PIVOT TALK FOOTBALL
オランダ戦直前プレビュー:オランダの弱点は?
(580)
1.0万回視聴
2026年6月14日

6月12日に開幕した北中米W杯。ついに明日に迫るオランダ戦。遠藤離脱と森保監督の発言から見えること、オランダの弱点とは?スコア予想は?木崎伸也氏、ミムラユウスケ氏に直前プレビューしてもらった。 <ゲスト> ミムラユウスケ|スポーツライター https://x.com/yusukeMimura 木...
オランダ戦徹底解剖:酷暑、トラブル、そして変化するチームで日本は勝機を掴むのか
熱気高まるオランダ戦の開幕を控え、開催地ダラスの状況とチームの裏側が明らかになった。現地は酷暑と予期せぬトラブルに見舞われているが、日本代表はこれらの困難を乗り越え、戦術を磨いている様子が窺える。
この記事では、過酷な環境から遠藤航選手の離脱、そしてチームの変化、さらにオランダ攻略に向けた両識者の詳細な分析と勝敗予想をQ&A形式で深掘りする。サッカー日本代表がどのような準備を整え、強敵オランダに挑むのかを解説する。

Q. オランダ戦開催地のダラスはどのような環境ですか?
試合が開催されるダラスの環境は、事前のキャンプ地ナッシュビルと比較しても格段に厳しく、特に選手にとって酷な気候であることが判明した。
高湿度の下、直射日光が強く、屋根のない場所での公式取材対応中に森保監督や松本フィジカルコーチが選手の体調を案じて不満を示す場面も見られた。このような環境は、試合中の選手の体力消耗に大きな影響を与えるだろう。
Q. 現地ではどのような運営トラブルが発生していますか?
今大会はピッチ外でのトラブルが多発している。ダラスの主要空港ではアメリカン航空の欠航が相次ぎ、多数のメディア関係者が移動困難に見舞われた。
さらに、ミムラユウスケ氏は宿泊先のホテルに部屋がないと言われたり、別の予約したアパートメントホテルに連絡がつかないなど、移動や宿泊面でも混乱が続いたという。
オランダ代表選手もフライト欠航によりキャンプ地入りできず、試合開催地のダラスへ直接移動せざるを得ない状況に陥った。大会運営についても、メディアへの案内ミスが散見されるなど、これまでの国際大会と比較してトラブルの多さが指摘されている。これらは選手だけでなく、メディアや関係者全体に多大なストレスを与えている実情がある。

Q. 遠藤航選手の離脱はチームにどのような影響をもたらしましたか?
遠藤航選手の離脱は、森保監督にとって苦渋の決断だったとみられる。監督は記者会見で涙を滲ませながら、メディカル判断を基に長時間プレイが困難と判断し、本人や家族を傷つける形になったことを謝罪した。
しかし、遠藤選手側には離脱を告げられたタイミングやリハビリプランの説明不足に対し、唐突さや納得できない部分があったようだ。森保監督の、意図を詳細に説明しない傾向が、選手とのコミュニケーションに認識のズレを生んだ可能性もある。
だが、この主将の離脱は皮肉にもチームにポジティブな変化をもたらした。新キャプテンに就任した板倉滉選手のもと、選手ミーティングが開催され、長友佑都選手らが緩んだ空気を引き締めようと訴えた。これにより、チーム内の雰囲気が劇的に好転し、一体感が高まったという。この「ショック療法」が、チームを良い状態に押し上げていると現地ジャーナリストは指摘する。

Q. 日本代表とオランダ代表の予想スタメン、そして主要選手の特徴を教えてください。
日本代表の左サイドは、中村敬斗が左ウイングバックとして有力視されており、ピッチ視察時に伊藤洋輝と連携を確認するかのような様子も見られた。シャドーでは伊東純也が有力だが、前田大然の起用を望む声もある。全体的に、2日前の紅白戦などの様子から、選手たちは自身の役割を把握していると考えられる。
対するオランダ代表は、テストマッチのウズベキスタン戦で見せた布陣を基本とする見込みだ。攻撃時には右サイドバックのドゥンフリースが高い位置を取り、非対称の攻撃システムを用いる。センターフォワードはマーレンが有力だが、デパイのコンディション次第では先発の可能性もある。もしデパイがセンターフォワードを務める場合、マーレンが右サイドに回ることも考えられる。
オランダの要注意選手の一人であるサマーフィルは、小柄ながらスピードとドリブル技術を兼ね備え、縦突破とカットインの両方を得意とする。日本代表には彼のようなタイプに対応できる選手が多いため、相性的には戦いやすいとの見方もある。オランダの攻撃の肝となるドゥンフリースが上がる裏のスペースを日本がどう突くかが、勝敗の鍵となるだろう。

Q. 日本代表がオランダ攻略するための具体的な戦略は何ですか?
横のポジションチェンジでオランダ守備陣を崩す
後半に生じる「間延び」を突き、チャンスをものにする
マルチボールシステムを活用したスローインからの速攻

まず、「横のポジションチェンジ」だが、菅原由勢選手はオランダのセンターバックが横ずれに弱く、ボランチの守備意識が低いと分析している。これは、チーム内で共有されている情報とみられる。久保選手や堂安選手、あるいは伊東選手や田中碧選手らが流動的に位置を変えることで、オランダのマンツーマン守備を混乱させ、効果的な攻撃につなげられる可能性がある。
次に、「後半の間延び」については、欧州の強豪国特有の傾向で、試合終盤に選手間のスペースが広がる現象だ。ドイツ戦の成功体験からも、日本は前半を堅く守り、後半に生まれた広大なスペースを突いて逆転を狙う戦術が有効であると考えられる。森保監督も会見で「先行して勝ち切る」と述べており、前半に無理をせず、後半の勝負所を見極める意図が窺える。
そして、「マルチボールシステムを活用したスローイン速攻」だが、今大会から導入された複数ボールを配置するシステムを日本がどう利用するかに注目だ。日本はスローインからの素早いリスタートを得意としており、相手守備が整う前にボールを投入することで、カウンターチャンスを創出できる。これは、パリ・サンジェルマンも採用しており、戦術的な鍵となる可能性がある。

Q. オランダ戦で勝利するための日本代表の鍵となる要素は何ですか?
まずは失点しない「永遠のゼロ」を意識する
ドゥンフリースへの対策「バンプ」
日本の強みである素早い切り替えで「可変の穴」を突く

ミムラユウスケ氏は、「永遠の0」が日本の基本的な戦略だと強調する。これは堂安律選手や中村敬斗選手も語る通り、まず失点しないことを最優先にすることで、相手が焦れて攻撃に出てきたところにカウンターを仕掛ける、という「我慢比べ」を制す考え方だ。
オランダのキーマンであるドゥンフリースに対する守備は、バスケットボール用語で「バンプ」というフィジカルな守備技術が鍵となると述べる。空中戦で彼とまともに競り合うのではなく、ジャンプする前に体をぶつけて自由な体勢を作らせないことが重要だという。中村敬斗選手もこの「バンプ」の重要性を指摘している。
さらに、日本の最大の強みは「攻守の切り替えの速さ」であり、これでオランダの「可変の穴」を突く。オランダの戦術は攻撃時にフォーメーションを変えるため、ボールを奪われた瞬間に守備陣形が整っていない箇所が必然的に生じる。特に、攻撃に積極参加するドゥンフリースが抜けた背後のスペースが狙い目となる。GK鈴木彩艶選手も、日本の切り替えの速さには世界的に見ても自信があると言及しており、この強みを生かすことで日本に大きな勝機が生まれると予測する。例えば、鈴木彩艶選手からの正確なロングボールで一気に裏を返すことも可能だ。
Q. 森保監督はどのような試合展開を理想としていますか?また、最終的な試合展開とスコアはどのように予想されますか?
森保監督は会見で「先行逃げ切り」ではなく「先行して勝ち切る」という言葉を繰り返し用い、リードを奪った後も守備一辺倒ではなく、主体的に試合を終わらせる強い意思を示した。試合の入りはハイプレスで勢いを見せるが、選手が体力温存を好む傾向があるため、中盤からはミドルブロックで構え、我慢比べの中からカウンターを狙う戦術も十分に考えられる。守備を固め「隙のない戦い」をすることこそ、相手を焦らすための最善策だと監督は考えているようだ。
木崎氏は、遠藤選手の離脱を経てポジティブに変化したチームの雰囲気から、日本が「1-0」で勝ち切ると予想。得点者は、久保選手とのローテーションで相手のマークを外し、ペナルティエリア内に侵入する堂安律選手とみている。一方、ミムラ氏は、オランダが2006年以降90分間負けていないというデータや、初戦であることを考慮し、堅実な「0-0」の引き分けが最も現実的なシナリオだと予想する。
いずれにせよ、両専門家は日本の堅守速攻、そして相手の弱点を突く戦術が勝敗を分ける鍵だと見ている。多くのストレスと変化を乗り越え、結束した日本代表がどのような戦いを見せるのか、期待は高まるばかりだ。