
実践 時間デトックス
時間管理の達人に聞く!効率化のキモは「好き嫌い」の自覚とゆるめること
忙しさに追われる日々、時間をうまく使いたいと思いながらも、なかなか理想通りにいかない経験はありませんか?タイムコーディネーターの吉武麻子氏が語る時間管理術は、自分に厳しくするのではなく、むしろ「緩める」ことがポイント。仕事も家事も、あなたらしく取り組むヒントが満載です。

Q: 家事や仕事を効率化するために、家電をうまく活用すべきだと思いますが、どのように考えれば良いでしょうか?
家電は積極的に活用するべきです。家電を購入するときの金額を見るとためらうこともあるかもしれませんが、5年間使うことを考えると、日割りで計算すれば数百円程度。その家電に頼ることで1日30分の時間が生み出せるなら、その30分を自分を満たす時間に使えます。結果として生活の質も向上するでしょう。
ただし、家事が好きな人もいます。例えば、料理をしている時間が自分にとって無になれる好きな時間だという方もいます。そういう場合は、時短のためではなく、楽しく料理できるという目的で家電を活用してください。
Q: 仕事や家事の分担について、どのように決めていくと良いのでしょうか?
自分が好きなことや得意なことからタスクを選んでいくのがおすすめです。多くの場合、嫌いなタスクを押し付け合うのではなく、好きなことから選んでいくとうまくいきます。
例えば、夫婦の場合、タスクをすべて書き出して、互いの好きなものや得意なものから選んでいくと、自然と役割分担ができます。特に家庭は一緒に作り上げていくもので、子どもができるとさらに状況が変わります。そのときに、互いの得意・不得意、好き・嫌いを理解していると、その時々の状況に合わせて臨機応変に対応できます。
このアプローチはビジネスの世界でも有効です。リーダーがチームメンバーの好きなことや得意なことを把握し、適切なタスクを任せることで、メンバーの成長を促すことができます。

Q: 「任せ上手」な人の特徴は何でしょうか?
任せ上手な人は視野が広く、長期的な視点を持っています。短期的には自分がやった方が早いと思っても、将来のことを考えて他の人に任せる判断ができます。
また、任せるスキルは上司だけでなく、部下にも必要です。部下の視点から「ここを変えるとより良くなる」と思っても、自分の力だけでは動かせないことがあります。そんなときに上司に提案し、任せることで組織全体が良くなることもあります。
Q: 若手社員が「仕事ができる上司と比べて自分ができない」と感じる場合、どうすればいいでしょうか?
上司との経験値の差を認識することが大切です。上司は様々な経験を積んできたからこそ、何が必要で何が不要かを判断できるようになりました。あなたもその過程にいることをアピールしながら、「いま勉強中です」という姿勢を示すと良いでしょう。
実は、仕事ができる上司は部下に対して自分と同じレベルを求めているわけではありません。長期的な視点で期待していても、今すぐにはできなくて当然だと理解しています。自分の現在の能力やスキルに対する期待値を下げ、着実に力をつけていくことが大切です。

Q: デジタルツールを活用した時間管理のポイントは何ですか?
デジタルツールは様々な面で活用できます。パソコン自体もそうですが、AIのようなデジタルツールも相談相手になります。ゼロから何かを生み出そうとするとき、つい自分の力だけでやろうとしがちですが、チャットGPTなどを活用して「こういう視点もあるのか」と気づきを得ることで、効率的に作業を進められます。
例えば、タスクを分解するのが面倒だと感じたら、AIに「このタスクを分解してほしい」と依頼することもできます。AIが質問を投げかけてくれて、それに答えるだけでタスクが整理されることもあります。便利な時代なので、こういったツールも積極的に活用すると良いでしょう。
Q: 朝活について、どのように考えればいいですか?
朝活は良いことですが、自分を追い込みすぎないことが大切です。特に時間管理に興味がある人は「朝活が大事」と思いがちですが、そのために無理な早起きをして睡眠時間を削ると、かえってパフォーマンスが下がってしまいます。
「早起きしなければ」という思いから解放されて、起きてからの3時間(脳のゴールデンタイムと言われる活性化する時間)をどう使うかを意識しましょう。無理に3時間早く起きるのではなく、30分でも構わないので、自分に合った朝の時間の使い方を考えてください。

Q: 完璧主義の人が時間管理をうまく行うにはどうすればいいですか?
まず、自分が完璧主義な傾向があることを自覚することが大切です。完璧主義の人は真面目で「ちゃんとやろう」という気持ちが強いので、それ自体は良い特性です。
ただ、多くのことを一度にやろうとせず、一つのことに絞ってフォーカスし、それができたら次に進むという積み重ねの姿勢が効果的です。完璧主義という良い特性が自分を苦しめてしまうのはもったいないので、自分の心地よさを基準に進めることを意識してください。
多くの完璧主義者は「自分はまだまだ」と思いがちで、たくさんのタスクを詰め込みがちです。そうした傾向を理解した上で、一歩引いて考えることが大切です。
Q: 「すぐにやるための20秒ルール」とは何ですか?
人間は基本的に面倒くさがりなので、何かを始めるハードルを下げることが大切です。例えば読書を習慣にしたい場合、本棚から本を取り出すという「20秒」の手間があると、それだけでやらなくなることがあります。
そこで、朝読書する予定なら、自分が朝行く場所に本を置いておく、あるいは1ページだけ読んで途中で止めておくなど、すぐに始められる環境を作っておきましょう。この「20秒ルール」は、習慣化の大きな助けになります。
実際に吉武氏自身も、長年通いたいと思っていたピラティスに通えるようになったのは、この原則を応用したからでした。カフェの近くにあるスタジオを選び、子どもの送迎後にそのまま行ける場所を選ぶなど、自分がやらなくなりそうなパターンを排除することで、習慣化に成功しました。
Q: 「誘惑に勝つための10分ルール」とは何ですか?
集中しているときに、スマホが気になったり、急に掃除したくなったりすることがあります。そんなときは「10分だけ我慢しよう」と決めてみましょう。
ずっと我慢するとハードルが高くなりますが、「あと10分だけ」と区切ることで、その10分が15分、20分と続いていくことがあります。この「10分だけ」という考え方を持っておくだけでも、誘惑に打ち勝つ助けになります。
時間管理は難しく感じるかもしれませんが、自分の好きなこと・嫌いなことを理解し、無理せず少しずつ改善していくことが大切です。こうした小さな工夫の積み重ねが、あなたの生産性とQOL(生活の質)を高めてくれるでしょう。
