PIVOT TALK SPECIAL
職場で筋トレせよ
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2026年8月22日

ジムや家で行うイメージが強い「筋トレ」。実は職場でも手軽に実践でき、仕事のパフォーマンス向上にも繋がるのだという。筋トレのスペシャリストである順天堂大学の谷本道哉教授と俳優の武田真治氏に解説してもらった。 <ゲスト> 谷本道哉|順天堂大学 教授 武田真治|俳優 <目次> 00:00 ダイジェスト...
ビジネスパーソン必見!「筋トレで仕事の生産性が上がる」理由
現代のビジネス環境において、身体と精神の健康維持は成功に不可欠な要素である。忙しい日々の中で「運動する時間がない」「筋トレは健康維持に必要か?」と疑問を抱くビジネスパーソンは少なくない。しかし、その疑問に対し、「全てのビジネスパーソンよ、筋トレせよ!」と力強く提唱する科学的根拠が明らかになった。
本稿では、順天堂大学の谷本道哉教授と、筋肉ブームを牽引してきた俳優・武田真治さんをゲストに迎えた特別対談の内容をもとに、筋トレが単なる身体づくりに留まらず、健康増進、ひいては仕事の生産性向上にいかに直結するかを深掘りする。その裏にある科学的メカニズムと、オフィスでも実践可能な手軽なトレーニング方法、さらには継続の秘訣までを解説する。


Q. ビジネスパーソンが筋トレをするべき、具体的なメリットは何だろうか?
筋トレの専門家である谷本道哉教授は、筋トレの必要性について単なる筋肉増強に止まらない多角的なメリットを提示している。特にビジネスパーソンにとって、良い姿勢の維持は仕事の成果や第一印象に直結する。背筋が伸びた姿勢は疲労を軽減し、とっさの動きにも対応できる効率的な身体を作り出す。これは日々の業務効率を高める基本的な自己管理能力であり、ビジネスにおけるパフォーマンス向上に寄与する。
さらに、谷本教授は企業が従業員の健康を促進し、その結果として生産性向上を目指す「健康経営」の観点から筋トレの有効性を強調する。健康な従業員は集中力が高まり、業務への意欲も向上するため、企業の競争力強化にも繋がる。単に健康になるだけでなく、仕事の生産性が上がるとの具体的なメリットも期待できるのである。
Q. 筋トレが単なる筋肉増強に留まらない、科学的な健康効果とは?
「筋トレは健康に良い」という認識は広まっているものの、具体的な科学的根拠を知る人は少ないかもしれない。谷本教授は、厚生労働省が策定する「身体活動・運動基準」を参照し、筋トレの驚くべき健康効果について言及している。この基準は、大規模な疫学調査に基づき、筋トレが複数の病気のリスクを大幅に低減することを明確に示している。
総死亡率:筋トレを習慣的に行うことで、寿命を縮める要因となるあらゆる死因のリスクが低下する。
心血管疾患:心臓病や脳卒中などの循環器系疾患のリスクが軽減される。
がん:複数種のがんの発症リスクが低減される可能性がある。
糖尿病:血糖値の安定に寄与し、2型糖尿病の発症リスクや進行を抑制する。
これらのデータは、筋トレが単に見た目を良くするだけでなく、体内の根本的な機能改善に寄与し、国レベルでお墨付きを与えられている健康維持・増進の有効な手段であることを意味する。有酸素運動と組み合わせることで、その効果はさらに増幅されるという。
Q. 筋トレがビジネスにおける脳のパフォーマンスや生産性を向上させるのはなぜか?

「筋トレ後の方が仕事が捗る」という経験がある人もいるかもしれないが、これには明確な科学的理由がある。その鍵となるのが「乳酸」と「アドレナリン」だ。かつては疲労物質と認識されていた乳酸は、最新の研究によって脳の重要なエネルギー源であることが判明している。
筋トレ、特に筋肉を限界まで追い込む「パンプアップ」の状態まで行うことで、体内で大量の乳酸が生成される。この乳酸が脳に運ばれて消費されることで、脳機能が活性化する。さらに、筋トレによる高負荷はアドレナリンの分泌も促すため、乳酸との相乗効果により、覚醒レベル、集中力、そして認知機能のテスト成績が著しく向上することがデータによって示されている。
つまり、筋トレ後には一時的に「頭が冴える」状態を作り出せ、その結果として仕事のパフォーマンスが向上するというわけだ。これは、日中の気分転換や重要な会議の前に短時間の筋トレを取り入れることで、ビジネスにおける効率性を飛躍的に高める可能性を示唆している。
Q. オフィスで簡単に実践できる、短時間で効果的な筋トレ方法は存在するのか?
忙しいビジネスパーソンにとって、ジムに通う時間は取りにくいものだ。しかし、谷本教授はオフィス環境を最大限に活用し、たった1分でもできる効果的な筋トレ方法を紹介している。重要なのは、筋肉にしっかり負荷をかけること、すなわち「パンプアップするまで行うこと」だ。汗だくにならず、仕事着のままで実践できる点も魅力的である。仕事中の筋トレは「業務内」と言い切れるだろう。
まずはオフィスに必ずある、机を使った「腕立て伏せ」。床での腕立て伏せと同様に、胸が机に完全につくまで深く身体を下ろすことが重要だ。足を机から離すほど負荷が高まり、逆に机に近づけるほど負荷が軽減されるため、個人の体力に合わせて調整できる。息は腕を押し上げる際に吐くことを意識する。この動作は大胸筋、上腕三頭筋、三角筋といった上半身の主要な筋肉群を効率的に鍛える。
次に、オフィスチェアを活用した腹筋運動がある。椅子に浅く座り、後ろの端を掴んで体を安定させる。この状態で両足を揃えて膝を伸ばし、できるだけ高く引き上げて、床に下ろしきらないようコントロールしながら繰り返す。膝を曲げた状態で行うと負荷が軽減されるため、ここも調整可能だ。このトレーニングは腹筋だけでなく、股関節の曲げ伸ばしに使う腸腰筋や大腿四頭筋にも効果的にアプローチする。それぞれ10~20回を目標に、パンプアップを感じるまで実施すると良い。これらの運動は全身疲労ではなく局所疲労に留まるため、運動後に息が上がったり、大量に汗をかいたりすることがなく、すぐに次の業務に取りかかれるメリットがある。
Q. 筋トレを日々の習慣として定着させるための、効果的な継続方法とは?

筋トレを始めることは簡単だが、継続することは難しいと感じる人もいるだろう。武田真治さんは筋トレの継続方法として「歯磨きのように習慣化する」ことを挙げている。日々のルーティンに筋トレを組み込むことで、特別に時間を割くという意識から、自然な行動へと昇華させるのだ。
具体的には、「食前に短時間の筋トレを行う」というアプローチがある。谷本教授によると、運動後に摂取した栄養は筋肉に行きやすくなり、脂肪になりにくいというメリットがあるため、罪悪感なく食事を楽しめる。また、パンプアップによって一時的に体格が良くなったと感じる「見返り」を意識するのも効果的だ。お風呂に入る前の鏡を見る前に少し筋トレを挟むことで、筋肉が張った自分の姿を見て達成感を味わい、翌日へのモチベーションに繋がる。いつもより「いい体」を見ることで、「この調子で頑張ろう」という前向きな気持ちが生まれるのである。
さらに、オフィスであれば同僚と一緒に実施することも強力な継続要因となる。一人で行うよりも、仲間と回数を数えたり、励まし合ったりすることで「ゲーム性」が生まれ、楽しく取り組むことができる。谷本教授は、「会議机の前に集まったら、それは筋トレチャンスだ」とユーモラスに提案する。筋トレを「業務内」として前向きに捉える文化を醸成できれば、より一人一人が前向きに運動や身体作りを行える社会になっていくはずだ。