
マンション高騰は2030年まで?論争【沖有人×牧野知弘】
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2024年11月18日
EXIT・りんたろー。と国山ハセンが株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを学ぶ。過去にマネースキルセットに出演した不動産のプロ2人が「マンション高騰2030年まで?」に対して持論を展開。
不動産のプロ2人に聞く!2030年までマンション高騰は続く?買うべき?
2030年までマンション価格は上昇を続けるのか?世帯数や相続問題が市場に与える影響とは?不動産のプロ2人の予測から今後の不動産市場と住宅購入のタイミングについて解説します。


Q. マンション高騰は2030年まで続くのでしょうか?
不動産マーケットを考える上で重要なのは、金融マーケットの変化です。マイナス金利解除によって金利が上がり、不動産価格は経済学上は下がるとされますが、実際はそう単純ではありません。
牧野氏によれば、2030年頃に不動産市場に大きな変化が起きる可能性があります。その理由は人口構造の変化です。現在、高齢者(65歳以上)は約914万人、そのうち後期高齢者(75歳以上)は約478万人います。団塊の世代(1947-49年生まれ)が後期高齢者に入る2025年以降、相続の発生件数が急増します。
相続発生件数は2000年に21.2万件だったものが、2022年には39.2万件と約1.85倍に増加しています。このペースでいくと、2030年には現在の約2倍の相続が発生する計算になります。
多くの相続人は既に自分の家を持っているため、相続した不動産を売却するか賃貸に出すことになります。特に都市部では戸建て住宅の供給が増え、マーケットが緩む可能性があるのです。
一方、沖氏は「世帯数」に注目します。人口は減少していても世帯数は増加しており、住宅需要を左右するのは世帯数です。社会保障人口問題研究所の予測では世帯数の増加率は0.7%とされていましたが、実際は1.6%と予測を大きく上回っています。
沖氏のデータによれば、賃貸住宅の稼働率も上昇しており、空室率は過去20年で10%から5%に半減しています。稼働率が93%を超えると賃料は上昇する傾向にあり、今後6-7年で家賃は平均10%上がる可能性が高いとのことです。
Q. 空き家問題は不動産価格に影響しないのですか?
空き家が増えると供給過剰で価格が下がると思われがちですが、実際には空き家の多くがマーケットに出てこないため、価格に影響しません。
国土交通省の調査によれば、空き家所有者に今後の予定を聞いたところ、「売却」と答えたのは17%、「賃貸に出す」と答えたのは5%に過ぎず、合わせても22%しかありません。約半数は「放置する」と回答しています。
ただし、牧野氏は都市部、特に世田谷区や大田区などで相続が発生する場合は事情が異なると指摘します。地価が高騰しているため、相続税の負担が大きく、キャッシュが不足すれば不動産を売却せざるを得ないケースが増えるでしょう。
2015年に相続税の基礎控除が縮小されたこともあり、相続税がかかる割合は4%から9.3%に上昇しています。今後、都市部での相続発生に伴い、税金支払いのために不動産が市場に出てくる可能性が高まっています。
Q. 今後マンションを買うべきでしょうか?
沖氏は「今買った方がいい」と明言します。その理由として、以下の点を挙げています:
1. 金利が低い時に住宅ローンを組むことで、長期的には賃貸より2/3程度の金額で住むことができる
2. 不動産価格が上昇すれば、資産価値も増加する
3. 現在の土地仕入れ状況から、マンション価格は2-3年後に2-3割上昇することがほぼ確定している
4. 賃貸に住み続けた場合、家賃上昇のリスクがある
沖氏は「今1億の物件が2030年には1億5000万円程度になる可能性があり、その時に価格が下落しても買えない可能性がある」と指摘します。
一方、牧野氏は「住まいは投資とは違う」と強調します。家族の状況や生活の質を考慮し、単純に価格上昇を見込んで判断するべきではないとのことです。将来値上がりするから今買おう、または値上がりしたから買わないという判断は、住まいについては適切ではないと言います。
Q. 高級住宅街の一戸建ては今後どうなりますか?
田園調布のような高級住宅街では、相続問題が深刻化しています。地域協定により土地の分割に制限があり(田園調布では50坪以下の分割を認めない)、相続税支払いのための売却が難しくなっています。
例えば90坪の敷地で相続が発生した場合、地価が高いため売れないにもかかわらず、分割もできないというジレンマに陥ります。そのため、高級住宅街では相続発生時に「土地だけで何億もする不動産より、タワーマンションの方がいい」と考える人も増えています。
Q. 今後の不動産市場予測を教えてください
牧野氏は、2030年前後をターニングポイントと見ています。大量の相続発生により、特に戸建て住宅市場が緩む可能性が高いとし、将来的には「賃貸戸建て」が一般化する可能性も示唆しています。
沖氏は短中期的には価格上昇が続くと予測し、金融庁による市場介入がない限り、上昇傾向は続くと見ています。ただし「いつかは終焉が来る」と認めつつも、具体的な時期は明言していません。
両者とも、今後の市場動向を判断する上で、単なる人口減少論に基づく「ストーリー」に騙されず、実際のデータに基づいて判断することの重要性を強調しています。
