健康新常識
がんを防ぐ腸活/テレビじゃ言えない/大腸がん急増 日本人の死因 女性1位 男性2位/がんリスク高める食品【健康新常識】
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2025年11月23日

健康業界のトップランナーが「新常識」を紹介する番組。日本人の大腸がんが増加し、男女の死因上位を独占している。消化器外科医・石黒成治氏が腸活ブームのリスクと正しい腸内環境改善法を教える。 <出演> 石黒成治 消化器外科医/ヘルスコーチ 三田友梨佳 MC/フリーアナウンサー 森本晋太郎 MC/お笑い芸...
医師が断言!腸活の常識は嘘?日本人女性の死因1位「大腸がん」を防ぐ“新常識”とは?
近年、「腸活」が一大ブームとなっている。健康志向の高まりとともに、SNSやメディアで紹介される腸活情報に、多くの人が魅了されているのは事実である。しかし、それらの情報が必ずしも個人の健康に良いとは限らないことを知っているだろうか?日本の大腸がん死亡者数は増加の一途を辿り、女性においてはすでに死因の1位となっている。果たして私たちは、正しい腸活を実践できているだろうか。本記事では、大腸がん外科治療の専門家である石黒成治医師が提唱する「がんを防ぐ腸活」の新常識を、Q&A形式で解説する。

Q. いま話題の「腸活」とは何なのだろうか?
巷で語られる「腸活」には、ヨーグルトや乳酸菌飲料、特定の高食物繊維食品を摂取することなどが含まれる。しかし、その多くはSNSのトレンドやマーケティングの影響によるものだ。本当に自身の体に合っているか、長期的な健康に繋がるかどうかの検証が十分でないケースも少なくない。石黒医師によると、正しい腸活の目的は、腸内環境を改善し、体の免疫機能を高めて結果的に「がんを予防する」ことにある。漠然とした健康イメージで食品を選ぶのではなく、腸の働きやがん発生のメカニズムを理解することが不可欠だと言える。
Q. 大腸がんがこれほど急増している理由は何なのだろうか?
大腸がんは日本人において急増しており、現在では女性の死因第1位、男性の死因第2位という深刻な状況だ。約40年前と比較すると、その発生率は男女ともに2~3倍にも跳ね上がっている。この急増の背景には、日本人の食生活と生活習慣の欧米化がある。肉食中心の食事、加工食品の摂取増加、運動不足といった要素が重なり、腸内に慢性的な炎症が起こりやすい環境を作り出しているのだ。炎症はがんの引き金となり、大腸がんのリスクを大幅に高める要因となっている。さらに重要な点として、がんは単一のがん細胞から、検査で診断可能なサイズ(約1cm)に成長するまでに10年以上もの時間を要するという。これは、現在の病状が10年以上前の生活習慣の結果であることを示唆し、早期発見よりも「日頃からがんを育てない」予防の重要性を浮き彫りにする。

Q. がん予防に腸内環境がなぜ重要なのか?
驚くべきことに、体の免疫細胞の約7割が腸に集中している。腸は食べ物を消化吸収する「開かれた場所」であるため、外部からの病原体や異物の侵入を常に警戒し、防ぎきる必要があり、そのために膨大な免疫細胞が配置されているのだ。免疫は、毎日約5000個発生するとされるがん細胞の「芽」を日々撃退しているが、腸内環境が悪化し免疫機能が低下すると、この監視システムが正常に働かなくなる。がん細胞は増殖の機会を得て成長を始めてしまうのだ。したがって、免疫力を高く維持するためには、腸内環境を良好に保つことが極めて重要となる。
腸内細菌は食物繊維を分解して「短鎖脂肪酸」を生成する。この短鎖脂肪酸こそが腸の環境を整え、免疫機能の向上に貢献するだけでなく、脳、心臓、腎臓など全身の臓器にも良い影響を与える重要な物質である。その他、腸内細菌はビタミンB群やビタミンKの合成、有害な菌の排除、そして免疫細胞との直接的な情報交換までをも行い、私たちの健康維持に多角的に貢献している。しかし、腸内環境の改善は短期間で達成されるものではなく、抗生物質で一度乱れた腸内環境が元の状態に戻るまでには半年以上かかる場合もあるため、日々の良い習慣を継続することが何よりも大切だ。
Q. 「腸に良い」とされる乳酸菌を積極的に摂る必要はないのだろうか?
「乳酸菌は腸に良い」というイメージは、多くの日本人にとって共通認識となっているが、これはマーケティングによって形成されたものだと石黒医師は断言する。特にヨーグルトを摂って便通が良くなる場合、その多くは乳糖不耐症による軽度な下痢である可能性が高く、実際に腸内環境が改善されているわけではない。むしろ、腸に炎症を起こしていることすらあり得るのだ。人間の腸内には千種類以上の多種多様な細菌が共生しており、互いに融通し合いながら安定した生態系(縄張り)を形成している。ここに単一の乳酸菌を毎日大量に摂取すると、この微妙なバランスが崩れ、かえって腸内環境が悪化するリスクもある。また、市販の乳酸菌飲料には、美味しさのために多量の砂糖や人工甘味料が含まれているケースがほとんどである。砂糖は腸内の悪玉菌やカンジダなどのカビの増殖を促すため、せっかく摂った乳酸菌の効果を打ち消してしまう可能性がある。

日本人には元々乳糖を分解する酵素が少なく、大人になると失われるのが一般的である。歴史的に乳製品を摂取してこなかった日本人の体質を考えると、専門医は「健康維持のために乳酸菌を積極的に摂る必要はまったくない」と個人的見解を述べている。盲目的に流行に乗って乳酸菌を摂り続けるのではなく、自分の体質に合っているかを見極める視点が必要だ。
Q. タンパク質は積極的に摂取するべきなのだろうか?
「高タンパク質食」を推奨する風潮も、乳酸菌同様にマーケティングによる影響が大きい。通常の食生活を送る日本人がタンパク質不足に陥ることは極めて稀である。熱心な筋力トレーニングを日常的に行う者を除けば、プロテインやタンパク質補給食品をあえて摂取する必要性は低い。タンパク質は筋肉、骨、皮膚、ホルモン、酵素の材料となるため、体にとって重要な栄養素であることは間違いない。しかし、摂りすぎは体に多大な負担をかける。消化しきれない過剰なタンパク質は腸内で腐敗し、アンモニア、硫化水素などの有害なガスや発がん性物質を生成するのだ。これにより腸内は炎症状態となり、免疫機能を低下させるリスクが高まる。
さらに、体内で不要となったアミノ酸は貯蔵されず、肝臓や腎臓で分解されるため、これらの臓器に負担をかけることになる。また、過剰なアミノ酸はエネルギー源として利用され、やがて脂肪として蓄積される。健康やダイエットの目的で摂取したプロテインが、結果的に脂肪増加に繋がっている可能性も指摘されているのだ。タンパク質の摂取源としては、肉や魚といった動物性のものだけでなく、米、野菜、大豆製品などからも摂取できることを意識すべきだ。重要なのは「適切な量」と「多様な供給源」から摂取することである。
Q. ぽっこりお腹が体にとって悪いのはなぜだろうか?
「メタボリックシンドローム」や「脂肪肝」として現れる「ぽっこりお腹」、その正体である内臓脂肪は、単なる余分な脂肪以上の意味を持つ。これは体内に蓄積された「毒素の塊」と言っても過言ではない。なぜなら、多くの環境毒素は油に溶けやすく、特に内臓脂肪に集中的に溜め込まれる性質があるからだ。この毒素を蓄えた脂肪細胞は慢性的な炎症を起こし、それが体の免疫システムを狂わせ、がんを含む様々な病気のリスクを大幅に高める要因となる。大腸がんにおいても、肥満は明確なリスク因子の一つに数えられている。
この「毒素の塊」を解消するためには、まず質の悪い油(使い古された揚げ油など)の摂取を避け、食事から得られるカロリーを適切に管理することが基本である。加えて、腸を休ませ、自己浄化機能を促す「プチ断食(間欠的ファスティング)」も有効な手段だ。空腹時に活性化する腸のメカニズム「MMC(Migration Motor Complex)」により、腸内の清掃が促進される。しかし、プチ断食には性差があり、男性は16時間程度の断食が可能である一方、女性の体は飢餓に弱くできているため、無理な16時間断食はホルモンバランスを乱し、かえって体調不良を招くリスクがある。女性の場合は12~14時間程度の絶食時間を目安とするのが望ましいだろう。いずれの場合も、単に食事を抜くのではなく、水分や質の良い栄養素の摂取を考慮した、適切なやり方を学ぶ必要がある。
Q. 自分の体に合った腸活や食生活を見つけるにはどうすれば良いのだろうか?
世の中には健康に関する情報が溢れているが、その全てを鵜呑みにすることは賢明ではない。自分にとって本当に良い健康法を見つけるためには、最終的には自分の体で「テストする」ことが最も重要だ。特定の食品が体に合っているか確認する「除去食テスト」は有効な手段であり、乳製品、小麦、卵、大豆など、一見健康食品に見えても実は自分の体質に合わないものがあるかもしれない。これらを1ヶ月程度摂取するのをやめ、その後再導入した際の体の反応を観察することで、隠れた不調の原因を見つけ出すことが可能となる。腸内環境の健康を考える上で最も推奨される食生活は、多様な種類の食品を摂取することだ。特に、
野菜、果物、海藻類、ナッツ類など、様々な植物性食品を積極的に摂ることを推奨する。

週に30品目以上を目安に多様な食品を取り入れることで、腸内に存在する数千種類もの腸内細菌それぞれが好む餌を与え、バランスの取れた多様な腸内フローラを育成できると言われる。個々人の体の特性を理解し、主体的に健康と向き合うこと。それが、本当の意味でがんを予防し、生涯にわたる健やかな体を手に入れるための「自分だけの腸活」なのだろう。