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資産の2割はゴールドに投資すべきだ。2030年には5000ドルも
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2025年2月24日

最高値の更新が続くゴールド価格。なぜゴールド価格が上がり続けているのか?このトレンドは続くのか?個人もゴールドを買うべきか?貴金属スペシャリストの池水雄一氏に聞いた。
債券から金への資産シフト!池水雄一「今、個人が持つべき金の割合は20-25%」
個人投資家にとって、不安定な世界情勢や円安傾向が続く中で資産防衛を考える必要が高まっている。従来、ポートフォリオの安定部分は債券が担ってきたが、現在のマーケット環境では見直しが必要かもしれない。貴金属スペシャリストの池水雄一氏が語る「ゴールドの魅力」と投資戦略とは。

Q: 円安の進行で日本人はどんな影響を受けていますか?
円安の流れが続き、日本人の海外における購買力は大きく低下している。コロナ後に初めて海外旅行した人々は、円の価値がどれだけ下がったかを実感している。どこに行っても物価が高く感じるのは、この円安の影響だ。
そのような状況下で、個人資産を守るためには円建てのゴールドを持つことが重要だ。円安が進むと円建てのゴールドの価格は上昇する。さらに、ドル建てのゴールドも同時に強い相場を形成していれば、価格はダブルで上昇することになる。これにより、円の購買力低下に対するヘッジになる。
Q: これまでポートフォリオに組み込んでいた債券の代わりにゴールドを入れるべきですか?
現在の環境では、債券よりもゴールドを選択すべきだ。特に日本の債券は過去10年間、ほとんど意味がなかった。ようやく金利が戻ってきたので、今後は債券を考慮してもいいかもしれないが、ゴールドの優位性は明らかだ。
米国債に関しては、10年物で5%の金利であれば検討する価値がある。これは株でリスクを取る必要がないほどの魅力的な金利水準だ。一方、日本のように長年ゼロ金利やマイナス金利が続いた国では、債券投資はほとんど意味がない状態だった。
Q: 米国株を買うよりもゴールドを買った方がいいのですか?
両方を持つべきだ。株式市場は投資の王道で、企業価値の成長に投資することで配当や株価上昇というリターンが期待できる。
一方、ゴールドは「投資」というよりは「財産」という性格が強い。ゴールド自体は何も生み出さないが、自分が持っている財産の価値を守る「入れ物」としては最高のものだ。例えば、100年前に1キロのゴールドバーを10本持っていれば家が買えたが、現在も10本持っていれば家が買える(現在では約1億5000万円の価値がある)。
このように100年経っても価値が変わらないものはそう多くはない。企業が100年存続することも珍しいことを考えると、財産の20〜25%程度はゴールドにしておくことが望ましい。以前は5〜10%と言われていたが、現在の状況ではもう少し比率を上げてもいいだろう。

Q: ゴールドの特性について教えてください
ゴールドの最大の特徴は「変わらない」ことだ。これは非常に重要な特性だ。銅や鉄、銀などは酸素と反応して酸化し、錆びてしまう。錆びるということは腐るということであり、最終的には土に戻っていく。
しかしゴールドには全くそのような性質がない。ツタンカーメンのゴールドマスクなど、3000年以上前の遺物でも、その形状や光沢がそのまま保存されている。これはゴールドだからこそ可能なことだ。
人間は本能的にゴールドの輝きに惹かれるとも言われている。このような特性を持つゴールドは、世代を超えて価値を維持できる資産なのだ。
Q: ゴールドの相続税はどうなりますか?
ゴールドも財産の一つなので、相続時には時価で評価される。ただし、毎年の贈与税の基礎控除枠(110万円まで)を利用してゴールドを贈与するという方法はある。
なお、ゴールドを購入する際には領収書(インボイス)をしっかり保管しておくことが重要だ。これは相続税とは別の問題だが、将来売却する際に、購入記録がないとみなし課税(約95%という高い税率)で課税されてしまうからだ。
Q: 個人投資家はどのようにゴールドに投資すればいいですか?
積立投資が最も適した方法だ。特に現在のように価格が上昇している市場では、ある時点でまとめて買うのは心理的に難しい。歴史的高値で買うことに躊躇するのは当然だ。
そこで積立投資を活用すれば、機械的に定期的な買い付けができる。相場上昇時は機械的な買いに任せ、大きく下落した時にはスポットで追加購入するという戦略が効果的だ。
例えば昨年は2回スポットで買い増しを行った。1回目は8月の「ブラックマンデー」で日経平均が4000円以上下落した日だ。日曜日のうちに買いたい銘柄と価格をリストアップし、指値注文をマーケットオープン前に出しておいた。2回目は11月の大統領選挙後で、選挙結果が出た直後にゴールドが売られた時だった。このように下落局面をチャンスと捉えて買い増しするのが重要だ。
Q: ゴールド投資に適した商品は何ですか?
コスト面を考えるとETF(上場投資信託)が最も手軽だ。特に三菱UFJ信託銀行が運用している「金の果実」は、最も規模が大きく、価格形成も公正なため分かりやすい。このほか、海外企業が運営するETFもあるが、円建てに換算されているものもあり、若干分かりにくい面もある。
株式投資に慣れていない人にとっては、三菱マテリアルが提供している純金積立や、ゴールドETFに投資する投資信託「純金ファンド」(三菱アセットマネジメント)などが取り組みやすいかもしれない。
円安リスクに備えるためには、為替ヘッジなしのゴールド商品を選ぶべきだ。為替ヘッジには手数料がかかるうえ、円安による恩恵を受けられなくなってしまう。為替ヘッジなしで購入・積立を続ければ、円安リスクに対応しつつ、金の価格上昇によるリターンも期待できる。

Q: 今後のゴールド価格の見通しはどうですか?
2024年末には1オンス3200ドル程度、もしくはそれ以上になると予測している。今年初めに出した予想は平均価格2950ドルだったが、その時点で2600ドル程度だったことを考えると、予想を上回るペースで上昇している。
中期的には、2030年頃には4800〜5000ドル程度になるだろう。ゴールド価格が下落する要因は現時点では考えにくい。トランプ政権はロシア・ウクライナ間の停戦を進めようとしているが、明らかにロシア寄りの姿勢を示しており、イスラエル・ハマス問題でもイスラエル寄りだ。このような偏った形で無理に停戦が実現したとしても、遺恨が残る可能性が高く、世界が平和な状態に戻ることは期待しにくい。
さらに中国は現在、大量のゴールドを購入している。不動産バブルの崩壊や株式市場の不安定さから、中国の投資家にとってゴールド以外に魅力的な投資先が少なくなっている。暗号資産も禁止されているため、ゴールドに資金が流入している状況だ。
市場を見渡しても、ゴールドを大量に売却したい主体は見当たらない。アメリカの著名投資家ウォーレン・バフェット氏はゴールドを保有していないと言われているが、これは「何も生み出さない」ゴールドに投資するよりも、企業の成長に投資する哲学を持っているためだろう。しかし、現在のような不確実性の高い環境では、ポートフォリオの一部をゴールドに配分することは、資産を守るために極めて合理的な判断だと言える。