもらう場所」というよりも、正しいセルフケアを教えてくれる「塾」のようなイメージで通うと良いでしょう。
また、歯の健康状態が良くない段階でホワイトニングなどの美容処置を勧めてくる歯医者は注意が必要です。基本的なオーラルケアができていない状態でのホワイトニングは適切ではありません。
歯周病は一度進行すると元に戻すのが難しい病気です。定期的な歯科検診と正しいセルフケアで、あなたの歯を守りましょう。