
子宮頸がんとワクチン
子宮頸がん予防のラストチャンス - キャッチアップ接種を知らない320万人へ
子宮頸がんは20代、30代で発症する人が増えているというニュースを耳にしたことはありませんか?この記事では、子宮頸がんとワクチンに関する重要な情報、特に「キャッチアップ接種」という無料で受けられる制度について解説します。


Q. 子宮頸がんとは何ですか?
子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)という感染症が原因で発生するがんです。HPVは200種類以上あり、その中でも16型と18型が子宮頸がんの主な原因となっています。
性交渉を経験した人の約8割がHPVに感染するといわれています。感染しても多くの人は自身の免疫で排除できますが、一部の人では感染が長期化し、5〜10年かけて少しずつ細胞が悪くなり、最終的にがんに発展します。
Q. 子宮頸がんの症状は?
初期の子宮頸がんではほとんど症状がありません。進行すると不正出血などの症状が現れることがありますが、その段階ではすでにかなり進行していることが多いです。そのため、症状が出る前に検診で早期発見することが重要です。
Q. 子宮頸がんの検診とワクチンの違いは何ですか?
これは多くの人が混同している重要なポイントです。
検診は「早期発見」のためのもので、すでに異常が起きている状態を発見するものです。一方、ワクチンは「感染予防」のためのもので、そもそもHPVに感染しないようにする予防策です。
つまり、検診だけでは感染自体を防げませんが、ワクチンは感染そのものを防ぐことができるのです。
Q. HPVワクチンはどれくらい効果がありますか?
HPVワクチンは、接種前にHPVに感染していなければ、子宮頸がんの主な原因となる16型と18型のHPVに対してはほぼ100%の予防効果があります。さらに最新のワクチンでは9つの型のHPVをカバーしています。
研究によると、17歳以下でワクチンを接種した場合、子宮頸がんの発生率が88%減少するというデータもあります。
Q. ワクチン接種に年齢制限はありますか?
最も効果が高いのは性交渉を経験する前、特に15歳以下での接種です。15歳以下なら2回の接種で十分ですが、それ以上の年齢では免疫のつき方が弱くなるため、3回接種が推奨されています。
性交渉を経験した後でも、すべてのHPV型に感染しているわけではないので、まだ感染していない型に対しては予防効果があります。
Q. 「キャッチアップ接種」とは何ですか?
2013年から2021年まで、HPVワクチンの「積極的勧奨」が一時中止されていました。これは副反応の懸念から国がワクチン接種を積極的に推奨しなくなった期間です。
その後の研究で安全性が確認され、積極的勧奨が再開されましたが、その間に接種機会を逃した世代(1997年度〜2008年度生まれ)に対して、無料で接種できる「キャッチアップ接種」制度が設けられました。
Q. キャッチアップ接種はいつまで受けられますか?
キャッチアップ接種の期限は2025年3月末までですが、ワクチン接種は通常4〜6ヶ月の間隔を空けて3回打つ必要があるため、1回目の接種は2023年11月28日が実質的なラストチャンスです。
この期限を過ぎると、通常は10万円程度かかる接種費用を全額自己負担することになります。
Q. ワクチン接種率はどれくらいですか?
日本のHPVワクチン接種率は欧米諸国の80%以上に比べて非常に低く、直近のデータでは約49.5%にとどまっています。特に積極的勧奨が中止されていた世代(17〜24歳)では、わずか35%の接種率です。
M3(医療情報会社)の推計によると、キャッチアップ世代で未接種の人は約320万人おり、子宮頸がんの死亡率から計算すると、約6,400人の命が失われる可能性があるとされています。
Q. 男性もHPVワクチンを接種すべきですか?
男性がHPVワクチンを接種する意義は3つあります:
1. HPVは子宮頸がん以外にも、肛門がんや咽頭がんなど他の部位のがんの原因にもなります。特に咽頭がんは男性に多い傾向があります。
2. HPVは性器にできる尖圭コンジローマという性感染症の原因にもなります。
3. 男性が接種することで、将来のパートナーに感染させるリスクを減らせます。
現在、日本では一部の自治体を除き、男性へのHPVワクチン接種に公的補助はなく、3回接種で約5万円の自己負担が必要です。
Q. ワクチンの副反応は心配ないのですか?
2013年に報告された副反応の懸念から積極的勧奨が中止されましたが、その後の研究でワクチン接種群と非接種群で症状の発生頻度に差がないことが確認されました。
ただし、接種後に体調不良を訴える人がいることも事実です。そのため、各都道府県には接種後の体調不良に対応する医療機関が指定されており、相談できる体制が整備されています。
Q. 子宮頸がんにかかったらどのような治療が必要ですか?
初期段階で発見された場合は、子宮頸部の一部を削り取る治療で対応できることもあります。しかし、がんが進行している場合は、子宮全摘出手術が必要になることが多いです。
さらに進行すると、リンパ節を含めた広範囲の切除や、化学療法、放射線治療などが必要になります。これらの治療後には、リンパ浮腫(足のむくみ)や排尿障害などの後遺症が残ることもあります。
Q. 子宮頸がん予防で最も大切なことは何ですか?
1. ワクチン接種:特に性交渉前の接種が最も効果的です
2. 定期的な検診:20歳以降は定期的な子宮頸がん検診を受けましょう
3. 正しい知識を持つ:「検診=予防」という誤解を解き、ワクチンと検診の両方が重要であることを理解しましょう
特にキャッチアップ世代の方は、2023年11月28日までに1回目の接種を受けることで、無料で子宮頸がん予防ができる貴重な機会を逃さないでください。