
【決勝トーナメント展望:ドイツ】フランスには勝てない
ドイツ代表は「結果90点、内容65点」でフランス戦へ…決勝トーナメントの行方を分析
ワールドカップの舞台で優勝候補の一角と目されるドイツ代表は、グループリーグを首位で突破した。しかし、その内容については様々な見解があり、決勝トーナメントを前に多くの課題が指摘されている。
本稿では、識者の分析に基づき、ドイツ代表のグループリーグ戦績、ナーゲルスマン監督の采配、そして難敵フランスとの初戦を控える決勝トーナメントの展望を深掘りする。

Q. ドイツ代表のグループリーグ全体の評価はどうだったか?
グループリーグでの結果自体は高評価で、特に得点数では全体でトップタイの10得点を記録し、首位通過を決めたことから90点と評価できるだろう。

一方、内容については65点と辛口の評価が付いた。危なげなく勝ち点を積み上げた最初の2試合は良いものの、消化試合となったエクアドルとの第3戦で試された戦術が機能せず、チームとして不安定な一面を露呈した点が響いた。
Q. ナーゲルスマン監督のエクアドル戦の采配が批判された理由は何か?
ドイツメディアは、消化試合にもかかわらず主力を温存せず、新戦術のテストにこだわった采配を厳しく批判した。
具体的には、ボルテマーデやウンダフといった、コンディションに問題を抱えていると報じられていた選手ではなく、同じく疲労が懸念されるビルツとムシアラのツーシャドーという不慣れな布陣を試した。結果、彼らの連携は機能せず、攻撃のリズムも守備の安定性も欠き、終始エクアドルに攻め込まれる展開となった。

監督は決勝トーナメント1回戦のフランス戦を想定し、守備的な5バックのオプションをテストしたかった意図があると推測される。DFラインに怪我人が出ていたことも一因だろう。しかし、それがチーム全体の士気を下げ、本番に向けて不安材料を残す結果になったと評価された。
Q. ナーゲルスマン監督が重視する「Play Your Role」という哲学はどのようなものか?
ナーゲルスマン監督は、バスケットボールのチームビルディングから着想を得た「Play Your Role」(自分の役割を果たせ)という哲学を代表チームに導入している。
これは、各選手に具体的な役割を明確に与えることで、チームとしての規律と機能性を高めることを目指す。例えば、ウンダフは途中出場で流れを変える「スーパーサブ」的な役割を、ハバーツは試合のトーンをセットする「先発選手」としての役割を担う。メディアが先発起用を求める声があっても、監督はこの方針を徹底しており、選手選考においても同様の哲学が反映されているようだ。
Q. ナーゲルスマン監督が目指す「強いドイツ」への道筋は順調に進んでいるか?
目標である「強いドイツ」の再建は順調に進んでいると言える。過去2大会連続でワールドカップのグループリーグ敗退という屈辱を味わい、国民も選手も自信を失っていた状況からの再出発だ。ナーゲルスマン監督は、持ち前の攻撃的サッカーでその自信を取り戻しつつある。
特に、今大会でのチームは、圧倒的な攻撃力で最多タイの得点を記録しており、「自分たちのサッカーに誇りを持ち、とにかく多くの点を取れるチームである」というメッセージを国際舞台で示すことには成功している。これは将来的なユーロやワールドカップでの優勝を見据える上での重要なステップと捉えられる。
ただし、メディアも指摘するように、才能豊かなビルツとムシアラの連携がまだ確立されていない点は大きな課題であり、彼らの化学反応が起こらない限り、真の意味での攻撃力は最大限に発揮されない可能性を秘めている。
Q. ドイツ代表の決勝トーナメントにおける展望、特にフランスとの初戦の行方はどうか?
ドイツ代表の決勝トーナメントの成否は、事実上、ラウンド16で激突する優勝候補フランスとの一戦に全てかかっていると言っても過言ではない。この試合に勝利できれば、チームは勢いに乗り、準決勝、さらには決勝までが見えてくるだろう。続く準々決勝でオランダと対戦したとしても、ナーゲルスマンの攻撃的サッカーで得点できる見込みがあるためだ。
しかし、フランスが現在のところ地力で上回ることは否めない。フランスに敗れれば、そこでドイツのワールドカップは終わりを告げることになるだろう。
ドイツにとって唯一のアドバンテージは、フランスよりも1日多い休養日があることだ。この時間的余裕をどう活かすかが、勝敗を分ける鍵となるかもしれない。
Q. 守備の要シュロッターベックの離脱がチームに与える影響は大きいか?
シュロッターベックの離脱は、ドイツ代表にとって極めて大きな打撃だ。守備の面ではリュディガーが代替可能であるものの、シュロッターベックの存在は守備以上のものを持っていた。

特に大きいのは、苦しい場面でのチームを鼓舞するリーダーシップだ。彼のリーダーシップはピッチ上だけでなく、ロッカールームやファンとの関係性においても絶大な影響力を持つ。
また、攻撃面においても、彼の正確な左足からのロングフィードは、相手が前がかりになった際に一発で局面をひっくり返す貴重な選択肢であり、これは代替不可能な武器であったと言える。彼の不在は、フランスのような強豪を相手にする上で大きなハンディキャップとなるだろう。
Q. ドイツ代表は最終的にどこまで勝ち進めると予想されるか?ナーゲルスマン監督の進退にも影響はあるか?
現状の戦力と相手を考慮すると、ドイツ代表はベスト16で終わる可能性が高いと予想される。
しかし、フランスに勝利を収めれば、そこからは勢いがつき、少なくとも準決勝進出、場合によっては決勝進出も視野に入るかもしれない。その可能性は、前線にいる一発の閃きで流れを変えられる選手たちの奮起にかかっていると言える。守備で耐え、数少ないチャンスをものにできるかが鍵となる。
ナーゲルスマン監督の進退に関しても、フランス戦の結果が全てを決める。彼が一度は低迷期を脱し、チームを立て直した実績は評価されるものの、もしベスト16でフランスに敗れれば、たとえ内容が善戦だったとしても国民は納得しないだろう。
ナーゲルスマン監督の契約にはワールドカップ終了後の解除条項があるため、ベスト16敗退となれば解任の可能性は避けられないと見られている。
