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長友佑都 和田毅も実践 ゆるやかな糖質制限
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2024年11月20日

ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。今回のテーマは食後高血糖が起こす糖質疲労。 <ゲスト> 北里大学北里研究所病院 院長補佐 糖尿病センター長 山田 悟 慶應義塾大学卒業後、糖尿病専門医として診療に従事。 糖質制限のトップドクターとして、患者の生活の質を高める 糖質制限食...
「脂質を無制限に取って健康に?最新医学が教える糖質疲労の解消法」
糖質制限の次は「脂質無制限」という考え方が注目されている。長年続いた「油は体に悪い」という常識は間違いだったのか?最新の医学研究に基づく、疲れにくい体づくりの秘訣を解説する。

Q. 糖質疲労とは何か?
食後に眠くなる、午後の会議で集中力が下がる、何となく体がだるい—こうした症状の多くは「糖質疲労」が原因かもしれない。これは食後の血糖値が急上昇し、その後急激に下がることで起こる現象だ。
実は日本人の約半数がこの食後高血糖を経験していると言われる。検診では引っかからなくても、すでに体は悲鳴を上げている可能性がある。これが繰り返されるとドミノ倒しのように不調が連鎖し、最終的には糖尿病などの生活習慣病につながる危険性がある。
Q. アスリートも糖質制限をしているの?
「運動する人は糖質をたくさん取っても大丈夫」という考え方は誤解だ。サッカーの長友選手や野球の和田選手など、トップアスリートでさえ糖質の摂取によって食後の血糖値が急上昇し、パフォーマンスの低下を感じていたという事実がある。
彼らも食後の血糖値を上げないレベルで糖質を制限することでパフォーマンスを向上させている。運動量の多い人だからといって無制限に糖質を摂取できるわけではないのだ。
Q. 「油は控えるべき」という考え方はもう古い?
「油を控えよう」という考え方は完全に覆されつつある。2015年、アメリカの食事摂取基準は38年ぶりに大きく変更され、脂質の摂取制限がなくなった。
タイム誌は1984年に「卵とバターを控えましょう」という記事を掲載していたが、近年では「脂質に対する戦争の終わり」という見出しで「バターを食べなさい」と推奨するまでに変わった。科学的知見の蓄積により、これまでの「脂質=悪」という常識が根本から覆されているのだ。
Q. 脂質を摂ると太るのではないか?
これも大きな誤解だ。実は油を摂取すると、人間の体は油を中心に燃やそうとするため、むしろ痩せやすくなる。さらに、タンパク質や油を摂取すると満腹感を促すホルモンが分泌され、自然と食べ過ぎを防ぐ効果もある。
研究によると、油も控えてカロリー制限する従来の食事法より、糖質だけを控えてタンパク質と油はしっかり摂る食事法の方が、はるかに減量効果が高いことが証明されている。
Q. 油の種類による違いはあるの?
オリーブオイル、魚油、動物性の油など、あらゆる自然な油は基本的に体に良いとされる。研究では、オリーブオイルを週に560cc以上使用するグループは心臓病や脳卒中のリスクが30%減少したという結果も出ている。
特に日本人においては、動物性の飽和脂肪酸を多く摂取している人ほど脳卒中が少ないというデータもある。ごま油などの植物油も問題ない。ただし、古い油や人工的に性質を変えた油は避けるべきだ。
Q. どれくらいの油を摂取すればいいのか?
「無制限」と聞くと不安になるかもしれないが、これは「満腹感に従って」という意味だ。人間は自然な満腹感によって食事量が制御されるため、油を無限に摂取することはできない。
例えば、研究では週に560cc(約1本)のオリーブオイルを摂取することが推奨されているが、実際には一人でこれだけの量を使い切ることは難しい。つまり、「油の食べ過ぎ」は基本的にあり得ないのだ。
Q. 具体的にどんな食事が良いのか?
唐揚げにマヨネーズなど、油が多い食品は実は血糖値の上昇を抑える効果がある。一方、サラダチキンのようにタンパク質はあるが油が少ない食品だけでは不十分だ。
理想的なのは、糖質を適度に制限しながら、タンパク質と油をしっかり摂る食事スタイル。特に日本の和食は油が少ない傾向があるため、意識して油を加えると良い。
1日の糖質摂取量の目安は70〜130gで、一食あたり20〜40g程度に抑えると効果的だ。ただし、嗜好品も人生を豊かにするために必要なので、一日10gくらいは楽しみのために残しておくといい。
Q. 完全に糖質制限をすべきなのか?
ストイックに糖質ゼロを目指すような極端な制限は長続きせず、ほぼ100%リバウンドする可能性がある。健康やパフォーマンス向上には永続性が大切だ。
そのため、適切で緩やかな糖質制限を行うことが重要。これを「ゆる糖質制限」と呼ぶ。特にビジネスパーソンは無理なく続けられる方法を選ぶべきだ。
Q. この食事法で得られる効果は?
血糖値の乱高下を防ぐことで、短期的には疲れにくくなり集中力が向上する。長期的には、糖尿病リスクの低減はもちろん、動脈硬化、認知機能低下、がんリスクなども抑制できる可能性がある。
最終的な目標は「疲れにくく、パフォーマンスが高く、美しい体」を手に入れること。これまでの常識を覆す最新の栄養学に基づいた食事法で、より健康で活力ある毎日を送れるようになるだろう。