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W杯現地レポート 森保監督がボードを掲げた理由
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2026年6月16日

6/16(火)10時から生配信 W杯の現地取材をしている木崎伸也、ミムラユウスケ、そしてカキーノと「W杯と日本代表」について語る。 これは、アーカイブ映像です。 <ゲスト> 木崎伸也|スポーツライター 1975年、東京都生まれ。2002年夏にオランダへ移住。翌2003年から6年間、ドイツを拠点に欧...
日本代表の「復習力」が光る:過去の教訓を未来の力に変える戦略
今回の「デイリーレポート」では、専門家たちがオランダ戦の分析から見えてきた日本代表の新たな姿について議論を交わしている。 選手個々の輝きはもちろんのこと、過去の経験を教訓に変え、組織として着実に進化するその過程が明らかになった。 戦略的かつ人間味あふれるエピソードを通して、サッカー日本代表がどのようにして真の強さを獲得しつつあるのか、その背景に迫る。

Q. オランダ戦で日本の攻撃を活性化させた要因は何だったのか?
オランダ戦の終盤、75分からの交代で投入された菅原選手、小川選手、そして冨安選手の存在が、日本の攻撃に大きな影響を与えたと三浦氏は分析する。 特に冨安選手の存在は絶大で、彼は特定のポジションに縛られることなく、攻撃でも守備でも選手の特徴をつなぐ「リンクマン」として機能した。 冨安選手がいることで、菅原選手のような攻撃的なタスクを負う選手がその能力を最大限に発揮できる土台が築かれ、連携が非常にスムーズになったと言う。 菅原選手自身も、同点ゴールにつながるコーナーキックを獲得できたのは冨安選手がいたからこそと語っており、その影響力の大きさを裏付けている。 木崎さんもこれに続き、冨安選手の万能性に着目する。試合で点が欲しい場面でどのディフェンスラインにも入れられるオプションは、チームにとって非常に価値が高い。 また、セットではないかと見られた冨安選手と菅原選手の組み合わせについても、木崎さんは渡辺剛選手の疲労を考慮すると、むしろ小川選手と菅原選手のセットの方が意図的だった可能性を指摘した。小川選手のヘディングの強さと菅原選手のクロスという連動は、以前から試されており、非常に頼もしい存在となっている。
Q. 日本代表の「復習力」とは何か、具体的にどのような教訓が生かされているのか?
日本代表は過去の苦い経験を組織の教訓として生かす「復習力」を有している。 例えば、オランダ戦でベンチが数字ボードを掲示した出来事だ。これは、試合会場となったダラスのスタジアムがアメフト用のため、吊り下げ式の大型ビジョンが選手からは見づらい構造であり、残り時間を確認できない選手のために急遽考案された対策だった。 日本はこれまでも1998年W杯初戦のアルゼンチン戦でスタジアムの時計が動かなかった経験があり、時間管理への意識が高い。こうした過去の失敗から、時間を見える化するボードが瞬時に準備され、試合展開の指示に生かされたのだ。 さらに、試合2日前の現地入りと選手ミーティングの実施も、過去の反省から生まれた戦略だ。 2014年ブラジルW杯では試合前日の移動によるバタバタで十分な準備ができず失敗したが、ロシアW杯以降、2日前移動に変更。これにより、選手たちは試合に集中できる時間を確保し、コミュニケーションを密に取る機会が増加した。 長谷部選手や本田選手が西野監督と活発な意見交換を行えたのもこのスケジュールの恩恵であり、監督が選手をうまく巻き込むマネジメント手腕が光った。 日本サッカーが積み重ねてきた失敗と学びが、現在の組織力と戦略に大きく寄与していることが伺える。
Q. 飲水タイムは日本代表にどのような影響を与えているのか?
試合中に設けられる飲水タイムは、単なる水分補給の時間以上の意味を持つようになった。 戦術的な修正を行うための貴重な機会であることはもちろん、日本代表においては「ボトムアップ」のコミュニケーションを促す場としても機能していると言う。 名波コーチを中心に齊藤コーチが補足し、森保監督が個別に指示を送る一方、選手同士でも声を掛け合い、心を通わせる時間として活用されているのだ。 特に長友選手は失点後に一度集まって声を掛け合うこと、そして飲水タイムでも同様にコミュニケーションを取ることを提案していると言う。監督やコーチからの一方的な指示だけでなく、選手同士が主体的に意見を交換し、チームの結束力を高める日本らしい「アメーバ組織」がそこにある。

Q. 次戦の相手チュニジアは監督が解任されるなど混乱状態にあるが、日本はどのように戦うべきか?
チュニジアはスウェーデン戦で1-5と大敗し、ラムシ監督を解任するという激動の状況にある。この試合では信じがたい凡ミスが連発し、組織の混乱が如実に表れたと専門家たちは指摘する。主要選手である主将のスヒリが所属クラブで不慣れなポジションに起用されコンディションを落としている他、出場機会を得られていない選手が多いなど、個々の状態にも課題が見られると言う。 しかし、監督交代がチームに「カンフル剤」の効果をもたらす可能性は無視できない。競争原理が再燃し、選手たちのモチベーションが一時的に高まることも考えられるからだ。 過去にも、2022年W杯で初戦大敗後に監督を交代し、次戦で日本に勝利したコスタリカの例がある。油断は禁物で、日本は最大限の警戒を持って臨むべきである。 さらに、チュニジアがモンテレーで1試合消化した後、同じ地で日本を迎え撃つため、移動が少ない分、コンディション面で有利に働く可能性もある。日本のチームは移動を伴うため、まるでアウェイに乗り込むようなタフな状況になるかもしれないと、注意喚起がなされた。 加えて、スウェーデンの強力なツートップであるイサクとヨケレシュによるカウンター攻撃は日本の脅威となったが、チュニジアも長身センターバックやボールを持てるハンニバルといった危険な選手を擁しており、新しい監督が守備を固めてカウンターを狙う戦略も予想されるため、予断を許さない状況と言える。 ラムシ監督解任の背景には、世代交代に伴うベテラン選手の排除によるチーム内での軋轢があった可能性も指摘されており、その混乱が吉と出るか凶と出るか、日本はあらゆるシナリオを想定して戦術を練る必要があるだろう。
Q. 今回のワールドカップでアジア勢が目覚ましい躍進を見せている背景には何があるのか?
今回のワールドカップで、アジア勢は初戦5チームが無敗という快挙を成し遂げている。 この躍進の背景にはいくつかの要因が考えられる。
アジア予選による「環境耐性」: アジア予選は中東などの厳しい気候下で行われることが多く、長距離移動も頻繁にある。欧州勢が不慣れな環境に苦しむ中、アジア勢はこのような過酷な環境への「免疫」があり、パフォーマンスを発揮しやすい状況にある可能性がある。
強豪国の「省エネ戦術」: 優勝を狙う強豪国の中には、長い大会を戦い抜くため、グループステージを「肩慣らし」と位置づけ、主力を温存するなどの「省エネ戦術」を用いるチームがある。これが番狂わせの機会を与えている側面もある。2014年W杯優勝のドイツが良い例だ。
出場枠拡大による勢力図の変化: 今大会から出場枠が32から48に拡大したことで、アジアの出場枠が増加し、各国の強化が進んだ。アジア全体のレベルが底上げされた一方で、欧州などからはプレーオフ経由で比較的実力の劣るチームも出場している。これにより、大陸間の実力差が拮抗し、アジア勢がより上位進出を狙える土壌が生まれている。
Q. 久保建英選手の負傷状況と、次戦以降の見通しはどうなっているか?
久保建英選手の膝の負傷について、現時点では「打撲」との情報があり、重症ではない可能性が高い。 本人も「昨日より今日の方が膝の状態が落ち着いている」と語っており、チームメイトの板倉選手も「普通に歩いていた」と証言している。 最も重要なファクトとして、試合後すぐに飛行機で移動できている点が挙げられる。もし重篤な怪我であれば、飛行機の気圧変化による悪化を避けるため、ドクターは搭乗を許可しない。この事実から、深刻な事態は避けられたと考えられる。 打撲であるため、今後の治療と回復には比較的短い期間で済むと見られているが、大事をとって次戦のチュニジア戦は欠場する可能性もある。今後のチーム戦略や勝ち上がりを見据え、無理なく最高のパフォーマンスを発揮できるよう慎重な判断が求められるだろう。
