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【最新脳科学】読書で頭が良くなる理由
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2026年1月31日

「読書」が私達にもたらす様々なメリットが、脳科学の研究でわかってきた。デジタル書籍よりも「紙の読書」が効果的な理由とは?忙しいビジネスマンが読書を習慣化する方法は?脳科学者の毛内拡氏に聞いた。 <ゲスト> 毛内拡|脳科学者 お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教。2013年、東京工業大学大学院総...
読書が脳にもたらす驚くべき効果とは?脳科学者が語る知られざるメリット
日々の情報収集がスマートフォン中心になりがちな現代において、読書の価値は見直されている。脳科学者である毛内拡氏によれば、読書にはメンタル改善と「頭が良くなる」という二つの大きな効果がある。これは単なる経験則ではなく、科学的エビデンスによって裏付けられた事実だ。特に「紙の本」を読むことで、その効果はさらに高まる。本記事では、毛内氏の新著『読書する脳』から、読書が脳に与える驚くべき影響と、そのメカニズムについてQ&A形式で掘り下げていく。
読書は、単に知識を得るだけでなく、脳をバランスよく活性化させ、ストレス軽減や社会性の向上にも寄与する最高の脳トレと言える。デジタル情報に埋もれる現代人にこそ必要な、読書の効用を探る。

Q. 読書が脳に与える主な影響とは何か?
読書が脳にもたらす影響は主に二つある。一つはメンタル改善であり、もう一つは「頭が良くなる」ことだ。これらの効果は多数の科学的エビデンスにより証明されている。特に、紙の本での読書においてその効果が最大化されると毛内氏は指摘する。メンタル改善については、身体のリラックス効果も確認されており、読書が心身双方に良い影響を与えることが分かっている。知能向上に関しても、単なるイメージに留まらず、脳が実際に活性化され「頭が良くなる」ことが明らかになっているのだ。
Q. 現代における若者の読書離れの現状はどのようなものか?
複数の統計調査によると、小学校1年生から高校3年生の約半数が読書時間ゼロという衝撃的なデータが出ている。彼らの余暇時間の多くはスマートフォンやゲーム、SNSに費やされ、特に高校生は休日に約300分をスマホ利用に充てているという。

この状況は読書離れというよりも、読書習慣の二極化として捉えられている。スマホ利用は情報に対して「受け身」である特徴があり、脳疲労や精神衛生の悪化に繋がりかねない。対照的に、読書は自分の意思で情報を取捨選択する「能動的」な行為である。
Q. 紙の読書がデジタル読書よりも脳に良い影響を与えるのはなぜか?
スマートフォンなどでのデジタル読書は、通知や広告、他アプリの誘惑が多く、集中力を阻害しやすい。脳の限られた注意リソースが分散され、「マルチタスク」状態に陥る。この過剰な負荷は脳疲労を招き、読書を不快な体験に変える原因となる。一方、紙の本は「物理的な特性」が情報の定着を助ける。脳は情報を単体で記憶するのではなく、「ページのどの辺りにあったか」といった空間的な要素や、本の重さ、紙の質感、匂いなど「五感」を通じた情報を関連付けて覚える。この複合的な体験が、デジタル媒体にはない記憶の定着率の高さに繋がるのだ。読書専用タブレットは多少マシなものの、完璧ではない。読書時はワーキングメモリーも活性化し、推論する脳の働きも促される。
Q. 日本語の読書が脳を特に効率的に活性化させると言われるのはなぜか?
日本語は世界でも珍しい、表音文字(ひらがな・カタカナ)と表意文字(漢字)が混在する言語だ。この特性が、日本語を読む際の脳に特殊な働きをさせる。漢字を見ると、脳はまず絵のように「映像」として処理し、同時にひらがなを「音韻」として処理する。

これにより、日本人の脳は意識することなく映像と音の情報を瞬時に切り替えながら、非常に器用に活用しているのだ。また、日本語には同音異義語が多く、文脈から意味を推測する「推論能力」が常に鍛えられる。これは他者の意図を察する「空気を読む」能力にも通じるものであり、日本語が読めるのに読書しないのは非常にもったいないと毛内氏は語る。読書中は、言語野、視覚野、記憶を司る側頭葉、推論を担う前頭前野など、脳の広範囲がバランス良く、かつ適度な負荷で活性化されるのだ。
Q. 読書が非認知能力や社会性の向上に貢献するメカニズムはどのようなものか?
脳は、過去の経験を蓄積した「知恵袋記憶」をデータベースとして持ち、これに基づいて予測しながら外界を認識している。このデータベースが豊かであればあるほど、多様な状況に対応できるのだ。読書は、フィクションやノンフィクションを通じて、自身の人生では経験し得ない「代理体験」を提供する。これにより知恵袋記憶は飛躍的に拡張され、多様な価値観や思考パターンが脳に蓄積される。現実世界で問題に直面した際、この豊富なデータベースを参照することで、複数の選択肢から最善策を導き出し、応用力やストレス耐性を高めることが可能となる。また、自分の感情を正確に言語化する「ラベリング」能力も読書を通じて向上し、心の回復力(レジリエンス)を高めることに繋がるという。
Q. 読書によってストレスが軽減される科学的メカニズムは何か?
研究によれば、わずか6分間の読書でストレスが約70%も軽減される効果がある。この背景には、脳の特殊な働きが関係している。メンタルが不調な時、脳は「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる自動運転モードが過剰に働き、過去の後悔や将来の不安を反芻し続ける状態に陥りがちだ。読書に深く没入すると、脳はこの反芻思考の連鎖から切り離され、「タスク処理モード」へと移行する。これにより、脳は一時的に休息状態となり、癒される感覚を得られるのだ。これが読書によるストレス解消の真のメカニズムと言える。
Q. 脳に良い読書習慣を身につけるための具体的なポイントは何か?
最も重要なのは「読みたい本を、読みたい時に読む」という主体性を持つことだ。

人から勧められた本や流行の本を義務感で読むことは、長続きせず、読書そのものへの嫌悪感を生む可能性がある。また、読書中は自然と呼吸が深くなり、特に紙の本を読むとため息の回数が増えることが確認されている。このため息が、呼吸をリセットし、脳の血流を回復させ、認知機能を活性化させる区切りの役割を果たす。夜寝る前に読書をして眠くなるのは、この深い呼吸により副交感神経が優位になり、心身がリラックスモードに移行している証拠である。これはデジタルデバイスの過剰な視覚刺激が交感神経を活性化させ、寝つきを悪くするのと対照的な健全な状態だ。