
40代で一気に老化する人・しない人【岡田隆】
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2024年9月21日
ビジネスパーソンのための体・心の鍛え方を一流の専門家から学ぶ。健康に良いものとして疑ってこなかったストレッチだが、科学的な根拠はどうなっているのか? <ゲスト> 日本体育大学教授。2012年から2021年まで柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務め、2016年リオデジャネイロオリンピックでは史上初...
「朝タンパク質が大事」「量の良い睡眠を」日体大教授が明かす40代を美しくする10ヶ条
40代は老化が始まる転換期。日々の忙しさに追われ、自分のことを顧みる余裕もない。そんな世代だからこそ、意識的に体をケアすることが重要だ。日本体育大学教授の岡田隆氏が語る「40代を美しくする10ヶ条」から、生活習慣の見直しポイントを紹介する。


Q. 40代はどんな年代なのか?
40代は特に難しい年代で、主に3つの理由がある。1つ目は老化の始まりだ。最近の研究では、人間は44歳と60歳で大きく老化が進むと報告されている。お腹が出てきたり、顔にシワやシミが増えたり、髪がパサついたりする変化が現れる。
2つ目は「突っ込まれにくい世代」であること。マネージャーや役員などの立場にいることが多く、若い世代からすると意見しづらい存在になっている。
3つ目は責任の重さだ。仕事、育児、家庭、場合によっては介護など、様々なことを考えなければならず、自分自身のことを考える時間が減ってくる。
Q. 40代の体づくりで大切なポイントは?
「美しさ」というと表面的な見た目と思われがちだが、実は深い意味がある。進化心理学的に言えば、人が他者を「美しい」と感じるのは、その人が健康で子孫を残す能力が高そうだと無意識に判断するからだ。つまり、本当の美しさとは健康的な体を作ることにつながる。
実際、筋トレなどの運動をすると肌の状態も改善するというデータがある。特に筋トレは肌の厚みを増やす効果があるとされている。運動は外見を直接変える有効な方法の一つだ。
Q. 食事で意識すべきことは?
脂質と食物繊維を見直す
太るか太らないかに影響する栄養素として、脂質と食物繊維に注目すべきだ。脂質はエネルギー源になりやすく、現代の食生活では過剰摂取しがちだ。しかし、完全に排除するのではなく、良質な脂質を適切な量と時間帯で摂ることが大切になる。
例えば、揚げ物が好きな人は、その回数を2/3や1/3に減らすだけでも効果がある。オメガ3脂肪酸を含む青魚やナッツ類、MCTオイルなどの体脂肪になりにくい油に置き換えるのも有効だ。
食物繊維については、1952年から2016年にかけて日本人の摂取量が減少しており、特に穀物由来の食物繊維が顕著に減っている。白米だけでなく、オートミールやスーパー大麦などを取り入れて食物繊維を増やす工夫が必要だ。
タンパク質は定期的に摂取する
体はタンパク質を常に必要としている。筋肉だけでなく、肌、髪、爪など体全体がタンパク質から作られている。筋トレをすると、その後約48時間は筋肉が大きくなろうとする作用が続くため、この間に定期的にタンパク質を摂取すると効果的だ。
また、一度に大量のタンパク質を摂ると消化しきれず、腸内環境を悪化させる可能性がある。例えば、1日70gのタンパク質を摂る場合、朝10g、昼10g、夜50gより、バランスよく分散させた方が良い。
Q. 朝食の重要性とは?
朝こそタンパク質を摂るべきだ。マウス実験では、同じタンパク質量でも朝に摂った方が筋肉の成長が促進されることが示されている。人間の研究でも、朝にタンパク質を多く摂る習慣のある女性は全身の筋肉量が多く、握力も強いという結果が出ている。
現代人は朝食を軽視しがちだが、忙しい朝でもプロテインを1杯飲むだけでもタンパク質補給になる。納豆や卵を組み合わせた和食的な朝食も理想的だ。
Q. 忙しいビジネスパーソンの食事戦略は?
昼食は和食の定食屋や蕎麦屋を見つけておくと良い。蕎麦は食物繊維もタンパク質も摂れるため特におすすめだ。夜は付き合いで避けられない会食もあるが、できるだけ料理を選べるアラカルトのお店を選ぶと良い。
日本の居酒屋は実は「最強の食堂」とも言える。枝豆や刺身、サラダなど、素材の旨みを活かした料理が多く、体作りに有利な食材が揃っている。行きつけの居酒屋を確保しておき、自分の食事内容をある程度コントロールできる環境を作るのが賢明だ。
Q. 睡眠の質を高めるポイントは?
睡眠は質より量が大事
睡眠の質も重要だが、まずは量を確保することから始めるべきだ。睡眠は脳の疲労回復だけでなく、ホルモン分泌や免疫システムなど全ての人間機能を正常化する時間。これが不足すると仕事のパフォーマンスが落ち、健康も損なわれる。
まずは自分がどれだけ睡眠を取れているか測定することから始め、足りていなければ10分でも増やすことを目標にする。いきなり大幅に増やすのは難しいので、少しずつ調整していくのが現実的だ。
睡眠の質を高める環境作り
質を高めるためには、睡眠中に脳への情報入力や脳からの指令出力を減らすことが重要だ。例えば、寝る直前の食事は消化のために脳が働き続けるため避けるべき。夜は脂質を抑え目にし、食事は就寝3時間前までに終わらせるのが理想的だ。
入浴も温まりすぎると交感神経が高まり、寝付きが悪くなる。体温が下がらないと入眠できないため、ぬるめのお湯にするか、入浴と就寝の間に時間を置く方が良い。
寝る直前までスマホやテレビを見るのも避け、脳を徐々に休ませる環境を整えることが大切だ。
Q. いびきと睡眠の関係は?
40代で増えてくるいびきの問題も見逃せない。いびきは気道が狭くなり、呼吸が妨げられている状態だ。ひどくなると睡眠時無呼吸症候群になり、血中酸素が減少して脳の回復を妨げる。
特にお酒を飲むと筋肉が弛緩して気道が狭くなりやすくなる。加齢による皮膚のたるみも影響するため、体型に関わらずいびきが出る人は多い。自分の睡眠状態を知るためにApple Watchなどのデバイスや睡眠専門クリニックの検査キットを利用してみるのも良いだろう。
自分の睡眠環境を整え、睡眠の質を向上させることで、日中のパフォーマンスのブレを減らし、より安定した毎日を過ごせるようになる。
40代という転換期だからこそ、食事と睡眠という基本的な生活習慣を見直し、自分の意思でデザインしていくことが美しさへの道なのだ。
