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【ゴールドETF錬金術】貴金属スペシャリストの投資術
(1990)
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2025年11月17日

金より高パフォーマンス?プラチナ&シルバーの破壊力とは。貴金属をポートフォリオの割合を上げた方が良い?貴金属スペシャリストの投資術について池水雄一氏に聞いた。 <出演> りんたろー。(EXIT/お笑いタレント) https://www.youtube.com/c/EXITCharannel/fea...
希少性No.1なのに金より安いプラチナ、賢い貴金属投資で資産を守る?
インフレが加速し、先行きの不透明な時代において、有事の際の安全資産として金の価格高騰に注目が集まっている。
しかし、実は金よりも圧倒的に希少な貴金属が、現在割安な状況にあり、今こそそのポテンシャルに目が向けられているのだ。
本記事では、金・銀・プラチナといった貴金属のそれぞれの特性、そして市場の現状を専門家の知見に基づいて深掘りする。
適切な投資方法から資産配分、さらには下落局面でのマインドセットまで、賢く資産を増やし、守るための貴金属投資戦略をQ&A形式で解説する。

Q. 金よりも希少なプラチナが今、なぜ安値で注目されるのか?
一般的に「高級」なイメージのあるプラチナだが、貴金属の年間産出量を見るとその希少性は明らかだ。
金が年間約3,700トン産出されるのに対し、プラチナは約170トンとその約20分の1に過ぎない。にもかかわらず、現在は金よりも安価で取引される「価格の逆転現象」が起きている状況である。
この価格動向にはいくつかの要因がある。まず、かつてはプラチナが金の2倍近い価格で推移しており、クレジットカードのランクでもプラチナが上位とされるように、本来金より高級な貴金属と認識されてきた歴史がある。この状況が変わったのは約15年前であり、それ以降は金が優勢の時期が続いている。そして近年、特にプラチナ価格の急騰を後押ししたのが「中国の爆買い」だ。高騰する金に手が出しにくくなった中国の宝飾業者が、相対的に割安なプラチナに目を付け、輸入量を大幅に増やしたことが直接的な引き金となった。プラチナは高い希少性を持つにもかかわらず、現在が買いやすい価格帯にあるという点で、大きな投資魅力を持つ。
Q. 金の価格は今後どうなることが予測されるか?
金の価格は供給量がほぼ安定しているため、専門家による将来予測は比較的立てやすい。
現在の年間生産量約3,500~3,700トンというペースで推移すれば、5年後の2030年頃には、金の価格が現在の約4,000ドルから7,000~8,000ドルへと倍増する可能性があるとの見方が有力である。

しかし、この将来性を過信し、全資産を金に集中させるのは非常にリスクが高い投資行動と言える。実際に、投資家の中には資産の9割を金に投じている者もいるが、基本的には資産ポートフォリオの一部として、他の金融商品との「分散投資」の視点を持つことが重要である。
Q. 貴金属投資における「リースレート」とは何か?
「リースレート」とは貴金属の「貸出金利」のことであり、その貴金属が市場にどの程度供給されているか、つまり品不足の状態であるか否かを示す指標となる。
例えば、金は市場に十分流通しているため、リースレートはマイナス金利である。
対照的に、プラチナの1ヶ月物のリースレートは驚異の年率26%という異常な高金利を叩き出している。これは、プラチナが深刻な品不足の状態にあり、借り手が多いことを明確に示している。

「物が足りない」という状況は、当然ながら価格を大きく押し上げる強力な要因となる。金が投資家向け安定資産である一方、プラチナや銀は工業用需要も大きく、特に銀は太陽光パネルなどに使われる工業用が全体の約半分を占める。これらの工業需要の高まりが、時に需給の逼迫を生み、リースレートに現れて価格を急騰させる傾向があるのだ。
Q. 貴金属投資の適切な方法は何か?ETFのメリットと活用法を知りたい?
純金積立
ETF(上場投資信託)
「純金積立」は、毎月一定額を投資し続ける「ドルコスト平均法」であり、相場の高低に一喜一憂せず着実に資産を増やす王道的な手法だ。しかし、一般的に手数料が比較的高く、爆発的なリターンを期待する投資家には物足りなさを感じる可能性がある。
一方、コストを抑えつつ機動的に投資したい初心者におすすめなのが「ETF」である。金ETFの信託報酬は0.17%~0.5%程度と非常に安く、オルカンなどのインデックスファンドと遜色ない。ETFは証券取引所に上場しており、株式と同様にリアルタイムで売買ができるため、価格下落時などのスポット購入にも非常に便利だ。さらに、ETFはNISAの成長投資枠で購入できるため、非課税メリットも最大限に活用すべきである。
また、プロ投資家の中には、ETFの特性を利用した裁定取引(アービトラージ)で利益を得る者もいる。例えば、三菱UFJ信託が提供する金ETF「金の果実(コード:1540)」は、唯一国内に金現物を保管しているため、買いが殺到し新たな証券発行が追いつかない時に、本来の金価格から最大20%ものプレミアムが付くことがある。プロは、この乖離を利用してプレミアムが付いた「金の果実」を売却し、同時に価格が正常な他の金ETF(例:iシェアーズ)を買い戻すことで、リスクを抑えつつ利益を確定させているのだ。
Q. 貴金属価格の下落は「暴落」ではなく「買い時」と考えるべきか?
貴金属価格が短期的に10%程度下落する場面は、決して珍しいことではない。最近では、金価格が4,400ドルから3,900ドル割れまで一時的に下落する状況が見られた。
しかし、これは価値が半減するような「暴落」とは異なり、主に短期的な利益確定売りによる一時的な「調整」と解釈すべきだ。金は長期的に上昇トレンドにあるため、数パーセントから十数パーセントの価格下落は、買い増しの好機と捉えるのが長期投資家の賢明な判断である。
価格の下落は悲観するものではなく、むしろ安く仕込む「絶好の買いチャンス」と認識する必要がある。これは株式投資にも通じる考え方だ。例えば、過去のブラックマンデーのように市場全体がパニックに陥り、優良資産まで理由なく売られる時こそ、冷静にその資産の本来価値を見極め、買い向かう勇気が大きなリターンへと繋がる。短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点を持つことが貴金属投資の醍醐味だと言えよう。
Q. 投資初心者が貴金属に投資する際、資産配分のコツは何か?
インフレによって現金の実質的な価値が目減りする現代において、タンス預金のように現金ばかりを保有することは最大のリスクである。現金は時間とともに購買力を失うため、価値を保全するためには金をはじめとする貴金属投資が有効な手段となり得る。
貴金属をポートフォリオに組み込む割合としては、従来の5〜10%ではなく、総資産の「25%程度」まで引き上げることを専門家は推奨している。専門家自身も現在10%程度の比率を、目標である20%台へと増強中だ。

具体的な金・銀・プラチナの配分比率にはいくつかの考え方がある。より安定を重視するならば、基軸となる金をメインに「金70%:銀15%:プラチナ15%」が良いバランスだろう。しかし、レバレッジの効いた高いリターンを狙いたいならば、「金50%:プラチナ50%」あるいは「プラチナ100%」といった攻めの配分も選択肢に入る。いずれの貴金属も、主要なネット証券では積立投資が可能であり、またスポットでの購入もできるため、自身のリスク許容度や投資目標に応じて柔軟にポートフォリオを構築できる。
Q. 「円」のリスクを回避するためにも、金や貴金属投資は有効か?
日本に住む我々にとって、給与収入から貯蓄まで資産が円に偏りがちだ。この状況は「円だけを保有しているリスク」と言い換えられる。つまり、円の価値が下落すれば、購買力が低下し、実質的な資産が目減りしてしまう恐れがある。
この円リスクを回避するために、ドル建て資産である金に投資することは非常に有効である。特に、金ETFなどを購入する際には、為替変動リスクをヘッジする「為替ヘッジあり」の商品ではなく、円安による恩恵も享受できる「為替ヘッジなし」の商品を選ぶのが合理的だ。
為替ヘッジなしの商品を通じてドル建て資産を保有することで、円の価値が下がっても相対的に資産価値を維持できるため、効果的な資産防衛となるだろう。これはポートフォリオ全体の分散効果を高め、安定した資産形成に貢献すると言える。