健康新常識
脳に効くクレアチン/「少しの毒」が体を強くする/野菜は少し毒/サウナは?/経営者・富裕層パーソナルドクター
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2026年6月23日

日常で手軽にできるタイパ・コスパの良い健康習慣のすすめ。脳のパフォーマンスをアップするクレアチン。少しの毒が体を強くするホルミシス効果。経営者・富裕層パーソナルドクターの山本康博氏が徹底解説する。 <出演> 山本康博 総合内科・呼吸器専門医/医学博士 経営者・富裕層パーソナルドクター 三田友梨佳 ...
ビジネスパーソンの新常識:クレアチンとホルミシスで脳も体も最適化せよ
現代社会において、ビジネスパーソンには常に高いパフォーマンスが求められている。仕事の効率性や集中力を高めるためには、脳と体の健康維持が不可欠だ。本記事では、一見関連性の低い筋力サプリメント「クレアチン」が実は脳機能に与える驚くべき効果と、「少しの毒が体を強化する」というホルミシス効果の科学的根拠を、具体的な事例を交えながら深掘りする。
これらの知識を日々の生活に取り入れることで、私たちは疲労回復から集中力向上、さらには病気リスクの低減まで、多岐にわたるメリットを享受できるだろう。最適な自己投資を通じて、より高い生産性と充実した生活を目指す道を探求する。
Q. 筋トレサプリのクレアチンは本当に脳にも効果があるのか?

筋トレ業界で広く知られるクレアチンは、長らく筋肉増強のためのサプリメントとして認識されてきた。しかし、最新の研究ではその効果が筋肉に留まらないことが示唆されている。クレアチンは、記憶力、集中力、思考速度といった脳の認知機能全般に良い影響をもたらす可能性があると、最近のメタ分析が明らかにしている。筋肉を動かすことも、脳で思考することも、両者ともエネルギー源としてATP(アデノシン三リン酸)を必要とする。クレアチンはこのATPの「充電器」のような役割を果たし、エネルギーが枯渇しそうな時に素早く補充する手助けをするのだ。脳の神経細胞内にもクレアチンが豊富に存在し、効率的なエネルギー供給をサポートしていると、研究でわかっている。
Q. クレアチンはどのような場面で、どのような効果を発揮するのか?
クレアチンの脳への効果は、特に脳が大量のエネルギーを消費している状況下で顕著に現れる。徹夜明けの寝不足時や、重要なプレゼンテーション、海外出張での時差ボケなど、脳のパフォーマンスが低下しやすい状況でクレアチンを摂取すると、その回復をサポートし、記憶力や思考の速度を高める助けとなる。徹夜させた被験者にクレアチンを摂取させた実験では、記憶テストのスコアが向上し、脳の回転が速くなったとの結果が出ている。また、この効果は特に18〜60歳の働き盛り世代や女性において、より高い有効性が確認されている。クレアチンは、日々の集中力維持から、ここ一番でのパフォーマンス発揮まで、ビジネスパーソンの強力な「脳の非常食」となりうるのだ。ただし、これはあくまで健康的な生活習慣を前提とした「後押し」であることを忘れてはならない。
Q. クレアチンを摂取する際の正しい知識と注意点とは?

クレアチンの種類はいくつか存在するが、最も科学的根拠(エビデンス)が強く、推奨されているのは「クレアチンモノハイドレート」である。日常的な摂取量としては、1日3gから5gを目安にする。摂取する際は、空腹時を避け、食後に十分な水と一緒に溶かして飲むことで、胃腸への負担を軽減し、吸収率を高められる。毎日継続的に摂取することで、体内のクレアチン貯蔵量が増加し、効果が安定する仕組みである。脳のパフォーマンスを一時的に高めたいと考える特別な日には、5gから10gに増量するのも有効な手段だ。しかし、一度に大量に摂取すると、腹痛や下痢を引き起こす可能性があるので、数回に分けて摂取するか、少量から徐々に慣らすのが賢明である。また、「クレアチンは腎臓に悪い」という誤解があるが、これはクレアチン代謝物であるクレアチニンが腎機能指標として使われるためだ。クレアチン摂取によるクレアチニン値の上昇は、腎機能悪化を示すものではない。ただし、腎臓に持病がある場合は、必ずかかりつけ医と相談することが大切である。
Q. 「少しの毒が体を強化する」ホルミシス効果とは一体何か?

ホルミシスとは、微量の有害物質や適度なストレスが生体に良い影響を与え、適応能力や抵抗力を高める現象を指す。この概念は、約500年前に医者のパラケルススが「全てのものは毒であり、量が薬にも毒にもなる」と述べた言葉に端を発している。人間はストレスが全くない状態では体が弱り、逆に強すぎるストレスは体を壊してしまうが、その間の「ちょうど良い」レベルのストレスは、体を反応させ、より強く、より健康にするといわれている。筋力トレーニングはその典型的な例だ。筋肉に負荷を与え、一時的に軽度の損傷(ストレス)を引き起こすことで、体はそのシグナルを受け取り、筋肉をより強靭に修復しようとする(超回復)。ただし、筋トレ直後に炎症を抑えるロキソニンなどの鎮痛剤や、酸化ストレスを軽減するビタミンCを大量に摂取すると、体が強くなるためのシグナルを消してしまうため、トレーニング効果を損なう可能性があることに注意が必要だ。これらの摂取は、筋トレから時間をおいて行うべきである。
Q. 日常生活におけるホルミシス効果の驚きの活用法とは?

ホルミシス効果は、筋トレだけでなく私たちの身近な生活習慣や食品にも潜んでいる。例えば、サウナは適度な熱ストレスを体に与えることで、ヒートショックプロテインという細胞を修復するタンパク質の生成を促し、健康効果をもたらす。しかし、過度な温度や急激な水風呂の利用は心臓に大きな負担をかけ、逆効果になる可能性もあるため、自身の体調に合わせた適度な利用が肝心だ。また、野菜や果物が健康に良いとされる理由の一つに、ポリフェノールなどの「軽い毒」が含まれていることがある。これらの物質は、元々植物が虫などから身を守るために作り出したものだが、人間が摂取すると、体が防衛反応として抗酸化物質を生成するなど、結果として健康に良い影響を与える。さらに、リンゴやキウイ、ぶどうといった果物は、皮の部分にポリフェノールや食物繊維、ビタミンが豊富に含まれている。農薬をよく洗い流せば、皮ごと摂取することでより多くの栄養を効率的に取り込めるのだ。
Q. 男性に特におすすめしたい健康習慣「献血」がもたらす効果とは?
献血もまた、ホルミシス効果の一例として注目されている。これは特に男性や閉経後の女性に当てはまる話だ。女性は月経によって定期的に鉄分が排出されるが、男性にはそのメカニズムがないため、体内に鉄分が過剰に蓄積しやすい。鉄分過剰は、老化を促進する酸化ストレスの増加や、肝臓へのダメージにつながるリスクがあるのだ。献血は、体内の過剰な鉄分を排出する有効な数少ない手段として機能する。定期的な献血が、心筋梗塞などの心血管リスクや、一部のがんのリスクを低減させる可能性を示唆する研究結果も存在すると言う。もちろん、誰でも献血が良いわけではない。自身の体内の鉄貯蔵量を示す「フェリチン値」を血液検査で確認することが重要である。フェリチン値が高い場合には献血が推奨されるが、低い場合には貧血を悪化させる恐れがあるため、逆効果となる。自分の数値を知り、適切に行動することが、健康維持には欠かせない。