PIVOT TALK HEALTH
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2024年11月26日

投資から健康維持・日々のパフォーマンスまで、ビジネスパーソンに不可欠な医療・健康情報を専門家の解説とともに学ぶ。
認知症の診断を受けた人は自分の状態を知る権利があり、実際に診断を知らされた患者の多くは「知って良かった」と感じている。認知症は進行性の病気であり、心の準備ができることが重要だ。専門医の山田悠史氏に認知症の診断方法や種類、対応法について詳しく聞いた。

認知症を診断するMMSEやMoCAは、医師が質問して終わるものです。血液検査やレントゲン撮影などは必要なく、一連の質問で構成されています。
例えば、紙に描かれた図形を模写してもらったり、時計を描いてもらったりします。「まず円を描いて、その中に数字の1から12まで全部入れてください。そして、時計の針で11時10分を指すように描いてください」といった指示が出されます。
脳の機能が衰えていると、例えば11時10分と言われたときに、10分という数字を見て時計の10を指してしまうといった間違いが見られることがあります。
テストは約20〜30分程度で終わり、基本的に簡単な質問の繰り返しです。引き算をしてもらったり、5つの単語を覚えてもらったりする質問が10〜20問ほど行われます。
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症は原因が全く異なる病気です。MMSEやMoCAのスコアは認知機能の現状を示すだけで、原因を特定するものではありません。
認知症と診断された後、その症状を引き起こしている原因を考えていくのが医師の仕事です。認知症の原因の過半数を占めているのがアルツハイマー病です。それ以外にも、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、血管性認知症などがあります。
症状の現れ方も異なります。アルツハイマー型では、エピソード記憶や作業記憶の障害が初期に現れやすいです。一方、レビー小体型では、幻覚(実際には存在しないものが見える)や、パーキンソン病と同様の手の震えや動かしにくさ、転びやすさなどの症状が出ることがあります。
アルツハイマー病の原因は完全には解明されていません。2024年現在も有効な治療法がないのは、根本的な原因が十分に把握できていないからです。
一説によると、アミロイドβと呼ばれる「脳のゴミ」が蓄積し、それが脳で炎症を引き起こすと考えられています。このゴミが蓄積することで脳が傷つけられるのです。
例えるなら、ゴミが溜まった家にネズミやゴキブリが来て家の柱や壁を噛んで傷つけるようなものです。このアミロイドβの蓄積がアルツハイマー型認知症の原因の一つとして考えられている仮説です。
まず、患者さんに共感することが大切です。暴言などは病気からくる症状なので、攻撃されていると感じるかもしれませんが、本人も望んでそうしているわけではありません。脳が病気に冒されて症状として出ているため、本人も大きなストレスを抱えています。
一人で抱え込まず、自治体のリソースやケースワーカーなど専門家の協力を仰ぐことも重要です。そういった方々は対応に慣れているので、家族だけでは手に負えない場合に頼ることができます。
基本的には本人に伝えるべきです。患者には知る権利があります。実際、認知症を伝えられた患者と伝えられなかった患者を比較すると、伝えられた人の方が生活の質が高く、多くの患者が「知って良かった」「もっと早く知りたかった」と回答しています。
認知症は進行性の病気なので、いずれは自分の変化に気づくことになります。事前に知っていれば心の準備ができますし、医療はチームで行うものなので、本人も家族も医師も一体となって同じ方向を向いて準備していくことができます。
否定するのではなく、共感することが重要です。「どこに見えるの?」といった形で寄り添うことが大切です。
患者はすでに大きなストレスを抱えている状態なので、否定することでさらにストレスを与えると症状が悪化する可能性があります。共感的に対応できそうであれば対応し、難しければ専門家の協力を仰ぐことが大切です。
同様に、年齢を勘違いして話している場合も、その認識を修正しようとするのではなく、まずはその世界に合わせて話すことが良いでしょう。
アルツハイマー型認知症では主に2種類の薬が使われています。1つはコリンエステラーゼ阻害剤、もう1つはメマンチンです。
これらの薬は認知症を完治させるものではありませんが、進行の速度を遅くしたり、生活の質を向上させたり、認知症による死亡リスクを下げたりする効果が期待できます。
レビー小体型認知症でも同様の薬が使われ、特に幻覚などの症状を軽減する効果が期待できます。
ただし、これらの薬には副作用もあります。主に胃腸症状(食欲低下、吐き気、下痢など)と心臓への影響(脈拍数の低下など)が見られることがあります。特に体重が減少し始めたら注意が必要です。
軽度認知障害の段階や健常者がこれらの薬を使用すると、メリットよりも副作用のリスクの方が大きくなる可能性があります。
インターネットで情報を探す場合は、厚生労働省や国立病院、大学病院などの公的機関のウェブサイトを参照することをお勧めします。
かかりつけ医の診断に不安がある場合は、セカンドオピニオンとして神経内科や認知症外来がある医療機関を訪れて意見を求めるのが良いでしょう。
インターネット上には「これで認知症が治った」などの甘い言葉で誘惑するビジネスが多数存在します。認知症は不安を抱える人が多いためビジネスになりやすく、様々な手口で誘惑してくることがあります。そういった情報に騙されないよう注意し、不安があれば直接専門家に相談することが重要です。