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タワマンバブルは2025年に崩壊するか?パワーカップルが危ない
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2025年1月20日

高騰が続く都心のマンション価格。今の「家が買えない」状況は今後も続くのか?タワマンバブルに崩壊の萌芽はあるのか?新時代の「住まい選び」は何を重視すべきか?オラガ総研の牧野知弘代表に話を聞いた。 <ゲスト> 牧野知弘|オラガ総研 代表 1959年アメリカ生まれ。東京大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ...
家を買う前に知っておきたい!「住宅ローン地獄」の落とし穴とタワマンバブルの実態
住宅価格が高騰し続ける中、「家が買えない」と嘆く声が増えています。しかし、単に「高い」という理由だけでなく、その背景には複雑な要因があるようです。今回はオラガ総県代表の牧野知弘氏に「家が買えない時代」の真相と、タワーマンション市場の実態について聞きました。

Q. 家が買えない理由は何ですか?
単純に価格が高すぎて、一般の人には手が出ないレベルまで上がってしまったことが主な理由です。特に2022年から2023年にかけての上昇率は驚異的で、約3割も上昇しました。この背景には資材価格の高騰があります。マンション価格の7〜8割は建物代であり、建築費が3〜4年前と比べて約3割上昇したことが価格に直結しています。土地代も約1割上昇しており、これらが複合的に影響して住宅価格が高騰しています。

Q. この価格高騰は都心だけの現象ですか?
必ずしも全国一律というわけではありませんが、地方の主要都市でも同様の傾向が見られます。札幌、仙台、広島、福岡といった地方の代表的な都市では、若い世代を中心に中心市街地に人が集まる「コンパクト化現象」が起きています。かつては郊外の戸建てや親との同居が一般的でしたが、現在は街中のマンション住まいを好む傾向があります。これらの地域でもマンション価格は上昇し、驚くほど売れ行きが好調です。
Q. 新築が買えないので中古市場が活況と聞きますが、実態はどうですか?
住宅購入に占める中古物件の割合は約65%まで上昇し、欧米並みになりました。イギリスでは新築対中古の比率が20対80程度、アメリカも同様です。日本人は新築を好むと言われてきましたが、新築価格が高騰したため、中古物件への抵抗感が薄れてきました。また、現代の若い世代は中古マンションを購入して自分好みにリノベーションするスタイルを好む傾向もあります。新築の画一的なデザインよりも、自分らしい空間を作ることに価値を見出しているのです。


Q. 「住宅ローン地獄」とは何ですか?
簡単に言えば「借りすぎ」の状態です。現在、東京の新築マンションは年収の17〜18倍の価格になっています。この高額な物件を購入するために、低金利と所得税の住宅ローン控除を最大限活用し、無理をして住宅ローンを組む人が増えています。特に変動金利(現在0%台)を選ぶ人が多いのですが、これは短期的には賢い選択でも、長期的には大きなリスクを伴います。
Q. 変動金利は賢い選択ではないのですか?
現状では賢いのですが、35年間変動金利というのはあまり賢明とは言えません。35年という長期間で金利がずっと低いままだと考えるのは、日本が全く成長しないという前提に立っているからです。しかし、世界情勢や日本の立ち位置は時代によって変化します。金利が上がる時期も必ずあるでしょう。
変動金利で住宅ローンを組むなら、せいぜい10年程度の期間を想定するか、金利が2〜3%上昇しても返済できる収入がある人に限るべきです。35年間金利が低いままだと考えるのは非現実的です。
Q. 金利上昇はどれくらい影響するのでしょうか?
例えば、世帯年収1500万円の夫婦が35年ローン、金利2%、ボーナス払いなしで借りられる上限は約9430万円です。これが金利1%上昇すると、月々の返済額が約5万円増加します。年間60万円の負担増です。
年収1500万円からすぐに2000万、3000万円になるような世帯なら問題ないかもしれませんが、目いっぱいのローンを組んで貯金もほとんどない状態だと、月5万円の負担増は非常に厳しいものになります。今年だけでも金利は0.5%上昇する可能性が高く、来年も同様の傾向が続けば、返済困難に陥るケースが増えるでしょう。
Q. 他にも住宅所有者の負担が増える要因はありますか?
マンションの管理費や修繕積立金も上昇傾向にあります。建築費の高騰は新築だけでなく、修繕費用や設備交換費用にも影響します。エレベーターやポンプなどの設備交換費用も大幅に上昇しており、現在の修繕積立金では全く足りない状況になりつつあります。
管理費も人件費上昇の影響で値上がりしています。給料が多少上がったとしても、住宅ローンの返済増、管理費・修繕積立金の値上げ、生活費の上昇などが重なると、家計が圧迫されるケースが増えています。重要なのは、「今を基準に35年間同じ」と考えないことです。
Q. 現在の住宅市場はバブルなのでしょうか?
平成バブル期と現在では状況が異なります。平成バブルでは土地価格が前年比60〜70%も上昇していましたが、現在の土地価格上昇率は5〜10%程度です。一方、新築マンション価格は2〜3割上昇しており、「タワマンバブル」とでも言うべき状況になっています。
平成バブル期は企業が銀行から借り入れて土地を買いあさりましたが、現在は個人投資家や投資法人がマンションに投資しています。つまり、平成バブルが「土地バブル」だったのに対し、現在は「マンションバブル」と言えるでしょう。
Q. タワーマンションが金融商品化しているというのはどういうことですか?
タワーマンション市場には主に4タイプの買い手がいます。
1. 「不労の金持ち」:見栄を張るために高級タワマンに住む人たち
2. 「高齢資産家」:相続税対策として購入する人たち
3. 「投資家」:国内外の投資家が投資目的で購入
4. 「パワーカップル」:共働きで高所得の夫婦
特に投資家の存在が価格に大きな影響を与えています。例えば、円安の影響で外国人投資家がタワマンを購入するケースが増えていますが、実際に賃貸に出してみると期待していた家賃収入が得られないという問題が生じています。3億円で購入したマンションを4%の利回りで貸そうとすると月100万円の家賃になりますが、実際の相場は30万円程度という例もあります。
投資家は利回りを重視するため、期待した収益が得られないと「売り抜け」を考える傾向があります。特に金利上昇や円高になれば、外国人投資家は一斉に売却に動く可能性があります。

Q. 今後タワマンバブルは崩壊するのでしょうか?
崩壊する可能性は十分にあります。特に投資目的で購入した人たちが「損切り」のために売却に動くと、一気に価格が下落する可能性があります。最も気の毒なのは、フルローンでギリギリの返済計画を立てている「パワーカップル」です。物件価格が下落し、借入金額を下回ると経済的には債務超過となり、売却しても住宅ローンが返せないという最悪のシナリオも考えられます。
2030年頃までにタワマンバブルが崩壊する可能性があり、予想よりも早く来るかもしれません。また、2030年以降は23区外や郊外の戸建て住宅も現在よりもはるかに手に入りやすくなるでしょう。現在の小学生世代は、住宅取得で現在のような苦労をすることは基本的になさそうです。
Q. 家を選ぶ際に重要なポイントは何ですか?
エリアや街、土地の価値が住宅選びの最大のポイントです。自分の生き方や考え方に馴染む街・エリアを選び、建物は優先順位の2番目、3番目と考えるべきです。単に会社への通勤だけで住まいを選ぶと、30年後に後悔する可能性があります。
それぞれの街のコンテンツや特性を見極め、自分の価値観や主観に合う街を選ぶことが、最も幸せな住まい方につながるでしょう。