
ドナルド・トランプのプロレス的政治スタイルと、一流のハッタリ術
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2025年6月28日
経済の偉人を解説する番組「レジェンド超解説」。第3回はドナルド・トランプ。ビリオネア&大統領に上り詰めた「ハッタリ術」と「プロレス的演出」を、ガクテンソクの奥田修二が解説! <ゲスト> レイザーラモンRG(レイザーラモン/お笑いタレント) https://x.com/rgizubuchi <目次...
トランプ大統領の意外な素顔とプロレス魂
異例の大統領ドナルド・トランプ。不動産王時代、タレント時代、そしてプロレスとの関わりから見る偉人伝。

Q. トランプ大統領は政治家としてどのような点が異例なのでしょうか?
アメリカ史上初めて連邦政府の役職経験がないまま大統領になった人物です。
また、132年ぶりの「帰り咲き大統領」という記録も持っています。

一度落選してから再び当選するというのは、通常非常に難しいこと。
さらに、重罪で有罪判決を受けている状態での初の大統領でもあります。
Q. トランプ大統領の経歴はどのようなものだったのですか?
ニューヨークでドイツ系アメリカ人の父とスコットランド出身の母の間に生まれました。
祖父の代から経営者の家系で、子供の頃は正義感の強いガキ大将だったそうです。
身長は190センチほどあり、素行の悪さから親が軍隊式のミリタリースクールに入れたところ、士官候補生として卒業しました。
その後ペンシルバニア大学で経営学の学士号を取得し、父親の不動産開発会社に入社。25歳という若さで社長になり、36歳の時にはトランプタワーを建設しています。
Q. トランプという名前は珍しいのですか?
アメリカでも8000人以下しかいない珍しい名字です。
この珍しさを活かし、「トランプ」という名前を冠した建物を次々と作ることで、自分のブランドを確立していきました。
Q. バブル崩壊でトランプ氏は経営危機に陥ったそうですが?
不動産ブームの終焉とカジノ経営の失敗で90億ドルもの負債を抱え、破綻の危機に瀕しました。
トランプ・タージマハルというカジノは実際に破綻申請をしています。この時期に最初の妻とも離婚しており、人生の大きな転機となりました。
Q. タレントとしての活動はどのようなものだったのですか?
2004年から「アプレンティス」というリアリティ番組をプロデュース・司会を務め、11年間続く長寿番組となりました。
見習い社員が一人前になるかどうかを追うドキュメンタリー形式の番組で、
成績の悪い参加者に「You're fired!(お前は首だ)」と宣告するのがトランプの決めゼリフでした。
この番組によって「口は悪いが有能な経営者」というイメージを確立し、超人気司会者となったのです。
Q. 政治家に転身したきっかけは何だったのでしょう?
番組の人気絶頂期の2015年に共和党からの出馬を表明しました。
当初は「まさかならないだろう」と言われていましたが、「隠れトランプ」と呼ばれる支持者が多数いたことが判明。
日本でたけし氏や西川きよし氏のような人気タレントが政治家になるようなインパクトがあったと言えます。
知名度の高さが大きなアドバンテージとなりました。
Q. トランプ大統領とプロレスの関係とは?
トランプはプロレスファンであり、実際にリングにも上がった経験があります。
2007年にはWWEというプロレス団体が開催した「バトル・オブ・ザ・ビリオネアーズ」に出場し、プロレス団体社長のマクマホンと対決。
各自がレスラーを立て、負けた方が髪を剃るという企画で、マクマホンが負けました。
実はトランプ大統領の第1期中小企業長官、第2期教育長官にはリンダ・マクマホン(プロレス団体社長の妻)が就任しており、
プロレス界との強いコネクションがあります。
Q. プロレスとトランプの政治スタイルには関連性があるのですか?
非常に密接な関係があります。トランプが活躍していた90年代後半から2000年代のアメリカプロレス界は、
「アティチュード時代」と呼ばれる全盛期でした。
反抗的で挑戦的な姿勢を示す過激で刺激的なエンターテイメントが若者を中心に人気を博していた時代です。
この時代に活躍したトランプを知る若者たちは、今やアメリカの政治を担う40〜50代になっています。
彼らにとってトランプは「強くてかっこいい」イメージがあり、それが熱狂的な支持につながっているのです。
Q. トランプの有名なセリフ「You're fired!」もプロレス由来なのですか?
その通りです。これはプロレス団体社長のマクマホンが、気に入らないレスラーによく言っていたセリフをパクったものです。

マクマホンは傲慢で傍若無人な社長キャラクターを演じていました。
Q. プロレスの演出と政治手法の共通点とは?
マクマホンは自分が悪役になることで団体の求心力を高めました。
他のプロレス団体に選手を引き抜かれないよう、自分が物語の中心になる戦略を取ったのです。
そして、この傍若無人な権力者(マクマホン)に対抗するのは、南部出身の荒くれ者レスラー(スティーブ・オースチン)でした。
現在のトランプの政治スタイルはこれと酷似しています。
富を独占するエリート(民主党など)に対して、南部の庶民の声を代弁する立場を取っているのです。プロレスの構図をそのまま政治に持ち込んでいると言えます。
Q. トランプの政治手法のどこがプロレス的なのですか?
記者会見でのパフォーマンスや交渉の仕方がプロレスのマイクパフォーマンスに似ています。
最初は過激な発言で相手を挑発し、その後「話し合いの余地はある」とほのめかす。これはプロレスの煽りと同じ手法です。

また、プロレスでは勝敗に関わらず全員がキャラを立てて物語を作ります。
トランプも同様に、交渉相手との駆け引きを通じて全員が立場を保てるような「プロレス的交渉」を志向していると考えられます。
Q. 意外なことに、トランプは実際には優しい一面もあるそうですね?
テレビでは激しい言葉を使う一方で、私生活では違う一面があります。
子供の頃にファンだった少年が大きな手術を控えていた時、トランプの決めゼリフ「You're fired!」を言ってほしいと頼まれましたが、
病気の子どもに対して冗談でもそんなことは言えず「君の幸せを祈っている」と優しい言葉をかけたというエピソードがあります。
また酒もタバコもせず、息子にタトゥーを入れないよう諭したり、
人前に出る時は必ずスーツをきちんと着るよう家族に言い聞かせるなど、意外に保守的な価値観の持ち主でもあります。
Q. トランプ大統領の言動をどう理解すれば良いのでしょうか?
トランプは「トランプを演じている」と考えるとわかりやすいでしょう。
エンターテイナーとして、アメリカの根本的な問題(移民問題、人種差別、貿易など)に激しい言葉で注目を集めています。
民主党政権に不満を持つ南部の人々の声を代弁する役割を演じているのです。
プロレスの世界では「荒くれ者が金持ちエリートに立ち向かう」という構図がファンを熱狂させました。
トランプはその構図を政治に持ち込み、自らを「庶民の味方」として演出しているのです。
