ビジネス虎の巻
新NISAの最適解/今後もS&P500が最強な理由
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2026年7月7日

「S&P500 vs オルカン」永遠の命題についに決着?今回の『ビジネス虎の巻』は、資産運用のプロが「新NISAの最適解」を徹底解説。 <ゲスト> 小林亮平|資産運用YouTuber 登録者数 約90万人を誇る人気チャンネル「BANK ACADEMY」では新NISAをはじめ資産運用の入門知識を発信...
新NISAは「S&P 500」と「オルカン」のどちらが賢い選択か?徹底比較と戦略解説
新NISAでの資産形成に関心が高まる中、多くの投資家が「S&P 500」と全世界株式(通称:オルカン)のどちらを選ぶべきか悩んでいる。
この長年の議論に終止符を打つべく、専門家の見解を基に両者のメリット・デメリットを比較検討する。さらに個性的な「第3の選択肢」やリスクを許容できる投資家向けの「激辛ファンド」まで解説し、自身の投資哲学とリスク許容度に合わせた最適な選択を見つける一助とする。


Q. 新NISAでS&P 500とオルカンはどちらを選ぶべきか?
新NISAにおけるS&P 500とオルカンの選択は、投資家の「永遠の命題」である。結論として、資産運用YouTuberの小林亮平氏はS&P 500一本での集中投資を実践していると語る一方で、ファンドアナリストの海老澤界氏は全世界に広く分散投資するオルカン寄りの考え方を示す。
最終的にどちらがベターかは、過去のデータだけでなく、未来への展望、自身の投資哲学、そして精神的な安心感をどこに求めるかによって異なる。
Q. S&P 500が優れた投資先と評価される理由は何か?
S&P 500が高いリターンを期待される理由は大きく3点ある。まず、過去30年間の平均リターンが年プラス10.1%と、全世界株式(プラス8.4%)を上回る実績がある。次に、米国は先進国の中で唯一、移民受け入れにより2100年まで人口増加が見込まれる点である。
人口増は経済の活性化と消費拡大に繋がり、株価を押し上げる強力な要因となる。最後に、米国はGAFAMに代表される巨大企業がイノベーションを牽引し、AIなどの新技術分野で世界をリードしている。多様性を重視する文化が新たなアイデアを生み出し、経済成長を持続させる原動力となっているためである。
Q. S&P 500投資の潜在的なリスクにはどのようなものがあるか?
S&P 500への集中投資には潜在的なリスクが存在する。短期的な懸念としては、米国の大統領選挙がある年は政治的な不透明感から、歴史的に市場が弱気になりやすい傾向が挙げられる。長期的な視点では、現在のAI分野での優位性が、中国などの競合国の台頭により揺らぐ可能性も完全に否定できない。
米国一国への集中投資は、もし米国経済が停滞する局面を迎えた場合、ポートフォリオ全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。投資家は、これらのリスクを許容できるか、そして株価下落時に精神的な安定を保てるかを考慮する必要があるだろう。
Q. 安定性を重視するならオルカン(全世界株式)が推奨されるのはなぜか?
オルカンが安定志向の投資家におすすめされる最大の理由は、「精神的な安心感」を提供することにある。未来の相場を予測することは誰にも困難であり、特定の一国に集中するリスクを避けたいと考える投資家には、世界経済全体の成長に広く分散投資できるオルカンが有力な選択肢となる。
オルカンは市場の時価総額に応じて自動的に構成比率を調整(リバランス)するため、米国以外の国が成長してもその恩恵を取りこぼすことがない。ただし、オルカンに投資してもその構成比の60%以上は米国株が占めるため、米国経済への依存度はある程度残る。無理のない範囲で、毎月の手取り収入の5~10%から積立を始めるなど、心理的な負担を軽減する工夫が推奨される。
Q. オルカンとS&P 500以外にどのような投資選択肢があるのか?

両者以外に「先進国株式インデックス」も有力な選択肢となる。これは、オルカンから新興国を除いたもので、新興国特有の経済成長の停滞リスク(中所得国の罠)を避けることを目的としている。
実際、過去2010年代以降のデータを見ると、先進国株式インデックスがオルカンより優れたパフォーマンスを示す期間もあった。これは、長期的な経済成長を持続できる先進国に限定して投資する合理性を示す。
一方、新興国株は一括で持つのではなく、インドのように人口増と特許出願件数の急増など、特定の高い成長が期待できる国を個別に選んで「サテライト投資」としてポートフォリオに加えるのがスマートだという考えもある。この「サテライト投資」は、成長を取りこぼしたという後悔を避ける「精神安定剤」としても機能する。複数の銘柄を持つこと自体は問題ではないが、重要なのは長期保有のスタンスであると強調されている。
Q. S&P 500を超える高リターンを目指す「激辛」投資信託とは?

S&P 500では物足りず、さらなる高リターンを狙う投資家向けに、特定の「激辛」投資信託が存在する。その一つが「米国株式アグレッシブポートフォリオ」(愛称:Geo Max)である。これは、S&P 500が10%上がる時に15%上がるような、市場全体の動きに「感応度が高い」米国企業約20銘柄に厳選して投資するアクティブファンドだ。
「激辛」と呼ばれるのは、高いリターンが期待できる反面、下落局面ではS&P 500よりも大きく下がるリスクがあるためだ。しかし、このファンドはレバレッジをかけていないため新NISAの成長投資枠で購入可能である。また、「幾何平均を最大化する」という数学的モデルに基づき、長期的な複利効果を最大限に高めつつ、闇雲にリスクを取ることを避ける設計が特徴だ。過去1年間でS&P 500(45%)を大幅に上回る114%のリターンを記録しており、高い運用コストと10年以上の長期保有を許容できる投資家向けの選択肢である。
Q. 新NISAで資産形成を始める上で最も大切なことは何か?
新NISAで資産形成に取り組む上で最も大切なのは、「精神的に不安にならずに長期で持ち続けられるか」という点である。「どの銘柄が一番高いリターンを得られるか」ばかりを追求するのではなく、自身のリスク許容度やライフプラン、投資哲学に合致する商品を選ぶことが肝要だ。
途中で売却してしまっては複利効果を最大限に享受できないため、焦らず、自分のペースで、納得感のある投資戦略を構築することが長期的な成功への近道となる。また、新NISAの対象が18歳未満にも拡大される「神改正」が実現すれば、子供の資産形成を早期から非課税で行える強力なツールとなる可能性も秘めている。