
【欧州CL決勝トーナメント展望(前編)】ベスト16の最注目カードは?
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2025年3月1日
3月4日より開始する欧州チャンピオンズリーグの決勝トーナメント。今大会の注目点はどこか?決勝カードと優勝チームはどこか?どの監督と選手に注目すべきか?PIVOT FOOTBALLのレギュラーメンバーに語ってもらった。
チャンピオンズリーグ決勝トーナメント展望!専門家が語る伊藤洋輝の役割と驚きの戦術
サッカーファン待望のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントが3月4日から開幕する。今回は複雑なレギュレーションとカオスな展開が予想される大会について、サッカー専門家の木崎伸也氏、Leothefootball氏、ミムラユウスケ氏に話を聞いた。彼らが注目するのは伊藤洋輝選手の新たな役割、レアル・マドリードの圧倒的な強さ、そして予想外の展開が期待されるカードだ。

Q.今大会の最大の注目点は?
今回のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントは、複雑なレギュレーションが特徴だ。従来のグループステージと異なり、どの相手に勝っても勝ち点は同じ3点で、最後までどのチームが突破するか予測できない状況が続いた。その中で、苦労しながらもチーム作りを進めてきたレアル・マドリードやドルトムントなどが今後強さを発揮するのではないか。
また、プレミアリーグ勢の動向も大きな注目点の一つ。試合数の増加と怪我人の増加により、リバプール以外のプレミアリーグチームは厳しい状況だ。特にアーセナルはチームの核となる選手の離脱により攻撃面で苦戦している。こうした中で、プレミア勢の早期敗退が起これば、これまでとは違った様相のトーナメントになるかもしれない。
日本人選手の活躍も見どころだ。チャンピオンズリーグにおける日本人選手の立ち位置は、選手数で23位、出場時間では22位と、この数年で大きく向上している。近年の日本サッカーのレベルアップがこの数字にも表れており、今大会での日本人選手、特に伊藤洋輝選手の活躍に期待がかかる。

Q. ベスト16で最も注目すべき試合は?
レバークーゼン対バイエルン・ミュンヘンの対決は非常に興味深い。この両チームはブンデスリーガでも対戦し、シャビ・アロンソ監督率いるレバークーゼンがバイエルンを完封する好試合を見せた。アロンソ監督はバイエルン相手に6試合無敗という驚異的な記録を持っており、今回も有利と見られている。
特に注目すべきは両チームの哲学の違いだ。アロンソ監督は昨シーズンのヨーロッパリーグ決勝での敗北を教訓に、より守備的なオプションも取り入れたチーム作りをしている。一方、コンパニ監督率いるバイエルンは自分たちのスタイルを貫く傾向にある。トーナメントでは「勝ち上がるためのサッカー」を志向するアロンソのアプローチが有効かもしれない。
もう一つの注目カードはマドリード・ダービーのレアル・マドリード対アトレティコ・マドリード。現在のレアルは過去数年で最も高い完成度を誇る。エムバペとヴィニシウスが前線で輝き、ベリンガムが加わることでさらに攻撃の選択肢が増えている。また、若手のアセンシオが成長し、ディフェンスラインも安定している。
対するアトレティコはシメオネ監督のもと、闘争心あふれるチーム作りがなされている。レオ氏は「キラキラしたスター集団対シメオネの元に集まったヤンキー達」という表現で両チームの対比を説明。このコントラストがサッカーファン以外にも興味を持たせる物語性を持っている。

Q. 伊藤洋輝選手の役割とは?
伊藤洋輝選手は今大会で最も注目すべき日本人選手だ。バイエルン・ミュンヘンでの彼の役割は非常に興味深い。通常センターバックとして考えられがちな伊藤選手だが、コンパニ監督のもとでは様々なポジションを担っている。ウイングのように上がる時もあれば、トップ下やボランチになることもある。
コンパニ監督はペップ・グアルディオラの流派を受け継ぎ、大柄で技術のあるセンターバックを前線に押し上げるという革新的な使い方をしている。これはグアルディオラがバルセロナで行っていた戦術に通じるものがある。
具体的には、伊藤選手はライン間に入って相手の守備陣形を崩す役割や、セットプレーでの高さを生かした仕事も期待されている。身長188cmの彼は、コーナーキックなどの際に重要な存在になる。また、ビルドアップの際には司令塔としての役割も担っている。
この使い方は日本代表での彼の役割とは大きく異なる。代表では比較的保守的なポジショニングを取ることが多いが、バイエルンではより攻撃的かつ多様な役割を与えられている。これが伊藤選手をより生き生きとプレーさせていると専門家は指摘している。
Q. 大会の決勝カードと優勝予想は?
決勝戦の予想としては、レアル・マドリード対ドルトムントというカードが挙げられた。レアルの圧倒的な戦力とアンチェロッティ監督の統率力は、現在のチャンピオンズリーグ最強のパッケージと言える。エムバペ、ヴィニシウス、ベリンガムという攻撃陣に加え、安定したディフェンスラインを持ち、モドリッチのような経験豊富な選手を途中から投入できる贅沢さがある。
一方のドルトムントは、チェク・エメガが非常に良い働きを見せており、ギラシはチャンピオンズリーグ得点王のトップに立っている。攻撃力のある4人組が決勝まで勝ち上がる可能性があると木崎氏は指摘する。
また、インテル・ミラノという大穴も挙げられた。グループフェーズで8試合1失点という堅守を誇り、ラウタロ・マルティネスのような90分平均得点率が高い選手を擁している。
大会における勝ち残りの条件として、「走れる、戦える、そして選手の質」という三要素が強調された。特にビッグマッチで活躍できるかどうかが、スターと単なる良い選手の差であり、リバプールのサラーとファン・ダイクはそのような「大舞台で輝く星」として評価されている。
Q. 今大会で意外な結果が出るチームは?
アストン・ヴィラは注目に値するチーム。一見中堅クラブに見えるかもしれないが、タレントの質は非常に高い。エメリ監督のサッカーはブロックを組んだり、メンタリティを重視するスタイルで、ビッグクラブの選手が苦手とする戦い方だ。
エメリ監督はラインコントロールをしっかり行い、リスクを抑えたビルドアップやカウンターベースの戦術を採用している。このスタイルは、現在のチームの持つ選手の質と非常に相性が良い。1回戦のクラブ・ブルージュ戦を勝ち抜けば、次に控えるのはリバプールかパリ・サンジェルマン。リバプールとの対戦は厳しいが、パリとの対戦なら、パリがボールを持った時にカウンター主体のアストン・ヴィラの強みが発揮される可能性がある。
バイエルン相手に勝利した実績もあり、エメリ監督のもとで戦術的に洗練されたアストン・ヴィラは意外な結果を出すかもしれない。
また、バルセロナにも可能性がある。ベンフィカとの対戦から始まり、ドルトムントやアタランタとの対戦になっても、戦力的には優位に立てる。下馬評としては、バルセロナが決勝まで行く可能性が高い年と言えるだろう。
最後に、アーセナルも侮れない。現在は怪我人が多く攻撃面で苦戦しているが、守備は安定している。PSV戦では、美しいサッカーにこだわらずに堅実に守り、セットプレーで得点を狙うアプローチが有効かもしれない。坂と鞠躰リが復帰すれば、トロサールを中央に配置する戦術も効果的だとの指摘もあった。
以上、チャンピオンズリーグ決勝トーナメントの展望を専門家の見解を交えてお届けした。試合開始まで待ちきれない。
