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【速報解説】アメリカのイラン攻撃は不可避か
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2026年2月25日

アメリカとイランの緊張が高まっている。トランプ政権による軍事攻撃の可能性が報じられる中、26日に開かれる両国の協議はどうなるのか。対立の背景や今後の展開も含めイラン情勢の第一人者 田中浩一郎氏が解説。 <ゲスト> 田中浩一郎|中東研究者 1961年生まれ。東京外国語大学外国語学部ペルシア語学科卒業...
緊迫するイラン情勢:アメリカ大規模攻撃の深層
アメリカによるイランへの大規模攻撃が目前に迫っているという観測が浮上し、中東情勢は緊迫の度を増している。国際社会の注目の的となっているこの危機的状況について、本記事では専門家の分析に基づき、その背景、現状、そして今後の展開をQ&A形式で深く掘り下げる。

Q. なぜ今、アメリカとイランの間で軍事行動の可能性が浮上しているのか?
昨年6月、イスラエルとアメリカはイランの核開発能力を標的に空爆を行った。この攻撃により、イランの核開発能力の無力化はおおむね達成されたが、イスラエルが真に目的としたイランの「体制転換」には至らなかった。この未達成の目標が、現在の緊迫した情勢に直結している。
イランの体制転換を外部からの力で実現するには、イランからの報復を阻止する必要がある。その最大の障壁となるのがイランの「弾道ミサイル能力」だ。昨年末の米イスラエル首脳会談では、イランの弾道ミサイル能力の破壊を目的とした再攻撃について両者の利害が一致した経緯がある。イラン国内での民主化運動が鎮静化すると、外部からの介入によって目的を達成するという方針に転換し、この計画が本格的に動き出したと見られる。
Q. アメリカとイスラエルがイランの体制転換をこれほど強く望むのはなぜか?
アメリカとイランの関係は、1979年のイスラム革命とそれに伴うアメリカ大使館人質事件以来、険悪な状態が続いている。アメリカは、現在のイラン体制とは国家間の関係を正常に築くことは困難であるとの認識を抱いている。この歴史的背景が、体制転換を求める大きな理由の一つである。

イスラエルにとって、イランの現体制は安全保障上の最大の脅威である。イランは、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派といった代理勢力(プロキシー)を通じてイスラエルの安全を脅かし続けている。イスラエルは、イランの現在のイスラム共和国家体制こそが、これらの脅威や核開発問題の根源であると考えており、体制が転換しない限り脅威は解消されないという見立てである。
彼らの視点から見れば、イランが核開発や代理勢力支援を通じて地域を不安定化させる行動は、すべて現体制に起因する。ゆえに、体制転換こそがイランに関わるあらゆる問題に対する最善の策であり、唯一の解決策だと位置付けている。
Q. 現在進行中の「核協議」は、真の平和的解決を目指しているのか?
現在行われているアメリカとイラン間の「核協議」は、その名とは裏腹に、平和的な解決を目指す本質的なものではないとの指摘がある。むしろ、軍事行動への準備が整うまでの「時間稼ぎ」や、国際社会に対する「アリバイ作り」の意味合いが強いと専門家は分析する。
イラン側には、軍事攻撃を可能な限り先延ばしにしたい思惑があり、協議に応じている側面がある。一方でアメリカ側も、軍事力の集結が完了するまでの時間的猶予を確保しつつ、同盟国や国際社会に対し、「我々は外交的な努力も行った」という姿勢を示すことで、後の軍事行動を正当化する口実を作る狙いがあるのだ。
アメリカは協議の場で、イランが到底受け入れられないような無理難題を突きつけ、交渉を意図的に決裂させる方針だと見られている。そうすれば、「あらゆる選択肢を与えたが、イランが平和的解決を拒んだ結果、軍事行動に至った」という説明が可能になり、自らの行為を国際社会に向けて弁明できるのである。
Q. 交渉決裂は避けられないと見られているが、その理由は何か?
交渉は決裂に至ることが必然であるとされている。その主要な理由は、アメリカが要求する「弾道ミサイルの放棄」が、イランにとって絶対に譲れない防衛上の最終手段だからだ。
イランは、イスラエルによる先制軍事攻撃があった場合、それを抑止するための唯一残された手段が弾道ミサイルであると認識している。昨年6月のイスラエルによる攻撃に対して国際社会の明確な懲罰がなかったことからも、イランは自国を守るには自らの力しかないと考えているのだ。

国家の安全保障の根幹に関わる弾道ミサイル能力を放棄することは、イランにとって国家の存立基盤を脅かされるに等しい。交渉においてこの要求が突きつけられている以上、イラン側が同意することは不可能であり、協議が合意に達することなく決裂するのは不可避だと考えられる。
Q. もし軍事衝突が起きた場合、どのような規模で、いつごろ発生すると予測されるか?
交渉の決裂が必然であるとすれば、軍事衝突に至る可能性は極めて高い。その規模は、昨年行われた限定的な攻撃と比較にならないほど大規模かつ広範囲にわたるものになると見られている。
現在中東地域に集結しているアメリカの空軍力および海軍力は、前回よりもはるかに大規模なものであり、攻撃が始まれば、断続的かつ広範な標的を対象とした作戦が遂行される可能性が高い。これは単なる一時的な攻撃ではなく、イランの体制に圧力をかけ続けるための長期的な行動を想定していると推察される。
大規模攻撃の「Xデー」を予測する上での重要な指標の一つは、アメリカの原子力空母「ジェラルド・フォード」の東地中海への展開完了だ。これが完了し、イスラエルの防衛体制が十分に確立されたと判断されれば、軍事行動はもはや秒読み段階に入る。形式的な協議が終了すれば、遅かれ早かれ大規模な軍事攻撃へと事態が進行するだろう。