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休養の質を上げる「10の実践スキル」
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2025年7月22日

20〜30代の若さでカバーができなくなる40代。40歳以降のコンディションを保つために、どう戦略的に休養を取るべきなのか?睡眠、ホルモン、自律神経の3つを中心に、医師で起業家の加藤浩晃氏に「明日から元気になるポイント」を解説してもらった。
睡眠から筋トレまで、戦略的に疲れを取るプロが実践する10の習慣
現代社会では忙しさが当たり前となり、疲労感を抱えながら日々を過ごす人が増えている。
でも本当に効果的な休養法を知っていれば、パフォーマンスを維持しながら健康的に過ごせるかもしれない。
産業医と医師が語る「戦略的休養」のポイントを質問形式でまとめた。

Q. 男性更年期障害とは何ですか?
男性更年期障害は、医学的には「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれる状態です。
30代以降、男性ホルモン(テストステロン)が年間1~2%ずつ減少していくことで起こります。
60代以降は加齢による自然な減少ですが、30~50代では主にストレスが原因となることが多いです。

症状としては筋力低下や体調不良、やる気の低下、活力減退、疲れやすさなどが現れます。
テストステロンが多いと筋肉がつきやすく、リスクを取る思考になりますが、それが低下すると逆の状態になります。
特に重要なのは、最初はメンタル不調と間違われることが多い点です。
メンタルクリニックに通っても改善せず、検査したらテストステロン低下だったというケースも少なくありません。
Q. 最近注目されているDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)とは何ですか?
DHEAはテストステロンの前駆物質で、ストレスがかかると減少します。
アメリカなどの海外ではDHEAのサプリメントが一般的で、これを摂取するとテストステロンの増加が期待できます。
興味深い研究として、DHEAが高い人は長寿だったという報告があります。
1970年代に健診を受けた人を30年後に調査したところ、DHEAが高かった人の方が生存率が高かったのです。
これは年齢や他の要因を調整しても同様の結果でした。
日本では1980年代ごろから法律改正によりDHEAが薬に分類されてしまったため、サプリメントとして自由に入手できなくなりました。
アスリートの薬物検査でも引っかかるほど効果があるとされていますが、一般のビジネスパーソンが使用する分には問題ないとされています。
Q. サウナは本当に体にいいのですか?
サウナについては医学界でも意見が分かれています。
サウナが体にいいという派と、将来的に良くないと判明するかもしれないという派があり、まだ研究途上の部分もあります。
サウナの効果としては、高温環境で交感神経を疲労させ、その後の水風呂で副交感神経も疲労させることで、
日常生活で崩れがちな自律神経のバランスをリセットする効果が期待できます。
また、ヒートショックプロテインという神経保護や損傷したタンパク質を修復する物質が生成されるという利点もあります。
ただし日本のサウナはフィンランドなどのサウナ大国と比べて高温であることが多く、ここも考慮すべき点です。
また、高齢者や血管に問題がある人、水分補給が不十分な場合には負担がかかる可能性があります。
若く健康な人が適切に水分補給をしながら利用するなら、多くの場合問題ないと考えられています。
Q. 目の健康を保つためにはどうすればよいですか?
パソコン作業などで近くを見る時、目は副交感神経優位になります。
一方で仕事中は体は交感神経優位になっているため、このギャップが眼精疲労の原因になります。
40歳を過ぎたら必ず眼科検診を受けるべきです。
近視や老眼だけでなく、緑内障は40歳以上で20人に1人の割合で発症するとされています。
メガネの度数も考慮すべきポイントです。必要以上に強い度数にすると疲れやすくなります。
例えば、コンタクトレンズの度数を1.0ではなく0.8程度にすると、近くのパソコン作業が見やすくなる場合があります。
特に40歳以降は、遠くをピンと見えるようにするより、近くが見やすい方が快適に過ごせることがあります。
レーシック手術については、20代に受けるのが最も効果的ですが、老眼が始まる40代以降はかえって近くが見えにくくなる可能性があります。
施術前にこうしたリスクについて十分に説明を受けることが重要です。
Q. 眠れない時はどうすればいいですか?
眠れない時は思い切ってベッドから出ることが重要です。「横になっているだけでも体は休まる」という考えは睡眠医学では否定されています。
ベッドで他の作業をしていると、脳がベッドを「他のことをする場所」と認識してしまい、不眠症が悪化する可能性があります。
理想的にはベッドは睡眠だけのために使い、寝室と他の部屋を分けることが望ましいです。
東京などの住環境では難しい場合もありますが、眠れないと感じたら一度立ち上がって別の場所でリラックスすることをおすすめします。
Q. 朝食は何を食べるべきですか?
朝食は状況に応じて2種類を使い分けるのがおすすめです。
通常時はタンパク質や食物繊維を含むバランスの良い食事、卵などアドレナリンや覚醒を促す食品を摂るといいでしょう。

一方、飲み会の翌日など調子が悪い時は別のメニューが効果的です。プロテインドリンクや消化のいい食品、バナナなどがおすすめです。
バナナに含まれるセロトニンは副交感神経を優位にするため、リラックス効果が期待できます。
野菜ジュースは健康的なイメージがありますが、実際には食物繊維が少なく糖分が多いものが多いため注意が必要です。
市販の野菜ジュースの多くは果物を多く含み、糖分の塊になっていることもあります。
自分でジュースを作る場合、絞った後の繊維質を捨ててしまうと血糖値の上昇が急激になるため、できれば繊維と一緒に摂ることが望ましいです。
Q. 栄養ドリンクやスポーツドリンクは効果的ですか?
栄養ドリンクやスポーツドリンクには砂糖やブドウ糖、カフェインが含まれており、
一時的に眠気を抑え交感神経を高ぶらせる効果がありますが、その後に急激な反動が来ます。
効果が切れると強い疲労感や集中力低下が起こり、また飲みたくなるという悪循環に陥りやすいです。
また、これらの飲料に含まれる糖分は「最終糖化産物(AGEs)」を体内で増加させます。これはキャラメルの焦げたような状態で体内に蓄積され、様々な疾患のリスク因子となります。スポーツや運動後の水分補給には、単純に水を飲むのが最も良いでしょう。
Q. ビタミンやミネラルの不足について気をつけるべきことは?
ビタミンやミネラルの不足は、一般的な健康診断では検査項目に含まれていないため、気づきにくい問題です。
しかし、これらは体内でのエネルギー産生に重要な役割を果たしています。
特にビタミンB群やマグネシウムは、糖質・脂質・タンパク質が体内で代謝される際に必要な酵素の働きをサポートします。
ビタミンDは免疫機能にも関わっています。現代の食生活ではこれらの栄養素が不足しがちで、特に野菜に含まれるビタミン・ミネラル量は昔に比べて減少しています。
プロテインを摂取していても、ビタミンB群が不足していると筋肉の合成が十分に進まないこともあります。
必要に応じてサプリメントで補うことも検討すべきでしょう。
Q. 効果的な運動方法は何ですか?
運動は激しすぎない「疲れない運動」が効果的です。激しい運動は交感神経を優位にし、体の緊張を高めてしまいます。
中等度以下の運動、例えば階段の上り下りや散歩などが理想的です。
特に散歩は、普通の歩行と少し速いペースの歩行を組み合わせる「インターバル速歩」がおすすめです。
これにより足の筋力も少し鍛えられます。目安としては「軽く汗ばむ程度」が適切です。

筋トレについては、特に太ももなど下半身の大きな筋肉を鍛えることが重要です。
高齢者病院でも昔は散歩が推奨されていましたが、最近はスクワットなどの筋トレが導入されています。
人間の筋肉の約2/3は足についているため、まずは足の筋トレから始めるのが効果的です。
モデルの富永愛さんのように、デッドリフトなど背中の筋肉を鍛えることでスタイルを維持している人も多く、
適切な筋トレは女性でも太くなるのではなく引き締まる効果があります。
Q. アンチエイジングと健康の関係はどうなっていますか?
アンチエイジングは単なる美容目的ではなく、加齢に伴う様々な疾患(糖尿病、高血圧、眼の病気など)の予防に繋がります。
「暦年齢」と「臓器別の年齢」を分けて考え、体の年齢を若く保つことが健康寿命を延ばす鍵となります。
予防医療は一次予防(健康増進と疾病予防)、二次予防(健康診断による早期発見)、三次予防(治療による症状の進行防止)に分けられますが、
アンチエイジングは一次予防に当たります。健康維持のために最も重要なのはこの一次予防です。
近年はウェアラブルデバイスなどによりデータ収集が容易になり、どのような生活習慣が健康に良いかの研究が進んでいます。
遺伝的な要因は健康の約半分を占めますが、残りの3~4割は生活習慣で変えられるとされています。
将来的には遺伝子情報に基づいたよりパーソナライズされた健康アドバイスが可能になるでしょう。
「理想の休養法は試して見つける」という姿勢が大切です。
科学的根拠があるものから試し、自分に合うものを見つけていくことで、70代、80代、90代まで元気に活躍することも可能になるでしょう。