PIVOT TALK BUSINESS
7月下旬に政治混乱。株価暴落が起きる
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2025年6月24日

雇用データから見えてくる米国経済の変調とは何か?なぜ7月以降に大きな政治混乱と人手不足が起きる可能性が高いのか?雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏に分析してもらった。 <ゲスト> 海老原嗣生|雇用ジャーナリスト サッチモ代表社員。大正大学客員教授。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクル...
雇用ジャーナリスト流株式投資術 "やばいよ"の直前に仕込めば必ず儲かる
投資の世界で勝ち続けるのは難しいと言われるが、雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏は「絶対負けない戦略」を実践し、近年はほとんど負けていないという。そのカギとなるのが「インデックスファンド」と「BOX圏相場」を活用した手法だ。海老原氏が語る、誰でも実践できる投資テクニックと今後の経済見通しについて紹介する。

Q. 海老原氏はどのような投資戦略を取っているのか?
ここ5〜6年は「絶対負けない戦略」で投資を行っている。使っているのはインデックスファンドだけだ。インデックスファンドは急に上がったり下がったりしても潰れることがない。2倍、3倍のレバレッジ型や、下がれば下がるほど儲かるインバースと呼ばれる商品もある。これらを上手く活用すれば、かなり利益を出すことが可能だ。
最近の相場環境は上下動を繰り返す「BOX圏」と呼ばれる状態が続いている。例えば、日経平均が37,500円から40,000円の間で上下している状況だ。プロの投資家からすると、このような相場は扱いづらいと言われるが、私は逆に素人が投資しやすい環境だと考えている。なぜなら、失敗しても一定の範囲内で戻ってくるからだ。
Q. BOX圏相場での具体的な投資方法は?
BOX圏相場では、完全な上限と下限の間で勝負するのではなく、それより5%ほど内側に勝負レンジを設定するのがコツだ。例えば、37,500円から40,500円のBOX圏であれば、38,500円から39,500円の間を勝負レンジとする。
このレンジの下限を超えたら買い、上限を超えたら売るという単純な戦略を繰り返すだけで、BOX圏が続く限り利益を上げることができる。現在の相場も36,000円から38,500円程度のBOX圏に入っているので、この往復で利益を得ることが可能だ。

一部の投資家は日経平均が40,000円や45,000円を目指すと予想しているが、私はそこまで上昇することはないと考えている。現在の為替レート(144円)でドル建てで見ると、日経平均は既に過去最高値圏にある。景気が悪化している中で史上最高値にいるということは、これ以上上昇する余地は限られている。
Q. 今後の経済見通しについてどう考えているか?
世界経済、特にアメリカ経済については非常に暗い見通しを持っている。中国に対する関税措置は2月4日に始まったが、その影響が実際に市場に出てくるのは約3ヶ月遅れの今頃だ。さらに4月に世界各国に対して課された関税の影響も7月末頃から本格的に現れるだろう。
7月下旬には、関税の影響に加えて、アメリカの政治的混乱も予想される。議会では予算審議が難航しており、共和党内でも対立が起きている。国債発行の上限引き上げが適切に行われないと、アメリカ政府はデフォルト(債務不履行)のリスクに直面する可能性がある。これは過去に一度も起きたことがない事態だ。
7月から8月にかけては、物流の混乱や在庫不足、政治的混迷などが重なり、市場は大きく動揺するだろう。この時期に株価は大幅に下落すると予想している。
Q. なぜFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが難しい状況なのか?
通常であれば、経済に問題が出てきた場合、FRBは利下げを行うことで対応する。しかし、現在はインフレ懸念から簡単に利下げができない状況にある。
関税によって物価が上昇している中では、消費を刺激するような利下げを行うのは難しい。7月末のFOMC(連邦公開市場委員会)では利下げができないだろうし、9月のFOMCでも利下げは難しいかもしれない。
本来であれば、トランプの関税政策がなければ、5月にFRBは利下げを実施していたはずだ。インフレ率も収まっていたからだ。利下げが行われていれば、クレジットカードローンや自動車ローンなどの短期負債の金利が下がり、家計の負担が軽減されていたはずだが、高金利状態が半年以上続くことで、家計の状況はさらに悪化するだろう。
Q. アメリカの家計問題はどれほど深刻なのか?
アメリカの家計債務残高は2015年から1.5〜1.7倍に増加している。ただし、その約7割は住宅ローンだ。2022年までに住宅を購入した人々は低金利で30年固定の住宅ローンを組んでいるため、現在の高インフレ・高金利環境でも比較的安定している。

問題は、クレジットカードや自動車ローン、教育ローンなどの短期負債だ。これらは短期金利の影響を直接受けるため、延滞率が急上昇している。特にクレジットカードの延滞率は危険水準に達しており、今後さらに上昇すると予想される。
また、2022年後半以降に住宅を購入した約12%の人々(約1000万人)は、5%以上の高金利住宅ローンを抱えており、非常に厳しい状況にある。これらの人々は借り換えたくても、そのための資金がない状態だ。
Q. トランプ大統領の関税政策の真の狙いは?
トランプ前大統領が関税政策を推進する最大の理由は、減税のための財源確保だと考えられる。減税政策を実現するためには、その財源が必要であり、関税収入がその役割を果たしている。
しかし、減税政策と国債上限の引き上げが決まった後でなければ、関税を下げることはできない。なぜなら、先に関税を下げると歳入が減少し、国債をさらに発行する必要が生じるからだ。特に共和党内の「フリーダム・コーカス」と呼ばれるグループは、国の借金増加に強く反対しており、トランプ支持者であっても反対票を投じる可能性がある。
このため、8月か9月まで関税は維持されると予想される。そして、その間に市場は大きく動揺するだろう。
Q. 今後の投資戦略としてはどうすればよいか?
7月後半に市場が大きく下落した場合、その後に反発する可能性もあるが、FRBの利下げが行われるまでには、もう一段階の調整があると考えている。つまり、「上がって下がる」という動きを繰り返すだろう。

現在はBOX圏相場が続いているため、このレンジ内での取引を心がけるべきだ。また、「タコ理論」と呼ばれる手法も有効だ。これは、関税の引き上げなど、市場に悪影響を与えるニュースが出た直前に投資して、実際には予想されたほど悪くならなかった時に利益を得る戦略だ。
「やばいよ」と言われる直前に仕込んでおけば、必ず儲かるという原則を忘れないことが重要だ。