
大谷も実践 自己投資としての男性の紫外線対策
「紫外線」から肌と体を守る!知らないと恐ろしい光老化の真実
紫外線による肌ダメージは単なる美容問題ではなく、健康問題でもある。慶田朋子皮膚科専門医が警告する「光老化」の真実と、効果的な紫外線対策について解説する。「上手に戦略的にスキンケアしていかないと、長い人生を全うするのは難しい時代になってきている」という専門家の言葉に、男性も含めた全ての人が耳を傾けるべきだろう。
Q. 「光老化」とは何ですか?

光老化とは、太陽の光によって皮膚と目が受けるダメージや病気のことを指します。皮膚では赤くなってヒリヒリする日焼け、黒くなってくすみやシミが出る、皮膚の老人性いぼができる、シワやたるみが生じるなどの症状が現れます。さらに長期間紫外線を浴び続けると、最終的には光発がんによる皮膚がんを引き起こす可能性もあります。
目の場合は、角膜の炎症、白内障、加齢黄斑変性といった重度な障害が起こることがあります。日本人は昔なら皮膚がんが出る前に寿命を迎えていましたが、人生100年時代となった今、ダメージを受けた皮膚で長く付き合っていかなければならないのです。
Q. 日焼け止めと日傘、どちらが効果的ですか?
紫外線防御効果が高いのは日焼け止めです。日焼け止めは皮膚に最も近いところで紫外線をブロックしてくれる優れたスキンケア用品です。ただし、最も効果的なのは日焼け止めを塗った上で、帽子や日傘、適切な衣類を組み合わせて使用することです。
帽子だけでは反射光もありますし、影になっていない部分もあります。「すっぴんでサングラスと帽子をかぶっているから大丈夫」という考えは誤りです。必ず日焼け止めを基本として、その上で他の紫外線対策を組み合わせるようにしましょう。
Q. 塗る日焼け止めと飲む日焼け止め、どちらが効果的ですか?

紫外線防御効果が高いのは塗る日焼け止めです。最近の高機能な日焼け止めはとても効果が高いので、基本的には塗るタイプを選ぶべきです。ただし、理想的なのは塗る日焼け止めをベースにしながら、飲むタイプも併用することです。飲む日焼け止めだけで十分だと考えるのは誤りです。
Q. SPFやPAとは?

SPFはSun Protection Factorの略で、波長の短いUVB紫外線をどれくらい防ぐかを示す指標です。SPF1は肌の赤みが出始めるまでの時間を表し、人によって異なりますが、約20分と言われています。例えば、SPF5なら、通常20分で日焼けする人が100分まで日焼けを防げることになります。
PAはProtection Grade of UVA(PA値)の略で、波長の長いUVA紫外線に対する防御効果を示します。UVAは真皮に届いてシワやたるみの原因になる紫外線です。PA値は+の数で表され、+から++++までの4段階あります。++++が最も効果が高いことを示します。
日常的には、SPF値もPA値も高いものを選ぶと良いでしょう。ただし、実際の使用では表示された効果を完全に発揮するのは難しいため、実使用でSPF15程度の効果が得られれば、光老化は確実に防げるとされています。
Q. 日焼け止めの正しい塗り方は?
日焼け止めは薄く塗って乾かし、再度薄く塗るという「二度塗り」が基本です。一度に厚く塗るのではなく、板金塗装のように薄く薄く重ねることがポイントです。
手に出す量は大きめのパール粒2〜3個分、あるいは500円玉1個分程度が目安です。まず顔から首まで(女性の場合はデコルテまで)塗り、少し乾いたら再度塗り重ねます。二度塗りをしないとSPF値を高くすることは難しいですが、日常使用では二度塗りで十分です。
製品選びでは、自分に合った使い心地のものを選び、継続して使用することが重要です。「塗らない日焼け止めは効かない」のと同様に「飲まない薬は効かない」という原則があります。男性であれば、白浮きしない透明なタイプで、洋服を汚さない軽やかなものを選ぶと継続しやすいでしょう。
Q. サングラスの色は紫外線防止に関係ありますか?
紫外線防御に有効なサングラスを選ぶ際、レンズの色の濃さはそれほど重要ではありません。薄い色のレンズでも紫外線カット機能があれば効果的です。
昔のサングラスは光をカットするために暗い色が必要でしたが、現在の製品は薄い色でもきちんと有害な光をカットする機能を持っています。むしろ、黒すぎるレンズは目が夜と認識して瞳孔が開いてしまい、かえって太陽光が入りやすくなる問題があります。
現代のサングラスは薄めの茶色、グレー、ブルー、グリーンなどの色が一般的で、どの色を選んでも紫外線カット機能が備わっていれば問題ありません。
Q. 紫外線量は地域や場所によって違いますか?
紫外線量は地域や場所によって大きく異なります。主な要因は以下の通りです:
1. 緯度:赤道に近いほど紫外線量は多くなります
2. 高度:地平から100mごとに紫外線量は1%ずつ増加します
3. 空気の清浄度:空気が綺麗な場所ほど紫外線が届きやすくなります
4. 日照時間:日照時間が長い地域ほど紫外線量が多くなります
北国で曇りや雪が多い地域は紫外線量が少なく、肌が綺麗な人が多い傾向があります。逆に、高地で空気が綺麗な場所や南国に近い地域は日焼けしやすいです。都市部では高層ビルによる日陰が多いため、紫外線対策としては有利です。
Q. 日焼けしてしまった後はどうすればいいですか?
日焼けしてしまった場合の対処法は以下の通りです:
1. 冷やす:濡らしたタオルに保冷剤を仕込んで、皮膚を冷やします。氷だと刺激が強すぎるので、缶飲料やペットボトルで優しく冷やすのも良い方法です。
2. 消炎鎮痛剤を飲む:ひどくヒリヒリする場合は、市販の頭痛薬のような消炎鎮痛剤を飲むと炎症が和らぎます。
3. 保湿する:炎症を起こした後は乾燥が起こりやすいので、シンプルな保湿剤をたっぷり塗ります。この時、新しい製品などを試すのは避け、いつも使用している刺激の少ない保湿剤を選びましょう。
4. 休む:皮膚を休ませることが大切です。十分な睡眠をとりましょう。
5. バランスの良い食事:皮膚の修復に必要な栄養素、特にビタミンA、C、Eを摂取しましょう。ビタミンCは黒くなったメラニンを還元する作用があり、抗酸化剤としても効果的です。
6. さらなる紫外線を避ける:バリアが壊れている状態なので、しばらくは紫外線に当たらないようにしましょう。
Q. スポーツ選手や男性にとっても紫外線対策は重要ですか?
紫外線対策はスポーツ選手や男性にとっても非常に重要です。大谷翔平選手のように日焼け止めを塗ったりラッシュガードを着用したりする選手が増えています。研究によると、日焼け止めを塗って紫外線から肌を守ると、運動パフォーマンスや疲労回復の程度が違うことが分かっています。
日焼けすると免疫が低下し、疲れやすくなり、病気にもかかりやすくなります。そのため、パフォーマンスを向上させたい、疲れにくくしたいという目的でも紫外線対策は有効です。
オーストラリアやニュージーランドでは1980年代から「サンスマートプログラム」という国を挙げた子どもたちを太陽から守るプロジェクトがあり、「ノーハット、ノープレイ」(帽子をかぶらない、日焼け止めを塗らなければ屋外活動に参加できない)というルールが法律で定められています。
何歳からでも紫外線対策を始めるのに遅すぎることはありません。人生100年時代では、40歳や50歳でもまだ人生の半分も終わっていません。若い時から日焼け対策をしている人としていない人では、30代後半になった時の肌の質感や弾力に大きな違いが出てきます。
