健康新常識
目の寿命は60~70年/むき出しの臓器「目」に有害な悪習慣/100歳まで見える目を維持する方法【深作秀春】
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2025年7月6日

健康に関するこれまでの常識を疑い、健康業界のトップランナーが新たな角度から導き出した「新常識」を紹介する番組。第5回は眼科外科医・深作秀春氏が教える「100歳まで見える目を維持する方法」。前編では、むき出しの臓器「目」に有害な悪習慣と、大切に守る方法を解説する。 <ゲスト> 深作秀春 眼科外科医/...
目は60歳が寿命!? 眼科のプロが教える「100歳まで見える目」を維持する方法
私たちの体の中で最も酷使されている臓器のひとつ、「目」。情報の8割から9割は目から入ってくると言われるほど重要な器官だが、その寿命は意外と短い。眼科専門医の深作秀春氏によると、目の寿命はせいぜい60代から70代まで。100年時代と言われる中で、目の寿命を延ばす方法とは何か。

目はむき出しの臓器 - 弱さを知ることが大切
深作氏は「目は意識されにくい臓器」だと指摘する。脳は頭蓋骨に守られているが、目はそうした保護がない「むき出しの臓器」だ。そのため衝撃だけでなく、光や空気、水分などあらゆる外部環境の影響を直接受ける。
「体の他の部分は大したメンテナンスをしなくても70年、80年持ちます。これからは100年の時代と言われていますが、目の寿命はせいぜい60代から70代まで。とても短いのです」

現代では、スマートフォンやタブレットなどのLED光源から発せられる短い波長の光が目に大きな負担をかけている。これらのデバイスを近距離で長時間見続けることで、20年ほど経つと網膜に障害が現れる可能性がある。
「距離が半分になるとエネルギー量は4倍になります。スマホは非常に近くで見るため、目への負担が大きいのです」
目に悪い習慣 - やってはいけない4つのこと
1. 目をこする
花粉症などで目をこする人は多いが、これが網膜剥離の原因になる可能性がある。「1回2回は大した力ではなくても、何千回と繰り返すとプロボクサーのパンチが当たるくらいの衝撃になります」と深作氏。
特に男性は片目だけ網膜が剥がれていても気づかないケースが多い。「両目があるため、片方に異常があっても補完されてしまい、気づかないことがあります」
2. 目のトレーニング
目を上下左右に激しく動かすトレーニング「アイトレ」は避けるべき。「目の中の硝子体という繊維が網膜に枝を張っていて、目を激しく動かすとそれが引っ張られて網膜が破れることがあります」
3. 目を押す
目が疲れたときに眼球を押すと気持ちがいいと感じることがあるが、これも厳禁。眼球に余計な圧力をかけることは避けるべきだ。
4. 長時間のコンタクトレンズ使用
「コンタクトレンズは基本的に目を傷める道具です。50代を過ぎたらやめるべきです」と深作氏。1日最長でも8時間の使用にとどめ、違和感があればすぐに外して眼鏡に切り替えることを推奨している。

子どもの目を守る - スマホ制限と外遊びの重要性
子どもの目の健康については特に注意が必要だ。深作氏によると、6歳から12歳が近視が進む重要な時期。子どもは生まれた時は遠視で、成長とともに眼球が伸びていく。
「眼球はコラーゲン繊維でできていて、紫外線を浴びると繊維が太くなり硬くなります。硬いと伸びにくくなるので、近視になりにくいのです」
昔の子どもたちは外で遊び、太陽光を浴びる機会が多かったが、現代の子どもたちは室内で過ごす時間が長く、近視が急増している。「子どもの場合は紫外線対策をあまり気にしなくて良いです。むしろ、外で遊ぶことを推奨します」
スマホやタブレットの使用時間については厳しい見解を示す。「5〜6歳の子どもには一切スマホを与えないことをお勧めします」。どうしても必要な場合でも1日1時間以内にすべきだという。テレビは距離が離れているため、スマホやタブレットほど有害ではないとのこと。
ブルーライトの脅威
ブルーライト(正確には「ブルーバイオレットライト」)は光の中でも短い波長を持ち、エネルギーが非常に強い。このブルーライトが細胞に与える障害は大きく、長期間浴び続けると黄斑部に影響を与える。
「アメリカの統計によると、加齢黄斑変性の患者が約1,850万人いて、その原因は光だと言われています。日本でもこれから大きな問題になるでしょう」
老眼は20歳から始まっている
意外かもしれないが、老眼は実は20歳を過ぎた頃から始まっている。ただし、実際に「近くが見えにくい」と感じるのは40代以降が一般的だ。
「老眼は目の中の水晶体が硬くなることで起こります。水晶体は年輪のように細胞が増殖して中心に押し込まれ、どんどん硬くなります。これは加齢によって必ず起こることです」
失明原因の第一位は緑内障
日本で失明の原因となる病気の第一位は緑内障で、全体の30%以上を占める。次いで糖尿病性網膜症や網膜色素変性症などが続く。
緑内障は視野が狭くなっていく病気だが、中心視野は最後まで残るため、末期になるまで気づかないことが多い。「男性は特に自覚症状がないまま進行していることが多いです」と深作氏は警告する。

「100歳まで見える目」を保つために
深作氏は「100年視力」という考え方を提唱している。アメリカでは緑内障による失明率が8%まで下がっているのに対し、日本ではまだ30%以上と高い。
「目は100年間使うものという前提で考えることが大切です。適切な予防と治療を行えば、100歳まで良好な視力を保つことは可能です」
目を守るための具体的な方法
1. サングラスを活用する:ただし真っ黒のものではなく、紫外線を100%カットし、特定の波長をカットするように設計された医療用サングラスが理想的。特にゴルフなど屋外で長時間過ごす人には必須。
2. スマホやタブレットの使用時間を制限する:大人も含め、なるべく短時間の使用にとどめる。
3. 定期的な眼科検診を受ける:自覚症状がなくても定期的に検診を受け、早期発見・早期治療を心がける。
4. 本を読む習慣をつける:動画よりも静止画を見る方が目の健康にはよい。
「目は弱いものだという認識を持つことが最も大切です。100年時代を生きるためには、目の寿命を延ばす努力が必要なのです。