
杉村太蔵が維新に問う「医療制度改革」
日本維新の会代表討論会で浮き彫りになった医療改革の本質
日本維新の会の代表選挙が行われ、候補者たちが医療制度改革や社会保障のあり方について熱い議論を交わした。特に高齢者医療費の負担のあり方について、次世代を重視する観点から大胆な提言が飛び交った。

Q. 日本維新の会の代表選では、各候補者はどのような方向性を打ち出していたのか?
吉村洋文氏は「次世代重視」を掲げ、すべての政策事項において次世代を優先する政党になりたいと主張した。自民党も民主党も目の前の利益を追求するが、人口構造が大きく変わる中で、子供たちや孫たちが大人になった時に「日本維新の会という政党があって良かった」と思われるような政党を目指すとしている。
また「中田町文化を変える」として、古臭い政策決定の方法や国会政治のやり方、飲み食いの文化などを変革していく意向を示した。吉村氏は「維新の会は創立から11年程度しか経っていない若い政党だからこそ、中田町文化をぶっ壊せる」と強調した。
金村龍那氏は「維新マネジメント力」を重視し、日本の成長と将来世代への投資を掲げた。また全国政党として選挙に強くなることを主張した。
松沢成文氏は「経験と実績」を基に「大阪から全国へ」展開することを提案した。
Q. 医療制度改革について、各候補者はどのような見解を示したのか?
金村氏は「日本の最大の既得権益は日本医師会だ」と明言し、医療制度改革の必要性を訴えた。これに対して松沢氏は「日本医師会も地域医療に様々な貢献をしているので、そういった点は評価すべき」としながらも、「自分たちの生活や所得を絶対に減らしたくないというところが問題」と指摘した。
吉村氏は「医師会をベースにして診療報酬をとにかく上げていくような現状では社会が持たない」という認識を示し、「町の医師の中にも、このままでは社会が持たないと考えている人は結構いる」と述べた。
また高齢者医療費について、75歳以上の高齢者が医療費全体の約40%を使用している現状を指摘。医療費の負担のあり方について「年齢だけで分けるのはおかしい」という見方を示した。
Q. 高齢者の医療費負担について、どのような議論があったのか?
後期高齢者医療制度では75歳以上の高齢者の窓口負担は原則1割だが、これを3割負担に引き上げるべきだという主張が出た。これについて中室牧子教授は「自己負担率を上げても人々の健康は悪化しないということが研究で明らかになっている」と述べた。
吉村氏は「高齢者の方でも、『もう自分たちのことはいいから、若い世代のことを考える政治をやってほしい』と思っている人は結構いる」と主張。金村氏も「川崎で地域を回っていると、『これは維新にしか言えないよね』という反応が多い」と述べ、高齢者の中にも負担増を受け入れる意見があると指摘した。
また松沢氏は「現役世代で所得の低い人も3割負担なのに、高齢者だからといって1割というのはおかしい」と主張。さらに「保険料は使わなければ下がるのが原則なのに、医療保険はそうなっていない」と指摘し、健康維持のインセンティブが働かない制度設計に問題があると述べた。
Q. 介護問題と終末期医療についても議論されたのか?
松沢氏は介護保険の問題について「介護施設は入所者を介護状態のままにしておくほど多くの収入が得られる仕組みになっている」と指摘。「リハビリを行い、要介護者を自立に導く努力をした施設に報酬が増えるインセンティブが働かない」と述べた。
吉村氏は祖母が亡くなった時の経験から、終末期医療の在り方について問題提起。「チューブに繋がれて苦しそうな祖母を見て、これは本人が求めているのだろうか」と疑問を呈した。「人生会議」という制度を活用し、自分がどのような終末期医療を望むのかを事前に話し合っておくことの重要性を指摘した。
松沢氏も「終末期医療では家族が『一日でも長生きしてほしい』と思い、様々な処置を求めることが多いが、それが本人の意思かどうかは分からない」と述べ、終末期医療の在り方を見直す必要性を強調した。
Q. 維新の会が全国政党として発展するためには何が必要と考えられているのか?
松沢氏は「日本維新の会は国民から見ると大阪の地域政党だと思われている。代表も共同代表も幹事長もみんな大阪出身」と指摘。「大阪以外にもリーダー候補がいるのに、なかなか使ってもらえない」と述べ、「関東の松田と関西の吉村という両輪で党を引っ張るべき」と主張した。
空本氏は「全国政党として発展するためには、北海道、東北、中四国、九州などの地方組織を強化する必要がある」と指摘。「地方議会では定数20や30の選挙区で1人だけ当選させるのではなく、20なら3議席、30なら5議席を獲得できるようにならないと、足腰が強くならない」と述べた。
金村氏は「維新はマネジメント力を高める必要がある」と主張。「政治家全体に言えることだが、マネジメント力が不足している。人を育てるためのコミュニケーションが取れていない」と述べた。
吉村氏は「政党のガバナンスを整えるべき」と主張。「会社には健全に運営するためのルールがあり、社外取締役がいるが、政党にはそういったものがない。政策決定のプロセスを透明化し、議事録を残すなど、政党法の先取りをすべき」と述べた。
