
貯金30万→年商40億のSNS活用術【AMERI VINTAGE 黒石奈央子】
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2026年4月4日
貯金30万円から年商40億円超のアパレルブランド「AMERI VINTAGE」を築いた黒石奈央子氏が、売れ残りゼロの受注販売モデルとユーザーの「買いたい」を生み出す独自戦略を初公開収録で語る。 <ゲスト> 黒石奈央子|B STONE HOLDINGS 代表取締役/ディレクター https://ww...
30万円からの挑戦:Ameri VINTAGE黒石奈央子氏が語る熱狂を生むビジネス哲学
わずか30万円からスタートし、ファッションブランド「Ameri VINTAGE」を立ち上げたCEO黒石奈央子氏。Instagramフォロワー49万人超を誇る人気ブランドをどのように築き上げたのか。資金繰り、在庫リスク、SNS活用術、そして「壁」を「チャンス」に変える経営哲学をQ&A形式で深掘りする。D2Cブランド成功の鍵を握るその思考法に迫る。

Q. わずか30万円という限られた資金から、どのように事業をスタートさせたのですか?
アパレルブランドの立ち上げには通常数千万円が必要とされるが、黒石氏の初期資金は30万円だった。これは実質、ほぼ借金からのスタートを意味する。経営ノウハウを持つパートナーの協力を得てウェブストアの開発などを行い、事業を立ち上げた。当初はヴィンテージ品をメインに、数点のオリジナルアイテムを並べていたが、蓋を開けてみるとオリジナル商品の利益率と反響が予想以上に高かったため、初日からオリジナル中心のブランドへと方向転換を決めたという。
Q. アパレル経営において最大の壁である「在庫リスク」を、どのように乗り越えましたか?

VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)として前職の大手アパレル企業で経営会議に参加していた経験から、黒石氏は在庫リスクがブランドにとって致命傷になることを認識していた。少ない資金でこれを回避するため、当時としては画期的だった「受注販売」システムを導入。これにより、売れ残りの心配なく商品の数を予測・調整できる仕組みを構築した。さらに、展示会には芸能関係者だけでなく一般顧客も招待し、彼らの生の反応から売れ筋や人気の色などを判断することで、より確度の高い商品展開を可能にしている。
Q. ブランド設立10年目で訪れた「成長の壁」を、どのようにチャンスに変えられましたか?
ブランドが10年目を迎えた頃、成長が緩やかになり、人材の入れ替わりも増える時期があった。しかし、黒石氏はこれを会社の限界とは捉えなかった。むしろ、現状打破のための「チャンス」と位置付け、停滞を改革の好機に変える思考法を持っていたという。従業員の離職理由に耳を傾け、会社のステップアップの仕組みを再考することで、新しい風を取り入れ、組織の活性化に繋げた。どんなピンチもビジネスチャンスに繋がるという発想の転換が重要だという。
Q. SNSでの情報発信において、売上を最大化するための工夫は何ですか?

黒石氏にとって、SNSは「最強の無料PRツール」である。広告のように直接的な販売促進は避け、世界観を伝える丁寧なビジュアルと共に情報を発信する。特に力を入れているのは、商品の「発売前」のプロモーションだ。Webサイトの「Coming Soon」機能で未発売商品のリクエスト数を計測し、人気の高まりを可視化。SNSで「完売するかもしれないからリクエストして」と促すことで、顧客の購買意欲を最大限に高め、発売と同時に爆発的な売上を生み出す仕組みを構築している。発売前にどれだけ熱量を高められるかが勝負だと言う。
Q. 顧客の声を大切にしながらも、「デザイン」に関しては意見を反映しない理由を教えてください?
ユーザーのリアルな声は商品の売れ行きを左右するため、取り入れるべき点が多いと黒石氏は考えている。ただし、唯一顧客の声を聞かないのが「デザイン」に関してである。アパレルブランドの役割は、流行を追いかけるのではなく、自ら流行を「創り出す」ことにあるという哲学を持つからだ。顧客の提案は既存のトレンドの延長線上にあることが多い。そのため、誰も見たことのない新しいクリエイティブを提供することこそがブランドの価値であり、プロとしての矜持だと言う。色展開や着丈などの実用的な要素は顧客の意見を参考にすることがあるものの、デザインの根幹はクリエイターの意志を貫いている。
Q. D2Cブランドの成長において、目標設定と経営のペースはどのように考えていますか?
「石橋を叩く」堅実な経営スタイルを貫いている黒石氏。「3年で1億円」のような大きな目標を最初から掲げることはなく、目の前の達成可能な目標を一つずつクリアしていくことを重視している。無理にプレッシャーをかけるより、楽しみながら事業を継続することが、長期的な成功と精神的な安定につながると語る。しかし、同時に売上機会は決して逃さない。「売れた商品」に対しては即座に再入荷の判断を下すなど、貪欲さと迅速な行動力を兼ね備えている点が、持続的な成長の鍵となっている。
Q. コーヒー事業のような「体験型」ビジネスで成功するために重要なことは何だと思いますか?

コーヒーはアパレルのように見た目で判断できる商品ではないため、ECサイトだけではその真価を伝えるのは難しい。来店や購入に繋げるためには「体験」と「空間」の提供が不可欠であると黒石氏は分析する。例えば、ポップアップストアでおしゃれな空間を作り込み、SNSで拡散されるような魅力的なデザインのカップを提供する。顧客が「写真を撮りたい」と思うようなビジュアル面の強化は、来店のきっかけを作る上で極めて重要である。蔦屋書店のように、まず人々が足を運びたくなる場所を提供し、そこで初めてコーヒーの味という本質的な価値が体験され、伝わると考えている。
