BODY SKILL SET
(2205)
3.8万回視聴
2025年9月13日

最新科学で分かった老化を防ぐ食べ物について腸内細菌研究の第一人者・内藤裕二氏に聞いた。 キーワードは「豆&穀物」。インド・パキスタンで穫れる超優秀食材「グアー豆食物繊維」、老化予防にも期待される「スーパーフード」とは? <ゲスト> 内藤裕二/京都府立医科大学大学院,医学研究科教授,医学博士 京都府...
60歳を過ぎた男性の寿命は短い傾向に?コミュニケーションも大切
健康寿命を延ばすために、食事はどうあるべきか?医学博士の内藤裕二氏が語る「植物ベース食」の重要性と具体的な実践方法を紹介します。20代で食事を変えれば寿命が10年以上延びるという研究結果も!

世界的な研究データによると、健康的な長寿には「プラントベース」の食事が明らかに効果的だ。これは植物を中心とした食事法で、特に豆類と全粒穀物が重要とされる。アメリカで行われた研究では、50歳の人々を10万人集めて30年間追跡調査した結果、70歳時点で11の疾患がなく、認知症でもなく、運動機能も社会性も正常に保たれていた人は全体のわずか9%だった。
この9%の人々が30年前に何を食べていたかを分析すると、肉やソーセージをあまり食べず、ジュースも飲まないという共通点があった。つまり、植物ベースの食事を素材から作って食べることが大切だということだ。
果物は体に良いが、果物ジュースは体に悪い。オレンジは体に良いが、オレンジジュースは良くない。砂糖も元々は植物由来だが、現在は工業的に粉末化されて体に悪影響を及ぼす。重要なのは「ヘルシーな植物ベース食」である。

健康的な植物ベース食とは?
健康的な植物ベース食に含まれるものは:
全粒穀物
果物
野菜
ナッツ
豆類
植物オイル
コーヒー
お茶
逆に、植物由来でも不健康なものには:
ジュース
砂糖
精製穀物
ポテトチップスやフライドポテト(ジャガイモの調理法による)
白米は全粒穀物ではないため、「中程度」と言える。玄米ならより良いが、玄米にこだわる必要はなく、雑穀米や麦ごはんなど、様々な食べやすい穀物を取り入れるとよい。パンも全粒穀物のものを選ぶべきだが、日本ではあまり一般的ではない。基本的には「白いものを捨てて茶色系に行く」というのが重要だ。
卵については議論があるが、日本人にとっては重要なタンパク源である。内藤氏は「卵はOK」と考えており、自身も毎日1個は食べているという。
これは誤解だ。筋肉は20種類のアミノ酸でできているが、そのうち11種類は体内で合成できる。筋肉のために絶対に必要なのは分岐鎖アミノ酸(ロイシン、バリン、イソロイシン)だが、これらは豆類と全粒穀物に含まれている。つまり、植物性食品からも必要なタンパク質は摂取できる。
豆類なら基本的に何でも良い。小豆、黒豆、金時豆などがある。簡単な方法としては、スーパーで売っている水煮の大豆を使うとよい。ただし味付けされていないものを選ぶことが大切だ。
また、「グァー豆」という食物繊維が豊富な豆もおすすめ。これは無味無臭で水にもコーヒーにも溶けるため、気づかないうちに食物繊維を摂取できる。セブンイレブンのサイクルドットミーブランドのジャスミンティーにはこの食物繊維が含まれている。
キヌアは全粒穀物で、タンパク質も含む優れた食材だ。コストコではキヌアサラダが売られており、これにナッツを砕いて加えたり、ドライフルーツや鶏肉のささみを追加したりすると、栄養バランスに優れた一食になる。
朝食は特に重要だ。朝食を抜くことは体内時計の観点からも良くない。タンパク質は1日を通して必要だが、体を目覚めさせるという意味では朝食は欠かせない。

日本人は塩分摂取量が多く、これは腸内環境に直接影響する。自分で料理すれば塩分は制限できるが、外食や加工食品が増えると塩分過多になりがちだ。例えば、熱中症予防のための塩飴も、日本人はすでに塩分過剰なので不要という見解もある。
食事は単に栄養素だけでなく、人とのコミュニケーションの場としても重要だ。世界幸福度ランキングで日本は55位程度と低く、その理由の一つに「一人で食事をする割合が高い」ことがある。日本人は週14回の食事(昼と夜)のうち、誰かと一緒に食べる回数は平均3.7回程度しかないという。
食事をきっかけにコミュニケーションが生まれ、人との絆が形成される。これが幸福感につながる。特に高齢男性の場合、一人暮らしや配偶者を亡くした人は寿命が短い傾向にある。一方、女性は配偶者がいなくても社会的つながりを維持し、長生きする傾向がある。
健康的な食事も美味しくなければ続かない。例えば大豆ミートにデミグラスソースをかければハンバーグの味を楽しめる。また、コストコのキヌアサラダのように、栄養価が高く美味しい食品を見つけることも大切だ。

毎食完璧に実践する必要はなく、週に数回は自分の好きなものを食べても問題ない。内藤氏自身も家族との食事では時に妥協するという。大切なのは、基本的な食事パターンを健康的なものにすることだ。
毎朝「スペシャルスムージー」を作っている。バナナ、豆乳、食物繊維6g、オリーブオイル、きな粉、抹茶や青汁の粉末などを混ぜる。さらに健康データを常に計測するためにウェアラブルデバイスも活用しているという。
研究によると、20代で食事を変えれば寿命が10年以上伸びるという結果がある。具体的には:
増やすべきもの:豆類、全粒穀物、ナッツ、魚、果物、野菜
減らすべきもの:赤身肉、加工肉、砂糖、精製穀物、卵(議論あり)
ただし、いきなりすべてを変える必要はない。まずは豆類と全粒穀物を意識的に増やし、少しずつ赤身肉を減らしていくなど、段階的に取り組むとよい。
最後に、食事だけでなく人生の目的を持つことも健康長寿には重要だ。社会とのつながりを保ち、「今日することがある」と感じられる生活を送ることが、健康的な食習慣と相まって真の健康長寿につながる。