MEN'S FASHION ADVANCE
(1767)
1.4万回視聴
2025年10月11日

大人が買うべきビジカジ服決定戦。予算別にスタイリストおすすめのセットアップを紹介。また、ビジカジ用カットソー・シャツの選び方を解説。 <ゲスト> 大山シュン|スタイリスト/SO Styling代表 2009年に個人向けスタイリストとして独立。YouTube『スタイリスト大山シュンのメンズ服講座』で...

ビジネスシーンで定番となったビジカジスタイルは、誰もが実践する分「いつも同じ」といったマンネリに陥りやすい。街ではセットアップにTシャツを合わせた人が多く見られるが、実際に電車でビジネスパーソンを観察すると、依然としてシャツとスラックスが圧倒的多数を占めている状況が確認できる。周囲との差別化を図り、より洗練された印象を確立するためには、ユニクロや無印良品といった高品質な定番アイテムに満足せず、トップスの選択肢を広げ、ボトムスのトレンドを取り入れる「2つのルール」を意識する必要がある。これだけで見え方は大きく変わり、自分だけのスタイルを表現することが可能となるだろう。
まずトップス選びの失敗例として、「スーツからネクタイを抜いただけ」に見える白いワイシャツに黒いスラックスという組み合わせが挙げられる。無難ではあるが、洗練さに欠け、個性が失われる可能性がある。さらに、「盛りすぎ」なデザインにも注意が必要だ。ボタンや縫い糸の色が派手なシャツ、チェック柄のスラックスなどはチープな印象を与え、カジュアルさがビジネスシーンに不釣り合いとなる。また、靴とベルトの色が合っていないケースもよくある失敗であり、小物の一致はコーディネート全体の引き締めに直結するポイントだ。

では、どうすれば良いか。シャツは白シャツから一歩踏み出し、爽やかなブルー系を選ぶことを推奨する。少し濃いめのブルーなら、より洗練された印象となり、周囲との差を生むだろう。柄物を取り入れる場合は、チェック柄よりシャープな縦のストライプ柄がビジネスに適している。襟型にも着目すべきで、30代の若々しい印象には、第1ボタンを開けた時の襟の広がりが美しいワイドカラーがおすすめだ。一方、40代以降の落ち着いた世代には、安定感のあるボタンダウンシャツが適している。一般的に見かけるレギュラーカラーは「無難」に見えやすいため、こだわりを持つなら避けるのが賢明である。
ジャケットのインナーに合わせるTシャツも、選び方次第で印象は大きく変わる。微光沢があり上品に見える素材が正解だ。ナノ・ユニバースの「ジャケT」のように、後ろ襟が高く設計されており、ジャケットの襟元が汚れるのを防ぐ機能的なTシャツもある。ゆとりのあるセットアップには、少しワイドなシルエットのTシャツを合わせるとバランスが取れる。ユナイテッドアローズの「ポンチT」は質感が良く、一枚でも様になる。定番の白Tに加え、洗練された黒Tもおすすめだ。H BEAUTY & YOUTHのTシャツは、ファッション愛好家からの支持も厚い。さらに差をつけたいなら、日本のニットウェアブランド「BATONER(バトナー)」のTシャツは、その優れた素材感で一線を画すだろう。
パンツの丈は、流行を顕著に反映する要素の一つだ。以前流行した「くるぶしを見せる」スタイルはすでに旬が過ぎつつあり、現在は靴に裾がわずかに乗る程度の「ワンクッション」が主流となっている。ボトムスは丈や太さのトレンドが頻繁に変わるため、定期的な見直しと買い替えで常に現代的な着こなしを保つことが可能となる。ただし、ビジネスシーンではあまりにもワイドなパンツは私服感が強く出てしまう可能性があるため、腿周りはゆったりとしつつ、膝から下にかけて細くなる「ワイドテーパード」シルエットを選ぶと良いだろう。これはビジカジに取り入れやすく、体型をカバーしつつスタイリッシュな印象を維持できる。また、スニーカーを合わせる際は、パンツの裾幅をスニーカーのボリューム感と合わせることが重要である。裾幅が広めのパンツならボリュームのあるスニーカーともバランスが取りやすいが、裾幅が狭いと裾がもたつかず、スマートな着こなしが可能となる。

セットアップ選びは、予算や求める機能性、トレンド感によって幅広い選択肢が存在する。
まずコストパフォーマンスを重視するならば、グローバルワークの別ライン「Salon de GW」が非常に優れている。日本の高級スーツファクトリー「リングヂャケット」が監修しているため、2万円以下という価格帯でありながら、優れたパターンと縫製を誇る。ウールのような上品な見え方でありながら、ストレッチ性の高い化繊素材を使用しているため、手入れも容易で日常使いに適している。
次にトレンド感と機能性を求めるなら、BEAUTY & YOUTHの「360°MASTER」シリーズが人気だ。高いストレッチ性としわになりにくい素材特性は、出張など移動が多いシーンでも活躍する。仕事とカジュアルの双方で使える汎用性も魅力だ。
さらに高感度なアイテムを探しているならば、N.HOOLYWOOD、DESCENTE、TEATORAなどのドメスティックブランドをチェックしたい。N.HOOLYWOODはブランドらしいこだわりを持ちつつ、大人が着こなしやすい上品なセットアップを展開。DESCENTEは近年リブランディングによりスタイリッシュさを増し、高いファッション感度を持つ人々から支持を得ている。機能的なテック素材を使い、手入れのしやすさも魅力だ。そして、ビジネスシーンにおける究極のテックウェアを目指すTEATORAは、iPadなどを収納できるポケットを備えた「デバイスコート」シリーズなどで知られる。ゆったりとしたシルエットを早期から提案してきた先進性もあり、ガジェットを多用するビジネスパーソンにとって、機能性とデザイン性を両立した理想的なブランドと言える。これらのブランドは高価だが、着こなしに深みと個性を与えるだろう。
秋冬のビジカジスタイルでは、インナーをTシャツから季節感のあるアイテムに変えることがポイントだ。丸首のニットや、上品な雰囲気を醸し出すニットポロがおすすめである。ユニクロからも高品位なニットポロがリリースされており、手軽にトレンドを取り入れながらコスパの良い選択が可能となった。これらのアイテムを取り入れることで、簡単に季節感を演出し、ビジネスシーンに相応しい洗練された印象を与えることができる。
セットアップのカラー選びにおいては、まず万能な「ブラック」を一着持つことが賢明だ。冠婚葬祭のイメージが強かったブラックも、今では標準的なビジネスカラーとして広く認知されている。加えて、重くなりすぎず幅広いシーンで活躍する「ダークネイビー」ももう一着あると安心感がある。これらベーシックカラーを中心に据えることで、インナーや小物で遊びを加えつつ、落ち着いた大人のビジカジスタイルを確立できるだろう。
「いつも同じセットアップを着ている人」という印象を払拭するには、着こなしのバリエーションを増やすことが肝要である。一つの有効な手段として、ジャケットの代わりに、ゆとりあるシルエットのシャツをアウター感覚で羽織るスタイルを試してほしい。タックインせず、裾を出して着こなすことで、リラックスしつつも洗練された雰囲気を演出できる。近年では「シャツタイプのセットアップ」も多く登場しており、ジャケットではない軽やかなセットアップも選択肢となる。これにより、TPOや気分に合わせて多彩なビジカジスタイルを楽しむことが可能だ。

大人のビジカジをダサくせず、周りと差をつけるには「トップス」と「ボトムス」という二つの要素に細部までこだわるべきである。トレンドを意識したアイテム選びと着こなしの工夫で、いつものビジネスファッションがぐっと楽しく、そしてスマートに進化するはずだ。