
目に良い食べ物・習慣/セルフチェックで病気早期発見/目を100年持たせる休養メソッド【深作秀春】
100歳までよく見える目を手に入れる
人生100年時代と言われる現代において、いつまでも健康な目を維持することは生活の質を左右する重要な要素だ。しかし、多くの人は目の異常に気づかないまま深刻な状態に陥ることがある。特に緑内障は自覚症状がないまま進行し、発見が遅れると取り返しのつかない視力障害を引き起こす。目の健康を守るためには、早期発見と適切なケアが不可欠だ。

知らぬ間に進行する緑内障の恐怖
緑内障は、両目で見ていると気づきにくい病気だ。視野がだんだん狭くなるものの、中心部分の視力は保たれるため、末期まで気づかないことが多い。特に男性は両目で物を見る習慣があるため、片方の目の視野異常に気づきにくい傾向がある。
「両目で見ていると視野がだんだん狭くなるのに気づかない人が多い。特に男性はその傾向が強い」と深作医師は指摘する。一方、女性は化粧をする際に片目ずつ確認する習慣があるため、比較的早く異常に気づくことができるという。
緑内障が末期まで進行すると、視野が極端に狭くなる。しかし、患者自身は「見えている」と感じていることが多く、異常に気づかないのが問題だ。
簡単にできる目の健康チェック法
自分の目の健康状態を確認する簡単な方法として、以下のチェック法がある:
1. 片目ずつのチェック:両目で見るのではなく、片目ずつ交互に物を見て、見え方に差がないか確認する。
2. 指の動きチェック:片目を閉じて、もう片方の目で指の動きを追う。見えない部分がないか確認する。
3. カレンダーを使った視野チェック:カレンダーを30〜40cmの距離に置き、中央の数字を見つめながら、周囲の数字がどこまで見えるかを確認する。
正常な視野であれば、中央の数字を見つめながらも周囲の数字が見えるはずだ。視野に問題がある場合、周囲の数字が見えにくかったり、特定の範囲の数字が全く見えなくなったりする。

また、アムスラーグリッドと呼ばれる格子状の図形を使って黄斑部の異常をチェックする方法もある。中心が黒く見えたり、線が歪んで見えたりする場合は、黄斑部に問題がある可能性が高い。
目の異常を示す危険な兆候
目に異常を感じたら、以下のような症状に特に注意が必要だ:
1. 急激な眼圧上昇:頭が重く感じる症状が現れることがある。深作医師によると、頭痛を訴えて脳外科や神経科を受診し、2ヶ月も入院していたが、実は緑内障だったというケースもあるという。
2. 急に見えなくなる:食事後に突然視界が悪くなり、光や花火のような光が見える場合は、網膜動脈閉塞の可能性がある。この場合、6時間以内に治療を完了しないと失明のリスクが高まる緊急性の高い症状だ。
3. 飛蚊症の急激な増加:目の前を小さな虫や点が飛んでいるように見える飛蚊症が急に増えた場合、網膜に穴が開いた可能性がある。小さな穴ならほとんど問題ないが、大きな穴の場合は網膜剥離につながる恐れがあるため、早期に治療する必要がある。
ブルーベリー神話の真実と目に本当に良い食べ物
ブルーベリーが目に良いという通説は、実は科学的根拠に乏しい「都市伝説」だと深作医師は指摘する。この説は第二次世界大戦中、夜間飛行パイロットがヨーロッパブルーベリー(ビルベリー)のジャムを摂取していたという逸話から広まったが、その後の研究でその効果は否定されている。
実際に目の健康に良いとされる栄養素には以下のようなものがある:
1. ルテインとゼアキサンチン:緑黄色野菜に多く含まれる黄色い色素で、青色光(ブルーライト)を吸収し、目を保護する働きがある。小腸から吸収され、黄斑部に蓄積して保護効果を発揮する。
2. アスタキサンチン:鮭やエビなどに含まれる赤い色素で、細胞の修復に役立つとされる。
3. オメガ3脂肪酸:青魚などに含まれる脂肪酸で、目の健康維持に役立つ。

科学的に効果が確認されているのは、緑黄色野菜に含まれるルテインとゼアキサンチンだ。アメリカ国立保健機構の9万人以上を対象とした追跡調査では、これらの栄養素が加齢黄斑変性の発症を抑える可能性があることが報告されている。
目を休める効果的な方法「10・5・5」
現代人の多くは、スマートフォンやコンピューターなどの近距離作業で目を酷使している。これにより、「調節緊張」と呼ばれる状態になり、目の疲労や「スマホ老眼」の原因となる。
深作医師は、目の疲労を和らげる「10・5・5」という方法を推奨している。
10分ごとに
5秒間
5メートル以上遠くを見る
この方法は、近距離を見続けることで緊張している毛様体筋をリラックスさせる効果がある。アメリカの眼科学会では「20・20・20」(20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)以上遠くを見る)という似た方法が推奨されているという。
「遠くを見るときは、意識して見るのではなく、ぼんやりと見るのがポイント。窓の外の風景や遠くの建物など、できるだけ遠くを見ると効果的」と深作医師はアドバイスする。
ドライアイ対策とマイボーム腺ケア
ドライアイの原因は、一般に考えられている「涙の分泌量の低下」ではなく、実はマイボーム腺と呼ばれる油の分泌腺の機能低下が主な原因だという。国際学会でも、涙の分泌量低下が原因となるのは全体の5%程度にすぎないと指摘されている。
マイボーム腺ケアの簡単な方法としては、まず目を温めて油を柔らかくし、次に上下のまぶたを軽くつまんでマッサージすることで油の流れを促進する。このとき、目を直接押さないように注意が必要だ。

また、目の疲労回復には、お湯で絞ったタオルを目の上に置き、目を閉じて休ませることも効果的。これにより血流が良くなり、疲労回復に役立つ。
100歳までよく見える目を目指すために
100歳まで健康な目を維持するためには、「早期発見、早期治療」が最も重要だと深作医師は強調する。医学の進歩により100歳まで生きることは現実的になってきたが、目は自然な加齢とともに様々な問題が生じる。
白内障や緑内障、網膜疾患などは、早期に発見して治療すれば良好な視力を維持できる可能性が高い。例えば網膜剥離の場合、初期段階であれば1ヶ月以内に手術をすれば完全に回復する可能性があるという。
「適切な医師選びも重要。定期的な検診で視神経の状態をチェックし、異常があれば専門医に相談することが大切」と深作医師はアドバイスする。
また、子どもの目の健康も考慮すべきだ。スマートフォンやタブレットなどの画面を長時間見続けることは目に負担をかける。子どもの将来を考えると、画面を見る時間を制限し、屋外で遊ぶ時間を増やすことが推奨される。
100歳までよく見える目を手に入れるための新常識は、早期発見・早期治療、適切な栄養摂取、目の休息、そして正しいケア方法を知ることだ。これらを日常生活に取り入れることで、生涯にわたって健康な目を維持することができるだろう。
