
才能と努力の限界を超える “体質”のつくり方
「事故」を生きる力に変える思考法 ―計画外のできごとがあ才能を開花させる秘訣
「事故によって才能や努力の限界を超えられる」という考え方があります。ここでいう「事故」とは、予期せぬ出来事や偶然の出会いのこと。作家の近藤康太郎氏は、この「事故」との向き合い方が人生を豊かにする鍵だと語ります。計画外の出来事をどう活かすのか、その思考法を探ります。
Q. 「事故」によって才能や努力の限界を超えられるというのは本当ですか?
事故に合うことで才能や努力の限界を超えられるというのは本当です。ここでいう「事故」とは、自分が計画していなかった人との出会いや予想外の出来事のことです。
私自身、様々な事故に遭遇してきました。例えば、計画していなかった人と出会ったり、予定外の展開になったりすることがよくあります。
そうした事故のおかげで、自分の書くものが変わり、活躍できる場も増えてきました。こうして素晴らしいスタジオに呼んでいただけるのも、完全な「事故」の産物です。元々漁師をしていたことがきっかけでした。
実際に交通事故で死にかけたこともあります。自転車に乗っていてタクシーにはねられ、頭蓋骨が外れて助からないと言われたほどでした。
Q. 「事故」によって才能や努力の限界を超えるとはどういう意味ですか?
自分の能力や考えは大したことがないものです。神様の視点から見れば、大天才もぼんくらも大差ありません。
私もぼんくらですが、一つだけ自分の利点があります。それは「事故に遭いやすい」ということです。変わった人や特別な人との出会いが多いのです。
そうした事故によって、自分では考えもしなかった道に触発されることがあります。「こんなこと考えてなかったのに」という道に引っ張り込まれる感覚です。そういう重力のある人や機会、仕事に当たることが大切なのです。
現在来ている波に素直に乗ることが重要です。自分の勘を働かせて「今波が来ているから素直に乗らなければ」と感じることが大事です。つまり、素直になって時の流れに乗ることが重要だということです。
Q. 「不運」という事故に遭遇したときはどう対処するのがよいですか?
不運という事故に遭遇したときも、それを活かす道があります。例えば、私が百姓として働いていたとき、テーラー(土を掘り返す機械)を近所の人から借りていました。
ある時期から、その人があまり貸したくない様子になってきました。いくつかトラブルがあり、「もうやめてほしい」という雰囲気になったのです。それも一人だけでなく、複数の人から同じような反応がありました。
そのとき「今この方向に風の流れが来ているのではないか」と考えました。人が貸してくれないなら、自分で買おうと思い始めたのです。テーラーを購入するのはなかなかの決断です。本格的な百姓になるということですから。テーラーを買うと苗も探さなければなりません。
そうして苗を探しに行ったら、全く別の道が開けました。「テーラーを自分で買うしかない」「苗も買うしかない」と思ったことで、次々に新しい可能性が見えてきたのです。例えば、食肉おろし業のような予定していなかった仕事ができるようになり、自分が獲ったカモを下北山のフレンチレストランに卸したりするようになりました。
この不運という事故に乗ったことで、新しい道が開けたのです。自分の思い通りにならない人事異動なども同様に、「何か来ているのではないか」と考えることで新たな可能性が見えてくるかもしれません。
Q. 「事故に遭いやすい人」になるにはどうすればいいですか?
事故に遭いやすい人になるには、主に二つの体質を作ることが大切です。
1. 注意散漫であること
2. 無鉄砲であること
例えば、私は自転車事故に遭ったことがありますが、それは酔っ払って注意力が散漫な状態で自転車に乗ったからです。また、タクシーが来るのを見ていながらも「自分が優先だ」と無鉄砲に進んでしまったからです。
もう一つ大事なのは「酔っている」ことです。これは文字通りお酒に酔うことではなく、自分のやっていることを信じ込むことを指します。
私は百姓や猟師をしていますが、それには意味があると信じ込んでいます。資本主義の終わりや資本主義の安楽死といった大きなテーマについても書いていますが、これは単なる話題作りではなく、本当に信じ込んでいるからこそできることなのです。
そうした「酔い」があるからこそ、10年も肉体労働を続けられるのです。そして、それを認めてくれる人も現れます。日本で最も尊敬している思想家が私の活動を認めてくれたこともありました。
これは嘘やネタではなく、本当に信じ込んでいるからこそできることなのです。
Q. 「事故」を大切にするとはどういうことですか?
「事故は大事にしよう」という言葉には深い意味があります。事故とは自分が計画していないことなので、それに遭遇すると自分のステージが上がることがあるのです。
私の場合、元々はライターとして一生を過ごすつもりでした。人前で話したり、講演をしたり、教えたりすることは人生計画にはまったくありませんでした。しかし、ある事故があって、「これは面白そうな事故だから乗ってみよう」と思ったのが、産業講演会でした。それが大きな事故となり、人生が変わりました。
事故に遭うことを大切にし、いくつになっても頭を柔らかくして、注意散漫で無鉄砲で「酔っ払って」いることが大事です。
Q. ビジネスパーソンにとって「酔っている」状態とはどういうものですか?
ビジネスパーソンが「酔っている」状態とは、自分の信念や行動に強く確信を持っている状態のことです。
成功しているビジネスパーソンが「大丈夫」と真顔で言うのを見かけることがありますが、それがまさに「酔っている」状態なのです。自分の取り組みに完全に酔い、信じ込んでいるからこそ、通常では難しいことも成し遂げられるのです。
そうした「酔い」がなければ、大きな挑戦や変革は難しいでしょう。
Q. 最後に読者へのメッセージはありますか?
私の考え方が「強者の思想」だと批判されることがあります。確かに体も大きく、以前は大きな組織にいたこともあるので、そう見られるかもしれません。
しかし実際には、私は非常に貧しい出身で、弱い立場にいました。今では想像できないような貧困の中で育ちました。
それでも「バカになりきって」信じ込んでやってきたら、今はとても幸せな状態になれました。こうしてピンクの部屋に呼んでもらって話をするという幸せを得ることができました。
弱い立場、貧しい立場にいても、自分を信じて行動すれば、幸せをつかむことができるのです。ぜひ、この考え方を取り入れてみてください。
「仕事」「勉強」「遊び」の大三角形で幸せをつかむことができるという考え方も、この本から学んでいただけると嬉しいです。
