
【2025年超予測:生成AI】世界のAI企業が東京にやってくる【安野貴博×今井翔太】
「2025年のAI競争、日本が中心になる可能性が高い」AI専門家が語る来年の展望
2025年のAI業界はどうなるのか。東京のAI企業誘致の現状や日本発のAI企業の可能性について、AIエンジニアの安野貴博氏とAI研究者の今井翔太氏が語った内容をQ&A形式でお届けする。


Q. 2025年は2024年以上にAIが盛り上がるのか?
間違いなく2025年は2024年以上に生成AIが熱くなる。2024年は予想以上の進化があり、特に動画生成AIの「Sora」の登場は研究者にとっても予想外だった。多くの研究者は「数分以上の動画生成はしばらくできない」と考えていたが、大規模な学習(スケーリング)によって実現してしまった。
Q. 2025年のAI業界の主役は誰になるのか?
現在はOpenAIが主役だが、プレイヤーの数が増えており、知名度の低い企業が突然台頭する可能性も高まっている。長期的に見るとGoogleの方が強くなる可能性がある。現在、精度ランキングではGoogle Geminiが上位に位置している。
Googleはインターネット検索からユーザーの端末まで幅広いプラットフォームを握っており、YouTubeなどの膨大なデータも保有している。課題は「大企業病」をいかに克服するかだが、最近はGeminiの性能向上など、変化の兆しが見えている。
Q. アジアにおいて日本はAI企業の中心になれるのか?
日本がアジアのAI企業の中心になる可能性は非常に高い。米中対立がある中で、日本は良いポジションにいる。シンガポールも強いが、東京はGoogleなどの技術者にとって人気が高い拠点になっている。シリコンバレーのエンジニアたちも東京に来たがっている。
ただし、家族連れの技術者にとってはインターナショナルスクールの数が少ないことが移住のボトルネックになっている。こうした障壁を一つずつ解消していくことが重要だ。

Q. 東京へのAI企業誘致を加速するための政策は?
海外から日本への移住ハードルを下げることが重要だ。現在、ビザ取得のワンストップセンターができるなど改善は進んでいるが、区役所や市役所での手続きは基本的に日本語の紙フォームしかないなど課題も多い。これらを電子化し、生成AIを活用して多言語化するなどの取り組みが必要だ。
税制面では、東京都だけでスタートアップ向け減税などを検討することも実現可能性のあるオプションだ。
Q. 日本発のAI企業(ジャパニーズGAFA)の可能性は?
AIに関しては日本は得意分野であり、良いポジションにいる。「ジャパニーズGAFA」が誕生するとしたら、このタイミングしかないだろう。
ただし、「魚AI」のような東京発のAI企業も、メンバーはシリコンバレー出身者が中心で「完全な日本ネイティブ」とは言えない。本当に日本育ちの人材がAI企業を作り、世界に出ていくことも重要だ。

Q. 生成AIとロボット技術の融合はどうなるのか?
ロボット技術は従来、AIが苦手としてきた分野だが、最近は2つのアプローチで進展がある。
1. 生成AIのスケーリング手法をロボット分野に応用する:ロボットの動作データはネット上に多くないため、まずデータ収集して大規模学習する
2. 既存の生成AI技術をロボットに組み込む:「Physical Intelligence」という企業は洗濯物を畳んだりコーヒーを入れたりするロボットを開発している
日本企業もこの分野で頑張っているが、アメリカの研究が個人戦ではなく大掛かりな集団研究である点に差を感じている研究者もいる。大学の研究チーム運営方法を変える必要があるかもしれない。
Q. 自動運転技術と生成AIの関係は?
自動運転分野でも生成AIは積極的に活用されている。完全に実世界データだけで学習するには限界があるため、生成AIを使って現実世界と同じような空間をシミュレートし、その中で学習させることができる。また、AIが未来の状況を予測して判断に活用することも可能になっている。生成AIは自動運転技術の発展を加速させている。
