PIVOT TALK BUSINESS
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2025年6月21日

7月20日の参院選で最大の争点の一つになるのが、経済政策。物価高、トランプ関税、人口減少などの試練を乗り越えて、いかに日本経済を成長させていくのか?賃上げを実現するのか?経済同友会の新浪剛史代表幹事が各党のトップ・政策担当者に経済政策を問う。 <ゲスト> 岡本三成|公明党 政調会長 東京29区(荒...
現役投資銀行家から政治家に転身した岡本三成・公明党政調会長が、参院選に向けた経済政策の核心と日本経済の課題を語った。経済同友会の新浪剛史代表幹事との対談で展開された議論の要点をQ&A形式でまとめた。

日本経済の活性化にはトップラインの成長が最優先課題だ。個人では給料の額面、企業では売上を伸ばすことが何より重要。減税や給付など様々な政策手法が議論されているが、途中段階の税負担軽減やコスト削減より根本的なことは、経済全体のパイを拡大することだ。景気拡大と個人所得の増加がなければ経済に夢が持てない。
努力が結果に結びつかない状況が続いている点が大きな課題だ。デフレからインフレへの流れに変わり、賃金も上がり始めたが、消費者物価指数(CPI)の上昇率が高く、実質賃金はマイナス1.8%のままだ。また、円安の影響もあって企業経営者のマインドセットが縮小傾向にある。原点に立ち返り、成長に向けてアクセルを踏む姿勢が必要だ。
研究開発減税をさらに深掘りすべきだ。これまで法人税率は下がり、企業業績も良くなってきたが、生み出されたキャッシュフローは配当には回っても賃金増にはつながりにくく、内部留保が増加した。法人税は国際比較するとむしろ引き上げる余地もあるが、投資減税を大幅に拡充し、利益を未来への投資に回す流れを作ることが重要だ。
トップダウンとボトムアップの両面からアプローチが必要だ。

トップダウンでは、例えば10年後に無人化が基本となる自動運転社会を見据えた大胆な発想の転換と予算措置が重要。ボトムアップでは、人件費上昇に伴いIT投資など設備投資のコスト効率が相対的に高まっているため、企業の設備投資を徹底的に後押しし、それに対する減税メリットも提供していくべきだ。
労働流動性が高い分野は賃金も上昇している傾向がある。重要なのは多様な選択肢を提供し、労働者が自分で決められる環境を整えることだ。ただし、必ずしも高賃金の職場に移ることだけが正解ではなく、安定性を重視する選択も尊重されるべき。一方で、成長産業や人材不足の分野には多くの人が移動できるよう、転職コストを下げる労働流動性の向上も必要だ。
働き方改革の本来の目的は、長時間労働の是正によって生産性を高め、賃金を上げることだった。しかし現状では、労働時間短縮が目的化し、生産性向上や賃金増加につながっていない。むしろ労働時間が短くなって給料が下がるケースも発生している。個人の健康を最優先としつつも、もっと柔軟な制度設計が必要だ。例えば、もっと働きたいという労働者の選択肢を増やすような議論を進めるべきだ。
消費税を経済対策として活用するのは非効率だ。一時的な減税より給付の方が事業者の負担も少なく効果的だ。現行の消費税10%は国際的に見て低く、軽減税率8%は同様の制度を持つ国々と比較して高い。たった2%の差のためにこの制度を作ったわけではない。軽減税率は経済政策ではなく福祉政策と位置づけており、可能であれば0%、難しくても3%や5%まで下げたい。ただし恒久的な財源確保と合わせて議論する必要がある。
若い世代でさえ将来に不安を感じる状況は政治の責任だ。社会保障を危険にさらすような議論は若者の不安をさらに増長させるため避けるべきだ。

消費税を含む社会保障財源については、インフレ下で税収が増加傾向にあることも踏まえ、複数の財源をミックスして議論すべきだ。また、日本版政府系ファンド(ソブリンウェルスファンド)の創設も検討しており、新たな財源を育てる発想も重要だ。
基本的には担税力に応じた負担を進めるべきだ。高齢者の中にも資産を多く持つ人がいる一方、若年層でも資産が少ない人がいる。マイナンバーを活用して、まずは金融所得を含めた所得全体を把握し、将来的には資産も考慮した負担の仕組みを検討すべきだ。ただし、国民の政府への信頼感が十分でない現状では段階的に進める必要がある。
予防医療の推進が重要だ。健康な状態を維持することで病院に行く頻度が減り、医療費が抑制され、結果的に社会保険料も下がる好循環を目指すべきだ。がん検診などは早期発見すれば治療の負担も医療費も大幅に抑えられる。健康診断の受診率向上や対象拡大を進め、頻度を増やすことで、一時的には費用が増えても長期的には医療費全体の削減につながる。
中小企業支援の考え方は30年前から変化すべきだ。かつては法人を守ることが地域の雇用を守ることにつながったが、現在の人手不足時代では働く人を守ることが重要になっている。

例えば、後継者不足で廃業の危機にある企業の合併は、以前は大企業による寡占化と捉えられたが、今は同規模の中小企業同士が合併することで固定費を下げ、従業員の賃金を上げることができる。守るべきは法人ではなく、そこで働く一人一人であり、人への投資を重視した支援が必要だ。