
世界の一流が休日に絶対すること&しないこと
世界の一流は休日にこそ本領発揮する!『世界の一流は休日に何をしているのか』
日本人のビジネスパーソンにとって、休日の過ごし方は仕事の生産性や心身の健康に大きく影響する。クロスリバー代表の越川慎司氏によると、世界の一流ビジネスパーソンたちは休日の時間を戦略的に活用し、高いパフォーマンスを発揮しているという。815社17万3000人ものデータ分析に基づいた知見から、休日に何をすべきか、そして何をやめるべきかを解説する。

Q. 日本人のビジネスパーソンは休日をうまく使えていないのですか?
残念ながら多くの日本人ビジネスパーソンは休日を十分に活用できていない。それは労働生産性の低さや、心身を崩す人が増えている現状からも明らかだ。
世界の一流と日本人の大きな違いは、「ワークライフバランス」の捉え方にある。日本人は仕事と私生活を分離して考え、どちらかが充実するとどちらかが犠牲になるという二項対立的な思考をしがちだ。
一方、世界の一流は「ワークライフハーモニー」や「ワークインザライフ」という考え方をしている。仕事は人生の一部であり、仕事と私生活は敵対するものではなく、両方を調和させることが可能だと考えている。
Q. 世界の一流はどのように休日を活用しているのでしょうか?
彼らは「DoMoreWithLess」(限られた時間の中でより多くの成果を残す)という考え方を実践している。その前提として、健康を最優先し、特に睡眠時間の確保を重視している。十分な睡眠を取った上で、残りの時間をいかに効率的に使うかを常に考えているのだ。
また、休日改革のポイントは「やめることを決める」ことだ。金曜日の午後3時に週の振り返りを行い、効果がなかったことや無駄だったことを特定し、翌週からそれをやめるという習慣を持っている。17万3000人のデータによると、このような振り返りを行うだけで、無駄な時間が13%も減少したという結果が出ている。
Q. 金曜日の振り返りがそんなに重要なのはなぜですか?
金曜日の午後3時に振り返りを行う理由は、その時間帯が一週間を俯瞰できる最適なタイミングだからだ。この時間に会議などを入れず、15分でも良いので一週間の活動を振り返ることで、無駄な時間が10%以上見つかるという。
無駄かどうかの基準は「成果」だ。仕事は会社軸で評価されるため、上司や評価者に認められる成果が出たかどうかが重要になる。振り返りを通じて、成果に繋がらなかった活動を特定し、来週からやめる決断をすることで時間を生み出せる。
さらに、この振り返りには「サンデーサンドローム」(日曜の夕方に感じる憂鬱感)を軽減する効果もある。23,000人のアンケート調査によると、振り返りを行った人はサンデーサンドロームになる確率が2.5倍低かったという。これは、月曜日に何をするか、何をやめるかが明確になり、不安やモヤモヤが減るためだ。

Q. デジタルデトックスが大事だと聞きましたが、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?
世界の一流、特に北米のエグゼクティブは「デジタルデトックス」の時間を意識的に作っている。デジタル機器から離れる時間を作ることで、右脳が活性化し、創造性や新しいアイデアが生まれやすくなるのだ。
最も簡単に始められるのは、朝起きてから5分間だけスマホを触らないこと。朝起きてすぐにスマホを触ると自律神経が乱れることが研究で分かっている。代わりに水を飲んだり、ストレッチをしたりするだけで、一日中イライラする時間が減るという。
理想的には、寝室にスマホを持ち込まないことだ。世界の一流は、睡眠の質を高めるためにこのような習慣を徹底している。また、サウナやキャンプが近年人気なのも、デジタル機器から離れる「デジタルデトックス」の時間として機能しているからだと言える。
Q. 創造性を高めるために休日にすべきことは何ですか?
創造性を高めるために重要なのは、普段所属している組織以外から刺激を受けることだ。同質の人間同士で同じ内容の会話ばかりしていては、新しいアイデアは生まれない。
イノベーションについての認識も日本と海外では異なる。日本では「技術革新」と訳されることが多いが、本来は「新結合」(ニューコンビネーション)を意味する。つまり、異なる知見や経験を持つ人たちが交わることで化学反応が起き、それがイノベーションになるという考え方だ。
具体的には、休日に社外のセミナーに参加したり、趣味を通じて様々な職業や背景を持つ人と交流したりすることが効果的。例えばハーレーダビッドソンに乗る仲間の中には医師や僧侶など様々な職業の人がいて、そこから得られる刺激が仕事に活かされることがある。

Q. 自己効力感を高めるためにはどうすれば良いですか?
自己効力感とは「私にはこんな力があった」と気づく感覚のことで、休日にこれを育むことで仕事の生産性も高まる。
最も効果的なのは「挑戦」ではなく「実験」として物事に取り組むこと。挑戦だと成功か失敗かの二択になりがちだが、実験と捉えれば結果に関わらず学びがある。例えば「デジタルデトックスを5分試してみる」「朝ウォーキングをしてみる」など小さな実験を行い、「意外と良かった」と感じられた体験を積み重ねていくのが効果的だ。
世界の一流は、この自己効力感の積み重ねゲームを休日に行っており、それが平日の判断力や自信につながっている。最初は小さな実験からでも、徐々に山登りやトライアスロンなどの大きなチャレンジに発展することもある。

Q. 睡眠の質を高めるためにはどうすれば良いですか?
睡眠は「努力」ではなく「準備」が重要だ。生理学的に最も入眠しやすいのは22時から22時半と言われており、そのために逆算して生活を組み立てると良い。
21時頃は頭が冴える時間帯なので、この時間に頭を使いすぎないことが大切。活字を読んだり、お風呂に入ったりと、頭を使わない活動に切り替えることで、22時半頃には自然と眠くなってくる。
また、入浴は入眠の1時間半前(20時半〜21時頃)、食事は3時間前(19時半頃)に済ませるのが理想的。そのためには仕事は18時には終わらせる必要がある。このように睡眠のために逆算してルーティンを組み立てることが、質の高い睡眠につながる。
さらに、朝の運動も睡眠の質を高める効果がある。太陽光を浴びることでメラトニンというホルモンが分泌され、夜眠りやすくなる。朝30分でも1時間でも、コンビニに行って帰るだけでも効果があるという。
Q. サードプレイスの重要性について教えてください
サードプレイスとは、家庭でも職場でもない「第三の居場所」のことで、世界の一流はこれを大切にしている。自分が所属する組織以外の人々と交流することで刺激を受け、クリエイティビティが高まるからだ。
会社では上下関係や評価する・される関係があるが、サードプレイスではそういった関係性から解放され、純粋に知見や刺激を得ることができる。例えば地元の喫茶店で本を読んだり、ぼーっとしたり、芸術に触れたりする場所を持つことが心の拠り所になる。
特に子育て中の方など時間的制約がある場合も、30分でも良いので近所にそういった場所を作ることで、心理的な余裕が生まれる。
Q. 今日から始められる簡単な休日改革はありますか?
朝起きてから5分間スマホを触らない「モーニングデジタルデトックス」がおすすめだ。水を飲んだり、ストレッチをしたりするだけでも効果がある。これにより自律神経が整い、一日のイライラが減少する。
また、金曜日の午後3時に15分だけでも週の振り返りを行い、効果のなかった活動を特定して「やめる」ことを決める習慣も効果的。この振り返りによって無駄な時間が10%以上削減できるという。
さらに、休日に「ぼーっとする時間」を意識的に作ることも大切。公園でぼーっとするだけでも右脳が活性化し、創造性が高まる。ただし、ダラダラするのではなく「今日は公園でぼーっとする」と自分で決めて行動することが重要だ。これにより「時間自立性」が高まり、自己効力感にもつながる。
