
一流コンサルがやっている説得する技術【後編】
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2024年8月14日
元BCG高松智史が解説。炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術「B⚪︎条件」とは? <ゲスト> 高松智史(考えるエンジン代表/コンサルが「マネージャー時代」に学ぶコト 著者) @takamatsusatoshiyoutube 著書はこちら▷https://bit.ly/437d3ET
Pivotの「VS思考」と「B◯条件」で思考の幅を広げて説得力を上げる方法
ビジネスシーンで相手を説得するとき、あなたの立場から「こうすべき」と主張するのではなく、条件を示すことでより効果的に伝わることがある。高松智史が提唱する「VS思考」と「B◯条件」という思考法は、議論を深め、相手を納得させるための実践的な技術だ。
Q. 「答えのないゲーム」と「答えのあるゲーム」の違いは何ですか?
世の中の物事は「答えのあるゲーム」と「答えのないゲーム」に分けられます。多くのビジネスの場面では「答えのないゲーム」が大半を占めています。
「答えのあるゲーム」は正解が明確に存在する問題で、例えば数学の計算問題のようなものです。一方「答えのないゲーム」は、正解が一つに定まらず、状況や価値観によって最適解が変わる問題です。
ビジネスにおける意思決定の多くは「答えのないゲーム」であり、それを「答えのあるゲーム」として扱ってしまうと水掛け論になってしまいます。そのため、「答えのないゲーム」として認識し、複数の選択肢を検討するプロセスを大切にする必要があります。
Q. VS思考とは何ですか?
VS思考とは、物事を考える際に複数の選択肢を並列で検討する思考法です。自分の中で「AかBか」という二択を作り、それぞれのメリット・デメリットを比較検討します。
例えば「サンジャポに出るべきか出ないべきか」という問題があった場合、単に「出るべき」「出ないべき」と主張するのではなく、両方の選択肢について深く考えることで思考が深まります。
VS思考の重要なポイントは、フェアな比較をすることです。自分が望む選択肢に有利になるような不公平な比較ではなく、両方の選択肢を公平に検討することが大切です。
Q. B○条件とは何ですか?その使い方を教えてください。
B○条件とは、VS思考を発展させた説得の技術です。相手と意見が対立した時に、単に自分の意見を主張するのではなく、「こういう条件ならA、こういう条件ならB」という形で条件に基づいた提案をする方法です。
例えば、友人がメディア出演について相談してきた場合、単に「出た方がいい」「出ない方がいい」と言うのではなく、「本業を特集してもらえる場合なら出た方がいいですよ」というように条件を付けて提案します。
B○条件の特徴は以下の通りです:
1. 答えの戦いではなく、条件の戦いにする
2. 相手の置かれた状況や価値観を考慮した提案ができる
3. 水掛け論を避け、建設的な議論ができる
重要なのは、相手のことに直接触れずに条件だけを述べることです。相手に直接言及すると感情的な対立が生じやすくなります。
Q. VS思考とB○条件を実際のビジネスシーンでどう活用できますか?
例えば、野田クリスタルのジムビジネスを例に考えてみましょう。このビジネスの方向性について、以下のようなVSを設定できます:
A: 本職のお笑いに集中できるように、得意の筋トレで稼げる場としてのクリスタルジム
B: 得意の筋トレを通して本職のお笑いのスキルを磨く場としてのジム
この二つの選択肢について深く考え、それぞれのメリット・デメリットを検討します。そして、クライアントに提案する際には、B○条件を使って「こういう状況であれば筋トレで稼ぐことに集中した方がいいですが、こういう状況であれば筋トレを通じてお笑いのスキルを磨く場にした方がいいでしょう」と条件を示して提案します。
これにより、単なる意見の対立ではなく、条件に基づいた建設的な議論ができるようになります。
Q. 思考の質を高めるために重要なことは何ですか?
思考の質を高めるために最も重要なのは「インプット」です。多くの人は考えること自体に重点を置きがちですが、実際には良質なインプットがなければ良い思考はできません。
例えるなら、高級寿司店の寿司がおいしいのは、シェフの技術(考える力)だけでなく、最高級の食材(インプット)があるからです。同様に、ビジネスでも良い情報収集があってこそ良い思考ができます。
実践的な方法としては:
1. 現場に足を運ぶ
2. 複数の情報源から情報を集める
3. 生の声を聞く
例えば、あるビジネスについて考える際には、実際に現場に人を派遣して情報を集めるなど、質の高いインプットを得るための努力が必要です。
Q. VS思考を目標設定にどう活用できますか?
VS思考は目標設定にも活用できます。多くの人は「やりたいこと」だけをリストアップしますが、VS思考では「やりたいこと」と「やらないと決めたこと」の両方を明確にします。
特に重要なのは「やらないと決めたこと」です。限られた時間とリソースの中で、何かを達成するためには何かを犠牲にする必要があります。VS思考を使って「これをやる」「これはやらない」と明確に決めることで、目標への集中力が高まります。
また、目標を立てるタイミングも重要です。年末に慌てて立てるよりも、半年くらい前から考え始めて深く練り上げた目標の方が実現可能性が高まります。
Q. 壁打ちの効果的な方法はありますか?
壁打ち(自分の考えを誰かに話して意見をもらうこと)には3つのタイプがあります:
1. 真正面の壁打ち:相手が基本的に同意してくれる
2. 角度のある壁打ち:相手が別の視点から意見をくれる
3. 超難度の壁打ち:相手が全く異なる視点で意見をくれる
状況に応じて使い分けることが大切です。例えば:
元気がない時は真正面の壁打ちをして自信を取り戻す
新しいアイデアが欲しい時は角度のある壁打ちをする
非連続的な成功を目指す時は超難度の壁打ちをする
壁打ちする相手を意図的に選ぶことで、より効果的なフィードバックを得ることができます。
Q. なぜ「考え方」を技術として捉えることが重要なのですか?
考え方を単なる抽象的な概念ではなく、具体的な「技術」として捉えることが重要です。技術とは、第三者から見て使えているかどうかを判断できるものです。
例えば、VS思考やB○条件は具体的な手順があり、それを実践しているかどうかを客観的に判断できます。これを技術として習得し、意識的に使うことで、思考の質と説得力を高めることができます。
また、言語化できないものは技術として伝達できません。「マインドセット」や「思考法」と言われるものも、具体的な技術として言語化することで、習得し伝えることができるようになります。
