PIVOT TALK BUSINESS
話が浅い人の特徴とは?
(880)
3.5万回視聴
2026年7月6日

コミュニケーションは才能ではなく、誰でも習得可能な「技術」である。コンサルタントが実践する、成果を出すための「真の対話」と、人間関係を保つ「上辺の対話」の使い分けを徹底解説。「嫌いな人」と仕事をする極意や、可愛がられる部下の質問術など、明日から使える実践的な知見をお届けする。 <ゲスト> 安達裕哉...
魅力を引き出す「コンサル流コミュニケーション術」:成果と信頼を築く8つの秘訣
現代ビジネスにおいて、コミュニケーション能力は成功の鍵とされてきた。しかし、「話し方」のテクニックを学んでも、なぜかうまくいかない、という経験はないだろうか。本稿では、コンサルタントが実践する独自のコミュニケーション術をQ&A形式で深掘りする。表面的な会話スキルでは見落とされがちな本質を探り、相手に本当に「伝わる」ための実践的な秘訣をコミュニケーション戦略のプロ、安達裕哉氏が紹介する。

Q. 成果に繋がるコミュニケーションと人間関係のためのコミュニケーションはどう使い分けるべきか?
コミュニケーションには成果達成を目的とするものと、人間関係維持を目的とするものがある。この二つを明確に区別し、状況に応じて使い分けるのが基本だ。
挨拶や雑談のような関係維持型コミュニケーションは、内容がなくとも潤滑油として機能する。しかし、相手に具体的な行動を促したり、利害を調整したりする場面では、より高度な成果達成型コミュニケーションが必要となる。
両者を混同すると、人間関係がぎこちなくなったり、目標が達成されなかったりする。すべての場面で万能なテクニックは存在しないため、場に合わせた柔軟なアプローチを身につけることが重要だ。家族やプライベートな関係で常にビジネスライクな対話を試みれば、精神的に疲弊するだけだろう。
Q. ビジネスコミュニケーションにおいて自己紹介がなぜ重要なのか?
コミュニケーションにおいて、話の内容以上に「誰が言ったか」は大きな影響力を持つ。セミナーやプレゼンテーションでは、自己紹介を丁寧に行うか否かで、聞き手の話の受容度や全体の満足度が大きく異なるという実験結果もある。

聞き手は話し手に対し、「プロの意見が聞きたい」「人間味のある人から聞きたい」といった潜在的な期待を抱くものだ。自分が何者であるかを明確にし、相手に信頼性や魅力を感じてもらうことで、その後の話はより「伝わる」ものとなる。
単に氏名を告げるだけでなく、フルネームで名乗り、自身の背景や人柄を示すことで、相手との間にポジティブな接点を作り出すのが賢明である。自己紹介は侮ってはいけない、話を聞いてもらうための重要なプロセスだ。
Q. 「話が浅い」と評されないために必要な思考法とは何か?
「話が浅い」と聞くと、内容がないことを指すと考えがちだ。しかし、コンサルティングの世界で「深い話」と認識されるのは、一つの事柄が様々な知識と関連付けられている時である。歴史、データ、他分野の知見など、多角的な視点から物事を語ることで、話は奥深く、説得力を増す。これは一見関係なさそうな事柄に繋がりを見出す「教養」の力と捉えられるだろう。
逆に「〇〇さんが言っていた」と、情報源が単一で背景知識に乏しい話は、「受け売り」とみなされ「浅い」印象を与えやすい。自分の話を深めたいなら、一つのテーマを多面的に調査し、様々な知識と関連付けて語る意識を持つべきだ。
Q. 部下の質問に「自分で考えろ」と突き放さず、成長を促すコミュニケーションとは?
「自分で考えろ」と言われがちな部下の質問と、上司がつい答えてしまう質問には明確な違いがある。前者は「自分が分からないから教えてほしい」という自分本位な質問であり、コミュニケーションの軸が「自分」にある。一方、後者の質問は、「相手がどう答えやすいか」「相手の時間を奪わないか」といった「相手軸」で構成されている。質問の際に相手への配慮を示すことで、たとえ質問が稚拙でも「可愛い奴だ」と許されやすくなるのだ。

優秀な上司は、部下が混乱した質問をした場合でも、ホワイトボードを使って論点を整理し、「結局、君が聞きたいのはこれではないか?」と促す。これにより、部下自身に答えを見つけさせ、自己解決能力の向上に繋げる。このアプローチは顧客対応にも応用でき、相手の要望を整理してあげることで、高い信頼関係を築くことが可能になるだろう。
Q. 相手への好き嫌いといった感情と意見の正しさをどう切り離すべきか?
仕事において、感情と評価を切り離すことはプロフェッショナルとして不可欠だ。特に「あの人は嫌いだが、言っていることは正しい」と判断できるのが、一人前とされる状態である。「ムカつく相手」からマウントを取られたと感じても、感情的に反論する前に、まず「自分は今、イライラしている」と客観的に自己認識するのが第一歩だ。
さらに「なぜこの話にイライラするのか?」と深掘りすれば、多くの場合その根源に「相手への嫉妬」が潜んでいることに気づくだろう。自身の感情の正体を理解できれば、相手を客観的に見られるようになり、「この人も自慢したいだけなんだな」と可愛らしくさえ思えてくるものだ。感情に流されず、冷静な判断を保つこの能力は、特にリーダーシップを発揮する上で非常に重要となる。嫉妬心をうまくコントロールできる人材こそが出世していく傾向がある。
Q. 上司やコンサルタントがアドバイスを避けるべきだとされるのはなぜか?
コンサルタントは入社時に「アドバイスするな」と教わる。人が何か困り事を話すとき、多くの場合求めているのは解決策ではなく、話を聞いてもらうことや共感であることが少なくない。安易なアドバイスは相手の自己解決の機会を奪うだけでなく、「求めていないのに余計なことを言う人」という印象を与えかねない。

上司も部下からの相談に対して、「今どういう状況か?」「どうしたいと考えているか?」と問いかけ、部下自身に状況整理や解決策の考案を促すべきである。本当にアドバイスが求められるのは「〇〇さんの意見を聞かせてほしい」と明確に要求された時だけだ。それ以外は、傾聴に徹することで相手の自律的な成長を支援し、真の信頼関係を構築することに繋がる。アドバイスが持つ真の価値は、それが求められた瞬間にのみ生まれるのだ。
Q. 顧客が語る「課題」が本物かどうかを見極める具体的な方法は?
顧客が提示する課題が、必ずしも優先的に取り組むべき「本物の課題」とは限らない。コンサルタントにとって、表面的な課題ではなく真の課題を見抜く能力は極めて重要である。そのための簡単なチェック方法がある。それは「その課題解決のために、現在どのような具体的な手を打っていますか?」と尋ねることだ。

もし顧客がその課題に対し、すでに予算やエース級の人材を投入しているのなら、それは真剣に取り組むべき「本物の課題」と判断できる。しかし、「まだ何も取り組んでいない」「検討中だ」といった返答であれば、それは単なる願望や不平に過ぎない可能性が高い。このような偽の課題に時間や労力を費やしても、意味のある成果には繋がりづらい。この確認プロセスを通じて、限られたリソースを真に重要な問題に集中させることが可能になるだろう。
Q. コミュニケーション能力は、先天的な才能ではなく後天的に習得可能な技術と言えるのか?
コミュニケーション能力は、一部の天才だけが持ちうる特別な才能ではない。それは、地味な努力と手順を踏むことで誰でも習得し、向上させることができる「技術」である。その本質は「相手の考えや感情を推し量る手間」を惜しまないことにある。難解なテクニックのように見えるが、実際は個々の手続きの集合であり、一つずつ確実に実践すれば効果は表れるだろう。
一人一人がこの「相手軸」を理解し実践することで、仕事は格段にスムーズになる。さらに、このスキルは個人に留まらず、組織全体で共有され実践されることが重要だ。全員が「伝わる」ためのコミュニケーションを心がける企業は、強い生産性を発揮し、競争優位を築ける。悲観することなく、日々のコミュニケーションで「相手軸」を意識した小さな努力を続けることが、確実な成長に繋がるのだ。