維新幹部が自己採点:高市政権の政策はどれだけ進んだのか?

高市政権発足から1年が経過した。維新と締結した連立合意書の中で、どれくらい政策が実現したのか?日本維新の会の阿部圭史・幹事長代行に自己採点してもらった。 <ゲスト> 阿部圭史|日本維新の会 衆議院議員 北海道大学医学部卒業。2013年に厚生労働省に入省。米ジョージタウン大学へ留学経験を持ち、WHO...
高市政権発足1年で政策はどこまで進んだのか?自維連立合意の達成度と岩盤改革の現在地
選挙時に華々しく掲げられた公約が、政権発足後にどれだけ履行されたかを客観的に検証する機会は極めて少ない。
政治の世界では長年、言ったきりで放置される公約が横行してきたが、自民党と日本維新の会による高市政権下の連立合意書は、その慣習を打破すべく民間契約書のように詳細な進捗管理が進められている。
国家観や安全保障観を共有した両党が結んだ合意は12領域48項目、通称「12本の矢」に及び、発足1年で全体の61%を達成したとされる。
戦後80年および失われた30年の積み残し課題を一挙に解決すべく動く政権の実態と、各政策領域の現在地を多角的に掘り下げる。

Q. 高市政権と日本維新の会が結んだ連立合意は、従来の政策合意と何が根本的に異なるのか?
最大の相違点は、連立合意書を民間企業における契約書と同等に扱い、進捗状況を日常的に追跡・開示している点である。
従来の政治では公約を掲げても事後検証がほとんど行われず、形骸化することが常態化していた。
これに対し、現在の枠組みでは党内の履行調整会議や与党実務者会議を通じて、合意事項が確実に法案や予算に反映されているかを常時トラッキングしている。
上場企業が株主に業績予想の進捗を報告するIR活動と同様に、未達の項目も含めて国民に公開するポリシーコミュニケーションを徹底している。

また、掲げられた12領域48項目に対して優先順位を設けていない点も大きな特徴である。
単一の政策領域だけを突破しても国家全体は前進しないため、すべての項目を総合的かつ並行して推進する方針をとっている。
各項目の達成度を数値化して算出した結果、発足1年で61%という極めて高い水準に到達した。
前の国会における政府提出法案の成立率が100%を記録したことからも、強固な実行力がうかがえる。
Q. 国民生活に直結する経済財政政策や減税措置の進捗状況はどうなっているのか?
経済財政分野では、物価高対策とインフレ対応型経済への転換を目指した具体的施策が先行して完了している。
長年議論が続いていたガソリン税の暫定税率廃止が断行されたほか、電気・ガス料金の補助を盛り込んだ補正予算も迅速に成立した。
加えて、租税特別措置や高額補助金の無駄を総点検する日本版DOGE(政府効率化局)の立ち上げも早期に実現している。
従来の一律現金給付のようなばらまき策は即座に撤廃され、制度改革による実質可処分所得の向上へ舵が切られた。
現在の焦点となっているのが、飲食料品を対象とする2年間の消費税免除と給付付き税額控除の法制化である。
これらは今国会での法案成立を目指して制度設計の大詰めを迎えており、実現すれば家計への強力な下支えとなる。
消費税減税に対しては賛否両論が存在するものの、公約として国民に提示した以上は完遂するのが政治家の責任であるという立場を貫いている。
Q. 現役世代の負担軽減を目指す社会保障改革と、国家の根幹に関わる皇室・憲法改正はどう動いているのか?
連立合意書の中で最も分厚い記述が割かれている社会保障分野では、急増する費用の抑制と世代間公平の実現が進む。
市販薬で代替可能なOTC類似薬の保険給付見直し法案がすでに成立したほか、医療費の窓口負担を年齢に関わらず能力に応じて原則3割とする改革案の議論が本格化している。
20年前と比較して健康寿命が延伸した実態に合わせ、高齢者の定義そのものを見直す議論も進展している。
社会保障改革13項目の骨子合意を経て、年度末に向けた具体的制度設計の具現化フェーズに入っている。
皇室および憲法分野でも歴史的な進展が見られる。
皇統維持に向けた喫緊の課題に対し、旧宮家の男系男子孫の養子縁組による皇籍復帰を優先する皇室典範改正が早期に成立した。
憲法改正については、自維両党の条文起草協議会が10回以上開催され、9条および緊急事態条項の合同条文案作成が進展している。
野党の抵抗により国会内の常設委員会設置には課題が残るものの、高市首相の任期中の発議を目指した実務作業が着実に積み重ねられている。
Q. 外交・安全保障、インテリジェンス、エネルギー分野における具体的な成果と今後の展望はどのようなものか?

外交・安全保障では外務省への和平調停部署の新設が完了し、年末の戦略3文書前倒し改定に向けて防衛力強化の詰めの協議が行われている。
インテリジェンス分野では、国家情報会議の設置法が成立し、内閣情報調査室が国家情報局へと格上げされた。
令和9年度末までの対外情報庁設立や情報活動基本法の制定に向け、戦後80年間放置されてきた情報機関の機能不全を根本から刷新する体制が整いつつある。
能動的サイバー防御法(ACD)の運用強化や南西諸島の海底ケーブル網の複線化など、有事の通信遮断に備えるインフラ強靭化も急務として進められている。
エネルギー政策では、AI普及に伴う爆発的な電力需要に対応するため、原子力発電所の再稼働と次世代革新炉(SMR)の開発推進が明確に位置づけられている。
一方で、森林伐採や土砂災害を引き起こす不適切なメガソーラーに対しては、国土保全を最優先とする包括的な開発規制パッケージが執行された。
再エネの推進と自然保護の調和を図りつつ、安定安価な電力基盤を死守するリアリズムに基づいたエネルギーミックスが追求されている。
Q. 人口・外国人政策の厳格化と、ユーザー目線に立つ教育無償化にはどのような意図があるのか?
外国人政策においては、内閣に司令塔となる人口戦略本部が設置され、欧州の事例を教訓とした総量規制(量的マネジメント)の導入が進む。
外国人比率が過度に高まった際の社会的摩擦を未然に防ぐため、明確な受入上限や基本方針の策定が進められている。
制度の悪用に対しても厳格に対処しており、ホテルの仮住所を利用した運転免許取得の抜け穴を塞ぎ、永住許可審査の厳格化を断行した。
さらに日本版CFIUSの法制化により、自衛隊施設や原発周辺などの安全保障上重要な土地が外国資本に買収されるリスクを法的に遮断した。
教育分野では高校授業料や小学校給食費の無償化が進められているが、その根底には公私平等の思想が存在する。
公立か私立かという供給側の枠組みではなく、生徒や保護者というユーザー目線に立ち、金銭的制約を取り払って学校間を健全に競争させる狙いがある。
あわせて定員割れや留学生頼みの低質な大学の規模適正化を進め、浮いた資源を基礎研究を支える科研費の大幅拡充へと振り分ける改革が進んでいる。
Q. 副首都構想による統治機構改革と議員定数削減、そして規制改革が目指す国家像とは何か?

統治機構改革では副首都法案が成立し、札幌、名古屋、大阪、福岡の4都市が首都機能バックアップの候補として浮上した。
首都直下地震などの有事に三権中枢や金融機能が麻痺する事態を回避する危機管理に加え、東京一極集中を打破してドイツや米国のような多極分散型経済圏を形成する攻めの狙いを持つ。
この拠点を核に地方への大胆な権限移譲を進め、将来的な道州制への足がかりを築く構想である。
政治改革では、自民・維新・国民の3党合意により戦後最大幅となる衆議院31議席削減が合意され、増税前に身を切る改革を果たす信義則が示された。
経済成長の起爆剤として位置づけられる規制改革では、維新から入閣した担当大臣を中心に3つの新機軸が掲げられている。
経済を萎縮させてきたゼロリスク信仰を脱却する「事前規制から事後取締へ」、妥協を排して目指すべき未来から逆算する「業界調整型から理想社会実現型へ」、そして業界の利権を飛び越える「陳情受付型から国民ファースト型へ」の転換である。
過疎地の移動手段を確保する自動運転の社会実装などに代表されるように、生活者の利益を最優先する岩盤規制の撤廃が日本経済の潜在成長率を引き上げる鍵を握っている。