PIVOT TALK FOOTBALL
チュニジア戦圧勝レビュー
(730)
1.3万回視聴
2026年6月21日

6/21(日) 18時半から生配信で、W杯サッカー日本代表の第二戦、チュニジア戦をレビューしました。 これは、アーカイブ映像です。 【訂正とお詫び】 動画内にて使用している日本フォーメーション図、「伊東選手」の表記に誤りがございました。 お詫びして訂正いたします。 MF:伊藤 → 伊東 純也選手...
日本代表、チュニジアに圧勝!戦術、選手起用、チーム哲学で読み解く快勝の理由
ワールドカップ特別企画として、チュニジア戦での日本代表の4-0圧勝を詳細にレビューする。今回の勝利は単なるスコア以上の価値があり、今後の日本サッカーの未来に大きな影響を与える一戦だった。この試合における戦術的采配、選手の革新的な動き、そしてチームの精神的基盤に迫る。

Q. チュニジア戦での4-0という結果を歴史的勝利と評価できますか?
チュニジアのチームレベルを考慮すると、スコアだけで「歴史的勝利」と断言するのは言い過ぎかもしれない。しかし、森保監督にとって監督としてのW杯最多勝記録や、アジア勢初の4点リードという節目が複数存在する。 この試合が最も多くの国民が視聴可能な日曜の昼間に行われたことに、真の意義があった。長友選手が語るように、4得点を挙げて圧勝したことは、子どもたちに夢を与え、未来のサッカー選手を目指す大きなきっかけとなる。 「歴史的な内容」を伴った「心に残る勝ち方」は、日本サッカーの将来にとって計り知れない価値がある。また、海外で日本代表ユニフォームを着用するファンが増加している点も、日本代表が世界でリスペクトされている証しであり、単なる勝利以上の意味を持つ試合だったと評価できる。
Q. 日本代表の戦術面における勝因はどのような点にありましたか?
一つ目の勝因は田中碧選手の起用と鎌田選手のシャドー配置だ。森保監督は鎌田選手をシャドーで起用することで、チュニジアの守備戦術に対し効果的に立ち向かった。 田中選手がビルドアップ時に最終ラインへ降り、数的優位を作り出した。その結果、中盤に生じたスペースを鎌田選手が使うことで、相手のプレスを回避し、スムーズなボール循環を実現できた。 ボールを保持できる格下相手には、鎌田選手をシャドーで使うことで攻撃性能を最大限に引き出すという森保監督の判断が的確であった。 二つ目はGK鈴木彩艶選手のビルドアップ能力である。鈴木彩艶選手は単にボールをクリアするだけでなく、相手の出方を見極め、引きつけてからパスを出す冷静さを見せた。 日本の1点目は、彼の落ち着いたゴールキックからのキックフェイントと冨安選手への正確なパスから始まった。その足元の技術と判断力は攻撃の質の向上に寄与した。もしロングボールを選択しても、鈴木彩艶選手の飛距離と精度は日本の大きな武器となる。 三つ目の勝因は流動的な「4バック化」と偽サイドバックの活用だ。ビルドアップ時にはボランチの田中碧選手が最終ラインに下がることで、実質的な4バックを形成し、相手3トップのプレスを回避して数的優位を確保した。 サイドバックとして起用された伊藤洋輝選手と冨安選手は、積極的に高い位置を取らず、中盤との繋ぎ役である偽サイドバックのような役割をこなした。これによりボール保持が安定し、守備の安定と攻撃の起点を両立する、森保監督の理想とする形の一端が具現化された。

Q. 上田選手の「ハリー・ケイン化」とは、どのような役割変化でしたか?
上田綺世選手は従来の最前線で張るストライカーの役割に留まらず、中盤に積極的に降りてボールを受け、攻撃を組み立てるプレーを見せた。この動きがまるでハリー・ケインのようなため、「ハリー・ケイン化」と形容される。 中盤でボールに絡むことで、これまで代表戦ではあまり見られなかった得意のミドルシュートを打つ機会が増加。これは、彼が所属するフェイエノールト時代よりも、鹿島アントラーズ時代のツーアタッカー戦術に近いものであり、より深く攻撃に参加することで攻撃の選択肢を大きく広げた。 上田選手本人も試合後に、新しいシュートフォームに取り組んでいることを明かし、その日々の努力が今回の得点に繋がったと述べている。これは偶然ではなく、チームの戦術的分析と、個人の探求心が結びついた結果と言えるだろう。
Q. 日本とチュニジアの「チーム哲学」の違いが試合結果にどう影響したと考えられますか?
この試合で最も顕著だったのは、日本とチュニジアの「頑張る」という基準値の差だった。日本代表は、親善試合であろうとW杯であろうと、攻撃的な選手であっても攻守の切り替えや球際での粘りを全員が徹底する。 一方でチュニジアは、日本の攻撃をなんとかしのいでクリアしても、前線の選手がボールを収める努力を怠り、攻守にわたって献身性を欠いていた。この前線からの守備の不在が日本の連続攻撃を許し、試合のモメンタムを常に日本に引き寄せる結果となった。 森保監督は「二度追い、三度追いできる選手」を代表に選ぶという基準を設けている。これにより、日本代表の根幹にある献身性という強みがさらに強化され、チーム全体のパフォーマンスが底上げされている。戦術や個々のスキルに加え、この「全員が戦う」という哲学が日本を勝利に導く重要な要因となったのだ。

Q. 今回の勝利を裏側で支えた要因は他に何かありますか?
ピッチ外での大きな要因として、長友佑都選手による試合前のチームミーティングでのスピーチが挙げられる。彼は、過去4大会で2戦目を勝利できていない歴史を断ち切ろうと選手たちを鼓舞し、「5度目の正直」を呼びかけた。 さらに長友選手は、南野選手や吉田選手といった中心選手だけでなく、控えの選手の陰の努力に言及し、後藤選手の献身的な行動を具体的に褒め称えた。この言葉が選手全員のモチベーションを高め、「見られている」という意識を醸成し、チームの結束力を劇的に強化した。 このスピーチ後、ロッカールームの雰囲気は非常に引き締まり、油断がない最高の精神状態で試合に臨めたことが、圧勝の大きな土台となったと選手たちは語る。 もう一つの要因は、アジア最終予選で経験した過酷な中東での戦いだ。サウジアラビアやバーレーンといった灼熱の地でのプレー経験が、今回のW杯での暑さに対する日本の選手たちの耐性となっている。 今回の会場の暑さも選手にとっては問題なかったと報告されており、他のチームが環境適応に苦しむ中で、日本はパフォーマンスを大きく落とさずにプレーできる。これは逆境を経験したアジア全体、特に日本にとって大きなアドバンテージだ。

Q. 次戦のスウェーデン戦に向けた展望とメンバー起用についてどう考えられますか?
次戦スウェーデン戦の最大のテーマは、メンバーをどれだけ入れ替えるか、という「ターンオーバーの度合い」である。移動や過密日程を考慮すると主力の温存は必須だが、負ければ3位転落の可能性もあり、判断は難しい。 森保監督は、過去の試合から突破が確定していない状況でリスクのあるフルターンオーバーはしない傾向があるため、4~5人程度の部分的な入れ替えに留める可能性が高いと予想される。 スウェーデンはイサクやギョケレスといった強力なツートップが特徴であり、彼らの個の能力を警戒する必要がある。日本としては、あえてボールを持たせてカウンターを狙う、引いた守備から効果的な攻撃を行う戦術が有効かもしれない。 決勝トーナメントの組み合わせと試合開催地も重要な要素となる。1位通過だとモンテレイ、2位通過だとヒューストンでの試合となり、ヒューストンの方が移動距離が短く空調完備のスタジアムであるため、選手のコンディション維持には有利な側面もある。 さらに、決勝トーナメントの相手を考慮すると、組織的で完成度の高いモロッコが対戦しやすいと考える専門家もいる。スウェーデン戦では、順位だけでなく、決勝トーナメントを見据えた総合的な判断が求められるだろう。
