
トレード期限目前、本気の補強を徹底予想
MLB市場に変化? トレード時期の注目ポイントと裏側
MLB全体がトレード市場でどう動くのか。チームの補強ポイント、選手契約の裏側、そして意外なデータから見えてくる新トレンドまで、MLB通が語る最新情報をQ&A形式でお届けします。

Q. 現在のメジャーリーグでは、どのチームがライバル関係にあるのでしょうか?
ドジャースの同地区のパドレスとジャイアンツは必ず食い込んでくる存在です。対戦数が多いため、この間の駆け引きは非常に興味深い見どころがあります。実際、去年も西地区はドジャースが優勝しましたが、その後のポストシーズンではパドレスとの対戦で3勝2敗と苦戦しました。
また、昨年のワールドシリーズで対戦したヤンキースも再び強力なライバルになると予想されます。特にアーロン・ジャッジ選手は昨年の悔しさをバネに現在好調で、その悔しさだけが彼の原動力と言っても過言ではないほどのモチベーションになっているようです。
Q. トレードの噂はどこから情報が漏れているのですか?
MLBには「トレードルーマーズ」というサイトがあり、各球団がどういった選手に注目しているか、どのポジションを狙っているかといった噂話が集まっています。これは昔からあるサイトで、メジャーリーグファンなら誰もが見るサイトになっています。
このサイトには記者たちが集めた情報が日々更新され、「このチームがこういうトレード話をしている」といった情報が全て掲載されています。真偽は定かではありませんが、実際に動きがあれば「こういう契約でこうなった」という結果も出てきます。
Q. MLBの選手契約には「サイドレター」というものがあると聞きましたが、それは何ですか?
サイドレターとは、本契約とは別に存在する契約書です。本契約とは別にもう一枚の契約書があり、シーズン中に起こりうる特定の状況について規定しています。

例えば、「優勝が狙えるチームにしか行かない」といった条件をエージェントが球団側に提示することがあります。選手側に選択権がある場合、こうした条件を設けられることがあるのです。
例えばアリゾナ・ダイヤモンドバックスのような優勝が狙えるチームであれば発動しないものの、そうでないチームには適用されるような条件が含まれていることもあります。もちろん、球団側がそれを受け入れるかどうかは別問題ですが、このようなサイドレターを持つ選手も存在します。
Q. ドジャースが現在注目しているトレード先はどこですか?
現在噂されているのはブルペンの補強で、ツインズのリリーフ投手を狙っているという話が出ています。一方、ヤンキースはアリゾナ・ダイヤモンドバックスの強打のサード、エウヘニオ・スアレス選手を狙っているという噂もあります。ヤンキースはちょうどサードのポジションが空いているため、獲得に動いているようです。
Q. ドジャースの後半戦の予測はどうなっていますか?
データによると、ドジャースの前半戦の貢献度は野手が18.9、先発投手が4.3、救援投手が3.9で、合計27.1となっています。後半戦の予測では、野手が13.6、先発投手が6.4、救援投手が1.4で、合計21.4の貢献が見込まれています。
山本投手については、前半戦は代替選手に比べて2.5勝分の価値を上乗せしており、後半戦はさらに1.5勝分の価値を追加するとの予測です。後半戦は試合数が少ないため数値自体は下がりますが、合計で4勝分の貢献となり、投手としては非常に高い貢献度を示しています。
また、最近グラステノウ投手が復帰し、カーショー投手も投げ始めたため、後半戦に向けて先発陣が整ってくると予想されています。
Q. ドジャースの補強ポイントはどこになりますか?
最も明確な補強ポイントは左翼手(レフト)です。シーズンを通じてドジャースは外野手の補強を試みてきましたが、期待通りの打者が出てこなかったため、この穴をどう埋めるかが課題となっています。
レフトの補強候補としては、ルイス・ロバート・ジュニア選手やランディ・アロザレナ選手の名前が挙がっていますが、これらの選手を獲得するためには若手有望株を放出しなければなりません。ただ、ドジャースの若手層はそれほど厚くないため、有望な若手を出せるかどうかは難しい問題です。
また、ドジャースのGMであるアンドリュー・フリードマンは、若手を複数の球団から獲得して育成し、ビジネスに活用してきたタイプなので、若手放出には慎重な姿勢を示しています。
Q. ドジャースはレフト以外にも補強の可能性はありますか?
実はドジャースの場合、単純にレフトだけを探す必要はありません。例えば、ショートに適切な選手を獲得できれば、現在ショートを守っているモーキー・ベッツ選手をセカンドや外野に回すことも可能です。
このように、ドジャースは選手の配置を柔軟に変えられる布陣を持っているため、レフト以外のポジションでも補強候補を探すことができます。本当に優秀な選手を連れてくるために若手を大量放出するのか、連覇に向けてどう動くのかが注目されます。
Q. メジャーリーグで捕手の構えが変わってきているというデータがありますが、どのような変化ですか?
近年、膝をつけて構える捕手の割合が急増しています。5年前の2020年には捕手の24%しか膝をつけていませんでしたが、現在は95%の捕手が膝をついて捕球するようになりました。
この変化の理由は、膝をついた方がフレーミング(ボールをストライクに見せる技術)が上手くできるからです。両膝を立てると、ボールの勢いや取り方によってバランスを崩しやすく、ミットがぶれてしまいます。一方、膝をつけることで安定した捕球ができます。
データによると、膝をついた場合は年間で約2点のプラス効果があり、膝をつかない場合はマイナス7点程度と大きな差があります。このフレーミング技術がデータによって解明されたことで、捕手たちが最適な構えを採用するようになったのです。

Q. 現在注目の投手は誰ですか?
最近のオールスターでも登板したタイラー・グラソー選手が注目されています。彼は素晴らしいピッチングを披露し、ストレートも非常に速く、150km/hのスライダーを投げるなど、次元の異なる投球を見せています。
去年はコディー・ポータースキー選手がブレイクし、今年はグラソー選手がブレイクしています。この2人の投手が今後のMLBの顔になっていくだろうという予感させるピッチングです。
グラソー選手は人間性も素晴らしく、インタビューでは素朴で純粋な高校生のような印象を与えています。数ヶ月前までマイナーリーガーだった現状について「正直、ついていけていない部分もある」と笑顔で答えるなど、素直な一面も持っています。しかし、マウンドに上がると誰も打てないほどの圧倒的な投球を見せる、非常に優れた投手です。
Q. 今永選手についてのデータ分析では何が見えてきますか?
今永選手は現在7勝3敗で防御率2.40、13試合に先発しています。データ的に気になる点としては、三振の数が昨年より減少していることです。昨年は173.3イニングで174個の三振を奪っていましたが、今年は75イニングで53個と少なくなっています。
しかし、防御率は昨年より良くなっており、投球内容も変化しています。昨年は4シーム(ストレート)で抑えていたところが、今年は4シームは平均的な効果になる一方、カーブやフォークなどの変化球で失点を抑える投球構成になっています。
これはバッターが今永選手の4シームに慣れてきた中で、投球の目先を変えながら上手く失点を抑えている証拠です。本人は「変化球は得意ではない」と言っていましたが、2年目として様々な調整をしながら成果を出しているのは素晴らしいことです。
