
アジア最終予選展望:日本の圧倒的な実力と不安
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2024年9月4日
9月5日の中国戦からスタートするW杯のアジア最終予選。圧倒的な実力を持つ日本の予選突破は固いのか?前回大会とは異なる課題と義務とは何か?ミムラユウスケ氏とレオザ氏に聞いた。 <ゲスト> Leo the football|シュワーボ東京監督 1986年福島生まれ。YouTubeのチャンネル登録者数は...
FIFA W杯26 アジア最終予選解説:今回は予選突破の確率99%!?
ワールドカップ2026のアジア最終予選(3次予選)を展望する。今回からレギュレーションが変更され、予選突破の確率は格段に上がった。しかし、日本代表はアウェイでの課題克服が求められる。サッカー専門家の視点から最終予選の展望を探る。
Q. 最終予選のレギュレーション変更点は?
今回から本大会の出場枠が32カ国から48カ国に拡大され、それに伴いアジアの出場枠も4.5枠から8.5枠に増加した。最終予選(正式名称は3次予選)では、これまで12カ国しか出場できなかったが、今回は18カ国が出場する。
各グループの上位2位までが自動出場、3位と4位がプレーオフを戦う形式になっている。強豪国がグループ内に分散されたため、相対的に予選突破の難易度は下がった。
アジアのレベルについては、アジアカップや予選への参加国が増えたことで下位国のレベルは上がっているものの、上位国は大きく変わっていない。そのため、日本代表にとっては比較的余裕を持って戦える最終予選になると考えられる。
Q. 日本代表の予選突破確率はどれくらい?
予選突破の確率は「99%」と言っても過言ではない。サッカーは何が起こるか分からないスポーツだが、日本代表の戦力や新たなレギュレーションを考慮すると、突破できなければ問題があると言える状況だ。
ただし、確実に突破できるという環境下でのプレッシャーもある。アジアカップでも日本は優勝候補だったが、予想外の結果に終わった。選手がこの「勝って当たり前」という状況をどう捉えるかが重要になる。
一部の選手は「ワールドカップ優勝を目指すなら、単に予選を突破するだけでなく、圧倒的な強さを見せなければならない」という意識を持っている。しかし、油断から1つのボールの取り合いを諦めるような状況が生まれると、チーム全体が弱くなる可能性もある。
Q. 今回の最終予選の見どころは?
中国戦では、日本が前回のアジア最終予選初戦でオマーンに敗れた時の監督だったイヴァンコビッチ氏が率いるチームとの対戦が実現する。この「因縁の対決」は注目ポイントだ。
また、インドネシアはかつて日本代表を率いたトルシエ監督のように、U-20、U-23、トップチームを同じ監督が率いている。U-23アジアカップでは韓国代表を破った実績があり、日本対策も期待される。
バーレンとサウジアラビアとの中東アウェイ戦も注目だ。日本は中東のアウェイでは苦戦することが多い。この経験は、北中米で開催される次回ワールドカップを見据えると重要な試金石になる。
Q. 両ウイングに三苫と伊藤純也が揃う日本の攻撃は?
両ウイングに三苫選手と伊藤純也選手が揃うことは楽しみなポイントだ。彼らは世界トップクラスのウイング選手であり、適切に起用されれば「スペイン代表の2倍」のような攻撃力を発揮できる可能性がある。
ただし、これまでの日本代表では、相手が引いて守ってきた時に、この両ウイングにボールが供給されないという課題があった。ウイングが内側に入り過ぎてサイドバックが高い位置を取るパターンや、相手が引いた守備をした際に効果的な攻撃ができないケースがあった。
特に三苫選手は現在、プレミアリーグでも好調で、相手を一人抜くだけでなくチャンスも作り出している。クロスがチームの戦術的な約束事になっている点も注目だ。日本代表ではそのようなサポートは少ないが、三苫選手の能力と相手との力関係の差を考えれば、十分に期待できる。
Q. 前回の最終予選と今回の違いは?
最も大きな違いはウイングの質だ。三苫選手や伊藤純也選手、ドアン選手など、1対1で確実に抜ける選手が揃っている。前回は相手を広げるためにサイドバックが高い位置を取る必要があったが、今回はウイングの個人能力で打開できる可能性が高い。
また、選手の市場価値も大幅に向上している。日本代表の選手の市場価値総額は2億7600万ユーロで、グループ内2位のオーストラリアの8.5倍程度ある。個々の選手の能力差は圧倒的で、これによって戦術的な問題を個人の力で解決できる場面も増えている。
さらに、前回は東京オリンピックが最終予選直前にあり、準備期間が十分に取れなかった。今回はより計画的な準備ができている点も違いだ。
Q. 守備面での不安点はある?
最も懸念されるのはゴールキーパーの鈴木大洋選手だ。パルマに移籍し格が上がったものの、ハイボールの処理やディフェンダーとの連携に課題がある。
これまでの日本代表のキーパーは後方からの安定感を出し続けるタイプが多かったが、鈴木選手は攻撃の起点となるキックの良さや瞬間的なセーブといった強みを持つ異なるタイプだ。アジアカップのようなミスが起きた場合、チーム全体に不安が波及する可能性がある。
ディフェンダーでは、富安選手の欠場があるものの、板倉選手は好調だ。グラートバッハでは押し込まれる展開でもカウンター対応が良く、デュエルでも高評価を得ている。守備ラインの相方として谷口選手か町田選手かという選択肢があるが、まだ板倉選手とのコンビネーションに未知数な部分もある。
Q. 日本代表のロングボール対応の課題は?
日本はロングボール攻撃への対応に苦手意識がある。特に問題なのは、出所(ボールを蹴る選手)へのプレスが十分にかけられていないことだ。
ロングボールを蹴るためには準備が必要だが、日本のプレスが緩いと綺麗に蹴られてしまう。弾道の高いボールは弾き返しにくく、「野球のバッティング」で例えると、まっすぐなボールは打ち返しやすいが、ポップフライのようなボールをホームランするのは難しい。
また、ロングボールへの対応方法がチーム内で統一されていない。出所を抑えられない場合は、後方に密集を作るなど別の対策が必要だが、日本代表はそれができていない。選手同士の話し合いだけで解決しようとする「ボトムアップ型」の問題解決方法にも課題がある。
Q. 中国戦のスコア予想は?
専門家による予想は分かれた。一方は「1-0で日本の勝利」と予想し、相手に点を取られると苦しくなるため、慎重な戦いになると見ている。セットプレーからの得点も期待できる。
もう一方は「4-1で日本の勝利」と予想し、2点取った時点から得点を重ねられると見ている。ただし、相手が日本対策をしっかり行い、日本がペースをつかめなかった場合は「1-2で負ける」という最悪のシナリオもあり得るとしている。
中国はクロスに対する守備が緩いため、伊藤選手が切り込んだ時の三苫選手や久保選手、三苫選手が切り込んだ時の久保選手や伊藤選手、そしてセットプレーからの板倉選手の得点が期待できる。
ホームでの試合ということもあり、前回は新型コロナウイルスの影響で5000人程度だった観客数が、今回は5万人程度になる見込みで、ホームの雰囲気を活かせる点も日本に有利だ。