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【速報解説】金銀価格はいつまで落ちるのか?
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2026年3月23日

イラン攻撃後に下落が続いている金銀プラチナ価格。なぜ下落しているのか?いつまで下落するのか?個人投資家はどう動くべきか?貴金属スペシャリストの池水雄一氏に速報解説してもらった。 <目次> 00:00 金価格急落の背景 05:14 有事の金買いは終わった? 10:20 銀・プラチナ価格の行方 16:...
「有事の金買い」は過去の法則か? 金銀価格急落の裏で専門家が見る市場の真実
貴金属市場は、世界を揺るがす地政学リスクの高まりに直面し、かつてない価格変動を経験している。トランプ大統領のイラン爆撃示唆という突発的な出来事は、投資家の間に極度の不透明感を広げ、安全資産とされる金までが売り圧力にさらされた。伝統的な「有事の金買い」という法則は、今や機能不全に陥っているのか。それとも、この価格急落は新たな投資機会を秘めているのだろうか。
貴金属スペシャリストの池水雄一氏は、市場の「キャッシュ化」という現象がこの急落の背景にあると分析する。市場が錯綜する中、金・銀・プラチナの価格動向を専門家の視点から読み解き、投資家が今取るべき戦略について考察する。

Q. 現在の金価格急落の主な要因は何だろうか?
金価格は年初の水準に迫る4400ドル台まで急落しており、その主な原因はトランプ大統領によるイランの発電所爆撃示唆という地政学リスクの急激な高まりにある。この発言は市場に深刻な不安をもたらし、過去の急騰後の調整とは全く異なる性質の売りを引き起こした。具体的には、世界経済の動脈であるホルムズ海峡の封鎖という懸念が、投資家のパニック的な行動を誘発していると指摘する。このような先行き不透明感から、投資家は資産の種類を問わず現金を確保する「キャッシュ化」へと一斉に走り始めたのである。
前回の金価格急落は、市場の過熱感やFRB議長人事など「内部要因」による利益確定売りが中心であったのに対し、今回は米国とイスラエルによるイラン攻撃という「外部要因」が直接の引き金となった点が大きな違いである。地政学イベントが週末に集中する傾向があり、週明けの東京市場が最初に大きな影響を受けるという特徴もある。
Q. 「有事の金買い」の法則は本当に通用しないのだろうか?
今回の価格動向は、伝統的な「有事の金買い」という法則が機能しなくなったかに見える。これは短期的な市場全体のキャッシュ化の動きが強く影響しているためである。リスクオフの状況で、あらゆる資産が売却され現金化される中で、安全資産と目される金も例外なく売りの対象となってしまっている。しかし、このようなキャッシュ化の動きは一時的であり、長期的には金本来の価値が見直されると専門家は分析する。
プロのトレーダーの間では、長らく「有事になる前に買って、有事で上がったら売る」が定石となっているという。有事発生のニュースで一般投資家が金買いに動いた際、それがプロにとっての利益確定の場となり、下落を加速させている側面も否定できない。このような市場の構造的な変化が、「有事の金買い」の概念を変質させていると理解する必要がある。
Q. 原油高とインフレ懸念の中で、金投資の意義はどう捉えるべきか?
ホルムズ海峡の事実上の封鎖などにより、原油価格が高騰することはほぼ確実視されている。これは世界的なインフレの加速を意味し、このような局面では、インフレに強い資産としての金は極めて重要な役割を果たす。実際、インフレ対策として金は古くから重宝されてきた資産である。そのため、現在の金価格の下落は、長期的な視点を持つ投資家にとっては絶好の「バーゲンセール」であり、インフレヘッジ目的で金を安く購入できる稀有な機会であると捉えるべきだと池水氏は力説する。

また、中央銀行による金利引き上げ観測が金価格下落の一因とされるが、本当に警戒すべきは、金融緩和により通貨の価値が希薄化し、インフレが加速するリスクだという。この長期的なリスクに対し、金は有効な防御策となりうる。短期的な価格変動に惑わされず、長期的な資産保全の観点から金に目を向ける時期だと言えよう。
Q. 金以外の貴金属(銀やプラチナ)の価格動向はどうなっているか?
銀(シルバー)もまた、金と同様に価格を大きく下落させている。年初から極端な上昇を見せた反動に加え、キャッシュ化の流れに巻き込まれたことが主因である。一部の投資家の「現物不足による価格暴騰」といった見方は、先物取引の実態から乖離していたと池水氏は指摘する。しかし、銀は金とは異なり産業需要が強く、構造的な供給不足にあることは事実であり、市場が落ち着けば100ドル程度までの回復は十分にあり得るシナリオだという。

プラチナもキャッシュ化の流れの中で急落し、一時は2900ドルから1800ドル台まで値を下げた。しかし、プラチナも銀と同様に今年は供給不足が予測されている点に注目が集まる。特に、世界の年間生産量の過半を輸入する中国の旺盛な需要は引き続き価格の強力な下支え要因である。昨年末の上昇相場の起点となった1800ドル付近はテクニカルな底値圏と考えられ、今後の価格反転のきっかけとなる可能性を秘めている。これら金以外の貴金属は、金に比べてボラティリティが高く、価格が変動する際はより大きな振れ幅を見せる傾向がある。

Q. 現状の投資家は貴金属に対してどのような戦略を取るべきか?
現在の急落局面で、既に金銀プラチナを保有している投資家が「狼狽売り」に走るのは賢明ではない。むしろ、この価格下落は長期的な資産形成の視点からすれば、積み立て投資における平均取得単価を改善する好機であると捉えるべきだ。ドルコスト平均法を活用し、安値で買い増しを行うスタンスは有効であろう。
これまで貴金属に投資してこなかった層にとっては、現在の価格は長期的なインフレヘッジに不可欠な資産を割安で手に入れる絶好のチャンスとなる。ただし、イラン情勢がさらに泥沼化するなど、予測不能な事態が発生すれば、さらなる価格下落リスクもゼロではないことを常に念頭に置く必要がある。短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視野で市場を捉え、じっくりと「ガチホ」する姿勢が最も推奨される。