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【速報解説】イランの今後とAI時代の軍事力
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2026年3月2日

今後、イランの体制と情勢はどう変化するのか?米国の外交にはどんな戦略があるのか?AI時代の軍事力と合わせて、明治大学特任教授で共同通信元テヘラン支局長の杉田弘毅氏に速報解説してもらった。 <ゲスト> 杉田弘毅|明治大学特任教授 一橋大学卒業後、 共同通信社に入社。テヘラン支局長、ニューヨーク特派員...
「斬首作戦」で中東情勢は?トランプ再選後の新常態:米国とイランの「譲れない戦い」
中東地域が今、再び世界の注目の的だ。米国がイランに対し、これまでにない大規模な攻撃を仕掛け、最高指導者殺害という「斬首作戦」を強行したからである。
この衝撃は単なる地域紛争の激化に留まらず、国際情勢の根本的な変容を示唆するものである。明治大学特任教授・杉田弘毅氏の洞察に基づき、この衝突が世界にもたらす深遠な変化、特に米国とイランの思惑、情報技術で塗り替わる現代戦の常識、そして日本への影響を詳細に分析する。

Q. なぜ米国はイランに突然攻撃を仕掛けたのか?
トランプ大統領は、イランへの圧力が不奏功と見るや、昨年末には軍事行動を決意していた。初日に最高指導者殺害という「斬首作戦」を強行。その後の展開は「様子見」というトランプ特有の無責任なスタイルが露呈した形だ。
Q. イランが核開発と米国への譲歩を拒む背景にあるものは何か?
イランの米国に対する姿勢の根底には、古代からの「大国意識」と強いプライドがある。原子力保有は、国の発展と国威を示す不可欠な要素だ。核兵器保有は表向き禁じられているものの、核保有国に囲まれ、核を「抑止力」と捉える戦略的判断がある。米国が平和利用さえ認めないのは、イスラエルの意向と核拡散懸念によるものだ。

Q. 戦争状態にある中で、イランはどのような戦略を持っているのか?
イランは、米国の攻撃自体を想定済みだった。最高指導者の喪失は痛手だが、完全な屈服を避け、短期的な打撃に耐えつつ戦争を長期化させる「持久戦」が彼らの戦略である。民主主義国家である米国は、世論反発や経済負担に弱いため、最終的に米国が疲弊し、交渉に戻ってイランの核開発権を認めると算段。ホルムズ海峡封鎖やテロで混乱を招き、米国の疲弊を誘発する可能性も高い。
Q. 亡命中の元皇太子による親米政権は樹立する可能性があるのか?
米国亡命中のレザ・パーレビ元皇太子擁立の声もあるが、可能性は低い。現体制への不満から革命前時代を美化する国民もいるが、元皇太子は革命後一度もイランに戻らず、国内に具体的な支持基盤や統治能力もないため現実的ではない。トランプは「ベネズエラオプション」を理想視するが、イラン核合意からの離脱や最高指導者殺害で信頼は失墜。革命防衛隊が彼と「ディール」に応じる可能性は極めて低い。
Q. 今回のイラン攻撃が世界の戦争形態に与える影響は何か?
今回の攻撃はAI、シギント、パランティア等の「超追跡システム」により戦争形態を根本的に変革した。「斬首作戦」が現実となり、スマートフォンも標的特定に利用されうると示した。CIA情報とイスラエルによる会議直前攻撃成功は、民間技術と軍事作戦の融合、リアルタイムインテリジェンス提供の新時代を告げた。この技術革新は核兵器登場に匹敵する「歴史的転換点」であり、ベネズエラ作戦成功で「全能感」を抱くトランプは、この技術力背景に独断で危険な作戦を遂行するリスクがある。

Q. トランプ大統領の強硬な姿勢は、米国内でどのように受け止められているのか?
トランプ支持層「MAGA」も一枚岩ではない。「新たな戦争は起こさない」公約から支持した層は、今回のイラン攻撃に不満を抱く者が半数を占める。戦争短期で終われば成功だが、長期化し米兵犠牲やガソリン高騰があれば支持が揺らぎ、中間選挙に影響する可能性が高い。米国は体制転換失敗の過去教訓から長期関与を避ける超党派合意があり、短期攻撃で目的達成を図るが楽観的すぎるとの声もある。イラン政策背後には、対外強硬派ルビオ国務長官の影響力があり、彼が政権内で実権を握るキーパーソンだ。
Q. この情勢が日本にもたらす示唆は何があるのか?
先端軍事技術による米国の圧倒的優位は、軍事面で「一極集中」の時代を再来させる可能性を示唆する。米国は従来の「世界の警察」から、最新技術で効率的・選択的に介入する「アップデートされた警察」へと変貌した。デジタルサービス停止で他国の国家基盤を麻痺させる力も持ち、トランプなら一方的にこの力を行使しかねないと警告される。日本にとって重要なのは、米国の安全保障における「空白のリスク」だ。中東への大規模戦力集中は、東アジアの米軍プレゼンスを手薄にし、中露がこれを突き軍事活動を活発化させる危険性が高い。日本は防衛力を根本から見直し、自主的な安全保障体制強化が喫緊の課題となる。